トレードで成功するための「聖杯」はポジションサイズ
トム・バッソ,
井田京子,
長岡半太郎
パンローリング
四六判 158頁 2021年9月発売
本体 1,800円 税込 1,980円
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読者の声
トム・バッソが教えるその理由とその方法
トレードで成功するために、戦略・戦術よりも前に考えるべきこと、それはポジションサイジング!
資金を安全に最速で増やしたいトレーダーにとっての必読書
マーケットウィザードの1人であるバッソが株式や先物やFXや投資信託で約6億ドルもの資金を運用していたトレンドスタット・キャピタル時代に開発し、実際に使っていたポジション管理とポートフォリオ管理の方法を、一切隠すことなく明らかにしているのが本書である。
このなかには、トレードのプロセスに合わせてポートフォリオに対するポジションの「正しいサイズ」を計算するための、だれでもできる簡単な公式も含まれている。
トレンドスタットのときの綿密な研究によって、これらの概念はあらゆるトレード戦略において、リターンを高め、ドローダウンを減らし、リターン・リスク比を改善することが実証されている。すべてのトレーダーたちは、この明瞭簡潔に書かれた読みやすい本書から、多くの優れたアイデアを自分のトレード戦略に取り入れることで、資金を有効かつ最短で増やしていくことができる。また、どんな相場に対しても、ミスター冷静沈着の異名を取るバッソのような心理状態を保つことができるだろう。
戦略や戦術や手法、また仕掛けや手仕舞いをいくら研究しても、資金が遅々として増えないトレーダーや投資家にとって、本書は目からウロコの救世主となる書籍である!
著者紹介
トム・バッソ(Tom Basso)
12歳のときに新聞配達のアルバイト代で初めての投資信託を買い、1974年、クラークソン大学で化学エンジニアリングを学び、卒業と同時に株を買い、2年後には先物のトレードを開始。1980年代初めには、サザン・イリノイ大学でMBA(経営学修士号)を修得。1980年、仲間2人とケネディー・キャピタル・マネジメントを創業、数年後には持ち分を売却し、トレンドスタット・キャピタル・マネジメントのオーナー兼社長になり、ピーク時には約6億ドルの資産を運用した。『新マーケットの魔術師』でインタビューされたウィザードの1人で、全米先物協会の理事、ナショナル・アソシエーション・オブ・アクティブ・インベストメント・マネジャース(NAAIM)の理事のほか、さなざまな会社の取締役などを務めた。著書には『トム・バッソの禅トレード』(パンローリング)がある。15年ほど前に引退し、ゴルフ、執筆、料理、歌、ダンス、運動、トレーダー仲間の手助けをする活動に従事し、トレーダーのためのウェブサイト(https://enjoytherideworld.odoo.com/)を開設している。
目次
監修者まえがき
まえがき
はじめに
第1章 トレードで成功するために必要な三つのこと
売買エンジン
ポジションとポートフォリオを管理する
トレードの心理的な側面
トレードで成功するための三つのこと
第2章 戦略とシステム
戦略は自分に合うものでなければならない
コンピューターとトレード
第3章 ポジションサイズを管理する理由
第4章 仕掛けポジションのリスクを管理する
自分のリスク許容量に合わせて損切りを置く
どれだけ買うのか、または売るのか
株式でリスク配分を行ったシミュレーション
株式でリスク配分を変えたシミュレーション分析
先物でリスク配分を変えたシミュレーション
先物でリスク配分を変えたシミュレーション分析
第5章 仕掛けたポジションのボラティリティを管理する
ポジションのボラティリティの簡単な計算方法
ボラティリティを使って仕掛けるポジションサイズを決める
株式でボラティリティ配分を変えたシミュレーション
株式でボラティリティ配分を変えたシミュレーション分析
先物でボラティリティ配分を変えたシミュレーション
先物でボラティリティ配分を変えたシミュレーション分析
第6章 資金と証拠金を管理してポジションを仕掛ける
第7章 手法を組み合わせることは大いに意味がある
株式でリスクとボラティリティをさまざまに組み合わせた分析
先物でリスク配分とボラティリティ配分をさまざまに組み合わせた分析
先物でリスク配分とボラティリティ配分をさまざまに変えたシミュレーション分析
第8章 ポートフォリオの資金の種類
少額から始める
第9章 ポジションを仕掛けたあとはどうするのか
トレード進行中のリスク配分の限度
先物でのトレード中のリスク配分のシミュレーション
