投資価値理論 株式と債券を正しく評価する方法
ジョン・バー・ウィリアムズ,
長尾慎太郎,
岡村桂
パンローリング
A5判 622頁 2010年11月発売
本体 3,800円 税込 4,180円
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読者のご意見 | 目次
現代によみがえる「投資価値理論」の記念碑的古典
『証券分析』に並ぶバフェット激賞の名著
ハーバードの教科書にも採用
60年以上読み継がれてきた本書は、ベンジャミン・グレアムやワイコフの著作と並
び称される古典的名著である。ジョン・バー・ウィリアムズが本書を書いたのは、第
一に、「投資価値理論」という新しい学問分野の姿を明らかにすることであった。こ
の「投資価値理論」とは、独占理論、貨幣理論、国際貿易理論など、経済学という大
きな大河から枝分かれした明晰な原理から成り立っている。第二は、抽象的な経済原
論と投資の実際の問題を結びつけて考えること、そして、利子率、地代、賃金、収
益、税、貨幣の各理論を適用して株式や債券を評価する方法を示すことである。第三
は、投資家にとってのニューディール政策の経済的重要性について検証し、現在の投
資政策で最も重要な問題を見つけることである。
本書は主に、賢明な投資家やプロの投資アナリストを対象としているが、経済理論
家にも興味を持ってもうらうように、ジョン・バー・ウィリアムズは執筆した。とい
うのも、長期金利や短期金利、流動性選好、不確実性やリスク、将来の利率、インフ
レの可能性、それに対する株式と債券の反応、市場の動向、株価の形成、投機的商品
の価格と株価の連携、さまざまな税の負担など、さまざまな問題についても提案して
いるからだ。
「これまでの投資分析が投資家の要求にまったく見合ったものでなかったことは、
近年見られた株価の大変動で明らかになった」――大恐慌を経験したジョン・バー・
ウィリアムズだからこそ、価格変動を知る信頼できる評価基準を学問まで昇華させる
ことができたのだ!
著者紹介
ジョン・バー・ウィリアムズ(John Burr Williams)
ハーバード大学在学中は数学と化学を専攻。1923年に卒業後、ハーバード・ビジネ
ス・スクールに進み、経済予測と証券分析を学ぶ。その後、証券会社で証券アナリス
トとして活躍するものの、1932年、プロのエコノミストを目指して再びハーバード大
学文理学部に入学。修士論文として本書を執筆し、1938年、ハーバード・ユニバーシ
ティ・プレスから出版する。しかし教授会の承認を得ずに論文を出版したことや、そ
の内容がケインズ学派に懐疑的であったことから、1940年になるまで博士号を修得で
きなかった。その他の著書に、『インターナショナル・トレード・アンダー・フレキ
シブル・エクスチェンジ・レート(International Trade Under Flexible Exchange
Rates)』がある。
目次
監修者まえがき
序文
謝辞
記号と略語
第1巻 投資価値と市場価格
第1部 株式市場における投機とは
第1章 「投機」と「投資」の違い
第2章 株式市場は将来を予言しているのか?
第3章 投資家の見解と市場価格
第2部 純粋投資価値理論
第4章 貨幣量の理論を株価に適用できるか?
第5章 現在価値の原則による評価
第6章 成熟企業の株式
第7章 成長企業の株式
第8章 債券と物価水準
第9章 株式と物価水準
第10章 変動利率の債券
第11章 代数予算法――その1
第12章 代数予算法――その2
第13章 合併または急な拡張による成長
第14章 オプション・ワラントや転換社債型新株予約権付社債(転換証券)
第15章 懐疑的な意見に対する回答
第3部 利息と配当の経済学
第16章 利息と配当の要因
第17章 税と社会主義
第18章 金利はどのように決定されるのか?
第4部 利率と価格水準の展望
第19章 政治、インフレ、国債
第20章 利率の将来
第2巻 投資価値に関するケーススタディ
第1部 最新の調査
第21章 ゼネラルモーターズ
第22章 ユナイテッド・ステーツ・スチール
第23章 フェニックス保険
第2部 事後評価
第24章 1930年のアメリカン・テレフォン
第25章 1930年のコンソリデーティット・ガスとユナイテッド
第26章 1930年のアメリカン・アンド・フォーリン・パワー
第27章 結論
付録1 USスチールの帳簿記載と市場価格
付録2 USスチールの配当支払い能力
監修者まえがき
本書はジョン・バー・ウイリアムズによる“The Theory of Investment Value”の邦訳である。この書籍は1997年になって復刻出版されたものであるが、初版は大恐慌直後の1938年にハーバード大学出版局から出されており、著者の博士課程での研究成果がベースになっている。本書にはディスカウント・キャッシュフロー・モデルをはじめとして、当時としては革新的な理論が多く解説されており、バリュー投資の教科書として長らく高い評価を得てきた。
さて改めて言うもでもなく、バリュー投資とは証券の本質的な価値に基づいて行われる投資であり、どうすればより安全に理論的な投資を行えるかを追求するものである。したがって、このアプローチは間違いなく投資行動の王道といえ、本来ならば多くの資金がこのスタイルによって運用され、多くの人に理解されているはずである。しかし実際には真の意味でのバリュー投資をまともに行っているところは非常に少ないのが現実で... (全文を読む)
第1章 「投機」と「投資」の違い
1.実質価値と市場価格
実質価値と市場価格は異なるものであり、混同してはならない。これは賢明な投資家であれば誰でも知っていることだ。あらゆる証券の現在の市場価格を見て、どの証券にも同じように魅力を感じる買い手などいない。投資家は、「その代価で最高の取引」を目指しているのだ。最も割安の銘柄を見つけるまで、あらゆる株式や債券を調べる。どれも高すぎて価値を見いだせず、何も買わないこともあるだろう。投資家として買った場合には、それを所得のために保有する。一方、投機家として買った場合には利益のために保有する。しかし投機家は投資家と取引をすることでしか利益を得ることができず(注1)、また投資家は所得を求めて売ることしかできない。結局、価格というのは将来の所得をどのように予測するかによって違うのである(注2)。投資価値はこのような意味を持つため、人によってさまざまな価値判断を下すが、実際の価格に一致するのはひとつだけであり、真の価値を持つのもひとつだけである。 (全文を読む)
(ウィザードブックシリーズ172)
読者のご意見
この本は第2次世界大戦終了前に書かれている、非常に古い本
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