日本では、ちょっとしたウォーレン・バフェットブームが起きバフェット関連の書
物が本屋にかなり並んでいます。私も実は数冊バフェット本を読んでいます。しかし
「億万長者をめざすバフェットの銘柄選択術」の訳者があとがきにも書いていました
が『個人投資家が自分で投資対象の銘柄を選択する上で、本当に役に立つ実践的な手
引書が皆無である』という意見にうなずかざるを得ない状況でした。
その点この本「億万長者をめざすバフェットの銘柄選択術」は間違いなく個人投
資家にも役に立つ一冊と感じました。ぜひ、皆さんもご一読いただきたいと思いま
す。とても参考になります。
ただ日米の税制や企業の生い立ちの違い等(資金のない敗戦後、間接金融主体で
育ってきたことなど)によってこの本で紹介されている全ての条件を満たす日本企業
は、なかなか見つからないと感じました。ROEひとつとっても、借金が多い過小資
本の会社はROEが高くなってしまいます。でもこれはバフェットが選択する企業で
はありません。また異常に低く抑えられた日本国債利回りを基準にして、日本企業に
投資してよいかという問題もあります。
しかし、間違いなく投資して良い企業の選択基準はこの本の中にあります。ROE
の水準等については個々の国の事情を考慮するということでよいのではないかと考え
ました。また日本企業のバランスシート不信からPBRが1倍を割り込んだ企業がた
くさんありますがこれまた異常なことで、個々の企業のバランスシートをじっくり分
析すれば、これほどよい企業が、安く売り込まれているチャンスはめったにないので
はないでしょうか。エンロン問題ではからずも露呈したように米国企業にも問題は多
いようにも思えます。
異常に安く売り込まれた日本企業から、バフェットの投資基準を満たす企業(もち
ろん日本企業に合うよう基準を調整する必要があります)を探し出す好機と考えるべ
きです。
私はこの本でアルプス物流を検証しました。1000万円以上儲けることが出来ました。
『潜在意識を活用した最強の投資術入門』ではアルプス物流をこの本から学ん
だ知識で分析した具体例をご紹介しています。(笑い)