まえがき
日本人は1400兆円もの個人資産を持っている。そして銀行の超低
金利、ペイオフといった環境の中、日本人のだれもがいやおうなく
IT(情報技術)とFT(金融技術)を象徴する、相場という一種の
バクチ場とかかわりあうようになってきた。
命の次に大切なおカネは、自分の手で稼ぐしかない。最初から手
に負えないものとあきらめずに、自らが研究し自らの投資戦略を持
たなくてはならないのだ。
マーケットの動きは人の動きであり、結局、市場の本質を理解す
るには、「人間を理解する」ことである。平均株価のような一部の
投資家が左右するにはあまりにも大きく、特に人間の感情が短期で
はもろに現れるような市場には、優位性の証明されたトレーディン
グ手法が有効に働く。
バクチには、「大数の法則」という、避けては通れない法則があ
る。バクチは控除率があるため、やればやるほど負けていき、最後
にはスッカラカンになってしまう。投資における控除率とは、利益
にかかってくる税金、そして手数料である。
本書は、2部構成になっている。
第1部では、トレーディングをするための基礎知識、いわば大学
でいうところの一般教養課程を勉強してもらう。投資という一種の
バクチで勝つ前提条件である控除率をいかに抑えるか、また成功す
るための10ポイントをおさえる。
第2部は、トレード大学の学士課程だ。実際のトレーディングの
手法を学んでいく。短期トレードの定石として、さまざまなテクニ
カル指標の意味を学び、デイトレードのテクニック、そして平常心
でトレーディングするコツをマスターしてもらう。
21世紀は、IT(情報技術)とFT(金融技術)の時代といえるだ
ろう。コンピューターとデリバティブを駆使し、「思惑」を的中さ
せることで、経済の分野で勝者になれる時代なのだ。
本書がきっかけとなり、世界中のマーケットからトレーディング
益を稼ぎ出す個人を一人でも多く世に輩出することで、21世紀、日
本がITとFTの先進国として発展する一助となれば幸いである。
2002年6月 岡本治郎
目次
第1部 トレーディングで生活したい!
デイトレード大学 一般教養課程
プロローグ/国家の成り立ちとカネ儲けの障害
第1章 財テクは会社をつくってからやりなさい
第2章 テイク・オフ・トレーディングビジネス
第3章 成功のための行動と備え10のポイント
第2部 投資の羅針盤
デイトレード大学学士課程
プロローグ/稼げる手法をまねてみよ
第4章 短期トレードの定石を学ぶ
第5章 最強のデイトレードテクニック
第6章 トレーディングの心構え
学士課程修了にあたり/日本はマーケット教育で金融立国として再生する
'パンローリング書籍案内ページ'に本文の抜粋が掲載中!!
読者のご意見
サラリーマンでも投資会社がつくれる!とのキャッチに惹かれて本書を読んだ...