80年代末のバブル期に土地や株、美術品、ゴルフ会員権がいろんな理屈をつけて暴騰したことを思い出すと、群集心理に流されないことの重要性を痛感します。この本は、そういった時に目を覚ましてくれる一冊で、時折目を通すようにしています。新しい技術や新市場が登場した際にそれが過大評価され、その結果バブルが繰り返されてきた様が、当時の人々の心理状況を入れて人間臭く描写されています。イギリスの起業バブルや鉄道バブルが、最近のITバブルと酷似しているといった例もあり、世代間で経験は引き継がれず歴史は繰り返すということがよく分かります。何年かおきに来るミニバブル、数十年後には恐らく再発する巨大バブルの際に、「これで世の中が一変する」「今回だけは違う」と誰かが言っているのを見聞きしたら、この本を読み返して、株やeワラントのポジションを上手に手仕舞いたいものです。
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