トレーディングにおいて生き残っていく為には、優れたトレーディング・システムとともに優れたマネー・マネジメントのシステムが必要不可欠ではないでしょうか。
ラリー・ウィリアムズ氏は著書の中で、「正しいマネー・マネジメントは、〜必要なのは勝ちを最大限に、負けを最小限にする方法だ」と述べています。
著者の谷岡氏は大阪商業大学でギャンブルの社会学を専門としており、ブリッジの専門家でもあります。
この本から学ぶべき点は、ギャンブルでもトレーディングでも「大数の法則」を使うことではないでしょうか。
「大数の法則」とは、個々の事象の予想は無理であっても、十分に多くの試行がなされるなら、全体像はかなり正確に予測しうるという法則のことであり、統計的には試行回数が増すに従って、分散が小さくなってくるということです。
では、十分な試行回数はというと、谷岡氏は1000回以上としています。
よく、トレーディング・システムのテストにあたって、サンプル期間は5年又は10年と聞きますが、長期のトレンドフォロー・システムとカウンタートレンド・システムでは、年数によるトレード回数は大きく異なってきますので、それぞれ1000回以上のトレード回数を目安にするといいのでしょう。
また本書には、ベッティング・ストラテジーとして、イーストコースト・プログレッション、オスカーズ・グラインド、フィボナッチ・システム、10%システムなどが紹介されており、非常に参考になります。自分のシステムのエクイティー・カーブをもとにExcelなどで検証してみるといいのではないでしょうか。多くの発見があります。
欧米の優秀なトレーダーの中には、ブラックジャックやポーカーの元プレイヤーが多いのは周知の事実ですが、それだけ確立論、マネー・マネジメントが重要であることの証ではないでしょうか。本書はそれについて、重要な示唆を与えてくれます。
|