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フィスコ投資ニュース配信日時: 2026/05/28 10:24, 提供元: フィスコ クルーズ:ホテルコンバージョン事業開始で今期大幅増益見通し、第四創業の幕開け*10:24JST クルーズ:ホテルコンバージョン事業開始で今期大幅増益見通し、第四創業の幕開けクルーズ<2138>は5月13日、2026年3月期決算を発表、既存事業の急成長により完全黒字化を実現した。過去に展開してきたゲーム事業や大規模EC事業の譲渡・撤退を経て、現在はITアウトソーシング事業(主にSES事業や介護派遣事業)を中核とする事業構造へと大きく転換している。不採算事業の全整理を終え、将来不安の残る事業はなくなっており、業績も明らかな転換局面を迎えた。 実際の業績は、2026年3月期の連結売上高11,820百万円(前年同期比16.7%減)、連結営業損益23百万円の黒字(前期1,025百万円の赤字)に転換して着地した。既存事業(SES事業や介護派遣事業)の急成長により、4Q単体の売上高は2,403百万円(前年同四半期比60.7%増)を達成、ITアウトソーシング事業は目標を超過した。 今期2027年3月期の計画は、連結売上高18,000百万円(前期比52.3%増)、連結営業利益608百万円を見込んでいる。既存のITアウトソーシング事業やEC事業で安定収益を生み出しながら、新規事業である『国土の真価を証明し、世界に誇る観光立国へ』というビジョンのもと、宿泊インフラ不足という国家課題を「最大の成長機会」に変えるホテルコンバージョン事業を柱として業績を拡大していく方針が示された。ホテルコンバージョン事業は、既存のSES事業や介護派遣事業を上回る、今期約6億の営業利益の9割以上を占める予定となっている。 今期から注目となるホテルコンバージョン事業は、従来から子会社で展開していた不動産投資賃貸事業とCROOZ Hotelのホテル事業を一つの事業セグメントとして位置付けるもので、2027年3月期第1四半期から新事業セグメントとして開始する。同事業では、都市部の築古・中小型ビルを取得し、ホテルへ用途変更することで、宿泊インフラ不足に対応する。短期的な不動産売買ではなく、高稼働率と高い客室単価を伴うホテル運営による長期安定的なインカムゲインを第一義とし、都市価値の向上に伴う保有資産価値の最大化も狙うとしている。「物件売却数」と「ホテル客室数」が重要指標となり、物件売却後も購入者に代わり運営を担うことで、毎月の収入が積み上がっていく。 同社が示すホテルコンバージョン事業の標準モデルでは、対象物件は平均300坪、取得価格は平均約15億円、外装・内装費用が約1億円、総投資額は約16億円とされる。想定エグジット(売却)価格は約21億円で、1棟当たりの売却益は約5億円、売却利益率は対仕入額で約25%とされている。会社側は追加の販管費が小さいため、この粗利がほぼ全社営業利益に直結すると説明しており、年間の売却棟数が増加すれば営業利益の段階的な拡大が見込める構造とっている。同業他社では、年間20棟以上の水準を行っている会社が複数あり、100億の規模感も十分に狙えるマーケットとなる。仕入れ面では、大手と競合しない10〜30億円規模の中小型ビルに特化。950社経由で延べ2,700件を検討し、取得率0.37%まで厳選する強固な体制で優良物件を取得しており、都内の築30年超ビルから競合を避けた独自ルートによる物件仕入れを実現している。 市場環境面では、政府が2030年に訪日外国人客数6,000万人、消費額15兆円を目標に掲げるなか、主要都市では宿泊施設不足が課題となっている。主要都市の客室稼働率が実質的な満室状態とされる80%水準に迫っていること、新築ホテル開発については建築費高騰により採算確保が難しくなっており、こうした環境下では、既存ビルをホテルへ転用するコンバージョン型の供給手法は、新築に比べて時間・コスト面で優位性を持ち得る。また、同社運営ホテルの宿泊客はほぼ100%がインバウンド(訪日外国人)となっているようで、今後グローバル戦略の強化をしていく方針となっている。 繰り返しになるが、同社は構造改革が終了し、赤字又は赤字傾向の事業全て撤退(ランク王、SHOPLIST、ゲーム事業)、先行投資中事業(今期中に黒字化予定)を除き赤字事業はゼロとなった。今後、その他の既存事業は全て安定収益を生み出すキャッシュカウとして位置づけ、ホテルコンバージョン事業が成長ドライバーとなっていく。既存事業のSESから派生した同様のモデルの横展開である介護派遣事業も好調で、将来の貢献のポテンシャルは大きい。また、ITアウトソーシング事業に加えて、Ada.事業(EC事業)も成長している。Ada.事業は、主に「ZOZOTOWN」内で展開する、オリジナル商品と他社優良ブランドの商品を厳選したファッションセレクトショップを運営しているが、同事業も黒字で堅調に推移している。 資本政策面では、営業黒字化は達成できたが、当面は事業成長を優先する姿勢を示している。 総じて、クルーズは「ITアウトソーシングを軸に、採用力を武器として着実な成長を目指す企業」へと明確な転換点を迎えていたが、前期で黒字転換を果たし、今期から新事業としてホテルコンバージョン事業が成長ドライバーとなる方向で、第四創業の幕開けとなった。営業利益が発生し続けていくという点でトレンドが大きく変化しているなか、今後の株価動向には非常に注目しておきたい。 《YS》 記事一覧 |