先物でのトレード中にリスク配分を変えたシミュレーション分析
トレード中のボラティリティ配分を変えたシミュレーションの分析
先物でのトレード中のボラティリティ配分を変えたシミュレーション
先物でのトレード中のボラティリティ配分を変えたシミュレーション分析
トレード中の証拠金の限度
第10章 先物でのトレード中のリスクとボラティリティの限度を組み合わせる
先物でのトレード中にリスクとボラティリティの限度を変えたシミュレーション
先物でのトレード中のリスクとボラティリティの配分の限度を変えたシミュレーション分析
第11章 ポートフォリオ全体のリスクを管理する
第12章 ここまでのまとめ
第13章 「スケールアウト」と「ポジションサイズの適正化」
第14章 自分に適したイクスポージャーを決める
極限を狙うという選択肢はない
少ないほうが良いところ
第15章 ポジションサイズの「スイートスポット」に関するミスター冷静沈着の考え方
■監修者まえがき
本書は「マーケットの魔術師」の一人であるトム・バッソによる“Successful Traders Size Their Positions -- Why and How?”の邦訳である。バッソはジャック・シュワッガーの『新マーケットの魔術師』(パンローリング)で「トレーダーの鑑」として紹介されており、本書ではポジションサイズ(リスクイクスポージャー)を管理することによって、いかなる状況でも冷静沈着にトレードする方法の基礎を解説している。
一般に、投資家の興味は良い銘柄を選ぶことにあり、トレーダーは売買エンジンを最適化することに最大の関心を払う。一方で、ポートフォリオを適切に構築すること、各種リスクを可能なかぎり見える化・定量化し管理すること、そしてそれらを心理的な安全・安心にまで昇華させることに注力する人はほとんどいない。だが、その大切さはいくら強調してもしきれるものではなく、ゆえに「マーケットの魔術師」たちは例外なくリスク管理に言及してきたのである。
私の若い知人の一人に十年来のウイザードブックシリーズ(WBS)の愛読者のファンドマネジャーがいる。彼のファンドのトラックレコードはピアグループ内で群を抜いている。その異質さは、単にリターンの絶対値だけではなく、その安定性がほかの追随をまったく許さないレベルにあるところにある。自社や他社を含めほとんどの機関投資家がほぼ同じような情報に接し、同じような条件・制約下で運用を行っているのにもかかわらず、なぜ彼の運用が統計的に明らかに有意に優れているのかについては、彼の所属組織でもだれも理解できず謎とされている。
だが、WBSの読者にとっては不思議でもなんでもないが、彼のエッジの一つはリスク管理にある。一連のWBSで解説されてきた(しかし伝統的な投資の世界ではなじみのない)リスク管理方法を、彼は自分の運用に導入し愚直に実行しているのである。あまり強調されていないことだが、リスクを適切に管理する技術は、単に使い手に安心感を与えるだけではなく、パフォーマンスの飛躍的な向上をもたらす。(続きを読む)
まえがき ローレンス・ベンスドープ
もし私がこの概念を二〇〇〇年当時に知っていたら、トレーダーとしてもっと早く利益を出せるようになっていただろう。本書は、仕掛け時のポジションサイズの決め方から、トレード中にリスク管理を継続して行う方法までを網羅しており、初心者にとっても経験豊富なトレーダーにとっても必読の書になっている。
本書では、まず自分に合うトレード戦略を選ぶことの重要性と、ポジションサイズを管理する必要性について述べている。私が経営するトレーディング・マスタリー・スクールでは、自動トレード戦略について教えている。私は長年、たくさんの人に教えてきたが、そこで気づいた重要なことは、トレーダーは一人ひとり違うということである。考え方も、強みも、弱みも、リスク許容量も、目的も、トレーダーそれぞれで違うのだ。バッソはそのことを理解し、戦略があなたという人に合ったものでなければならないということを強調している。この重要な点をあまりにも多くの人が見過ごし、そのためにトレードで苦戦している。
第4章から第10章は、仕掛けのリスクやブレイクアウトや証拠金を考慮してポジションサイズを決める簡単な公式とその例を分かりやすく説明している。これらの章を読めば、ポジションの推奨サイズを算出する方法を理解できる。しかも、本書に出てくる公式や例は電卓で計算できる簡単なものなので、だれでもすぐに自分のトレードに応用することができる。(続きを読む)
はじめに
私は一二歳のときに新聞配達のアルバイト代で投資信託を買って以来、化学エンジニアとして短期間働いたときも株投資を行い、そのあとの二八年間はプロのマネーマネジャーとして証券や先物や通貨をトレードし、今は個人で年金ファンドを運用している。そして、この間にトレードの世界でたくさんのことを見てきた。例えば、学問と資金管理が合わさると、投資の過程は不可解で複雑になる。そして、それを見た多くの個人投資家は自分のポートフォリオを運用するのが怖くなる。しかし、そんなことは気にせずに投資を始めてほしい。
正しいポジションサイズを建てるという考えは、新しいことではない。また、本書には簡単な数式が出てくるが、中学二年までの知識があれば十分だ。コンピューターがあれば便利だが、必須ではない。
(中略)私が知るトレーダーの多くは、単純に「利益」を上げる方法を知りたがっている。そこで、本書ではポジションサイズの実践的な決め方に関する私の考えをできるだけ単純かつ実用的に述べることにした。
■『新マーケットの魔術師』にもインタビューされたトム・バッソとは、こんな人
トム・バッソは一二歳のとき、新聞配達のアルバイト代で初めての投資信託を買った。そして一九七四年、クラークソン・カレッジ・オブ・テクノロジー(現クラークソン大学)で化学工業を学び、卒業すると株を買い始めた。それから二年後、彼はポートフォリオを分割し、株で得た利益の一部を使って先物のトレードを始めた。一九八〇年代初めには、サザン・イリノイ大学でMBA(経営学修士号)を修得した。
一九八〇年、バッソは二人の仲間とともにケネディー・キャピタル・マネジメントを創業した。しかし、二〜三年後には自分の持ち分を売却し、トレンドスタット・キャピタル・マネジメントのオーナー兼社長になった。この会社は、株と投資信託と先物のトレードを行っていたが、取引量の増加に伴って、FXのプログラムも加わり、ピーク時には世界中の顧客から預かった約六億ドルの資産を運用していた。
バッソの数学とコンピューターの経験が、トレンドスタットの時間と人材の活用に役立った。彼のモットーは「コンピューター化が可能なものはそうする」で、これがのちに一〇〇万ドル規模のリサーチとトレードのプラットフォームの開発につながった。このプラットフォームは、数百人の顧客の口座で、三〇種類のFX通貨ペアと八〇の商品や先物市場を管理するだけでなく、二〇以上の投資信託のタイミングを七つの異なるトレード戦略を同時に使って運用することができるものだった。
ジャック・シュワッガーは、『新マーケットの魔術師――米トップトレーダーたちが語る成功の秘密』(パンローリング)でバッソにインタビューし、彼を「ミスター冷静沈着」と呼んだ。バッソは、全米先物協会の理事に三人の公認CTA(商品投資顧問業者)の一人として選出され、ここで電子報告や注文フローや規制データの基準を導入して業界の自動化を進めた。また、過去にはナショナル・アソシエーション・オブ・アクティブ・インベストメント・マネジャース(NAAIM)の理事や、アリゾナ州スコッツデールにあるクリーマイザー・インク(小さな会社だがアメリカでコーヒークリームサーバーのトップメーカー)の取締役、ランプ・テクノロジース(テキサス州ダラスにある先物業界とヘッジファンド業界のバックオフィスのアウトソーシングに特化した会社で、のちにニューヨークの銀行に買収された)の経営委員なども務めていた。
彼は、トレーダーを助けるために『トム・バッソの禅トレード』(パンローリング)、ゴルフがうまくなりたい人のために『パッティング――ザ・イージエスト・ストローク・イン・ゴルフ』(Putting -- The Easiest Stroke in Golf)を執筆した。また、トレーダーのためのウェブサイト(https://enjoytherideworld.odoo.com/)も開設し、トレーダーが自分の戦略をコンピューター化できるようにする目的で作ったエクセル版ETRトレーディングツールを提供している。さらには、全一六回のビデオシリーズを制作し、トレーダーが自分に合ったトレード戦略を開発する学びに寄り添っている。バッソは一五年ほど前に引退し、ゴルフ、執筆、料理、歌、ダンス、運動、トレーダー仲間の手助けなどさまざまな活動を楽しんでいる。
(ウィザードブックシリーズ320)
読者のご意見
本書は有名なマーケットウィザードであるトム・バッソによる最適なポジションサイズやポートフォリオ管理に関する本だ。...もっと見る
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3,080円 国内送料無料
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