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フィスコ投資ニュース

配信日時: 2026/05/26 12:05, 提供元: フィスコ

SI Research Memo(5):旺盛なDX需要を取り込み、ERP事業が大幅増収増益に

*12:05JST SI Research Memo(5):旺盛なDX需要を取り込み、ERP事業が大幅増収増益に
■システムインテグレータ<3826>の業績動向

2. 事業セグメント別動向
(1) ERP事業
ERP事業の売上高は前期比20.7%増の4,649百万円、セグメント利益は同40.7%増の987百万円と大幅な増収増益となり、過去最高業績を更新した。独自要件への適合やアドオン開発を重視する企業には「GRANDIT」、グローバル標準や業界ベストプラクティスを活用したグループ経営・業務変革を志向する企業には「SAP Cloud ERP」、プロセス系や見込生産など生産や物流に競争優位性を持つ企業には「mcframe」をそれぞれ提案するなど、顧客の多様なニーズに対応可能な開発体制を整備したことで、予想を上回る受注を獲得できた。また、ここ1〜2年で採用したエンジニアが戦力化してきたこと、付加価値の高い案件を受注できたことなどで収益性も向上し、利益率は前期の18.2%から21.2%に上昇した。なお、売上高の内訳としては「GRANDIT」で約40億円、「SAP Cloud ERP」で約2億円、「mcframe」を含む製造ソリューションで約3億円だったと見られる。

(2) Object Browser事業
Object Browser事業の売上高は前期比5.2%増の831百万円、セグメント利益は同1.8%減の327百万円となった。売上高の約7割を占める「OBPM Neo」は新規顧客の獲得と既存顧客へのアップセルが順調に推移した結果、当期末のMRR(月次経常収益)が同10.7%増の40百万円と積み上がり、また、契約件数の伸長に伴って導入支援や研修サービスといった関連収益も堅調に推移し増収要因となった。一方、「Object Browser」シリーズは複数のデータベースで開発を行う顧客のニーズに応えるべく、同シリーズの製品すべてが利用可能な「コンプリートサブスクリプションライセンス」を2025年6月にリリースしたほか、同年10月には生成AI機能を組み込んでデータベース開発作業の生産性を大幅に向上させる自動化機能を実装するなど製品力の強化に取り組んだが、売上高としては横ばい水準にとどまった。利益面では、「OBPM Neo」が増収となったものの、オープンソースデータベースMySQLに対応した「SI Object Browser」製品の開発投資負担により、若干の減益となった。

(3) AI事業
AI事業の売上高は前期比16.9%減の76百万円、セグメント損失は3百万円(前期は22百万円の損失)となった。売上高はディープラーニング異常検知システム「AISIA-AD」の新規営業活動を終了し、リソースを新サービスの立ち上げに注力したことで一時的に減収となったが、第3四半期よりAIエージェント事業や検図AI「KENZ」の営業活動を本格的に開始したことで、第4四半期(2025年12月〜2026年2月)の売上高は前年同期比24.8%増の44百万円と増収に転じている。損益面では、「AISIA-AD」の関連費用が減少したことに加えて、新サービスの「KENZ」に係る費用をその他として計上したこともあって縮小した。

(4)その他
新規事業が含まれるその他は2025年2月末でプログラミングスキル判定サービス「TOPSIC」を事業売却したことにより売上の計上がなく、新規事業開発に係る費用60百万円を損失計上した(前期は売上高35百万円、セグメント損失11百万円)。


M&Aの実施により総資産が増加、財務内容は健全な状態続く

3. 財務状況と経営指標
2026年2月期末の資産合計は、システム開発研究所の連結化を主因として前期末比699百万円増加の5,681百万円となった。主な増減項目は、流動資産では現金及び預金が257百万円増加したほか、売上債権※が113百万円増加した。固定資産ではシステム開発研究所の連結化によりのれんを122百万円計上したほか、BizSaaSへの出資等により投資有価証券が113百万円増加した。

※ 受取手形、売掛金及び契約資産の合計。

負債合計は前期末比351百万円増加の1,216百万円となった。主に未払法人税・未払消費税等が106百万円、賞与引当金が63百万円、未払金・未払費用が40百万円、契約負債が40百万円、退職給付に係る負債が29百万円それぞれ増加した。また、システム開発研究所の連結化により有利子負債13百万円を計上した。純資産合計は同348百万円増加の4,465百万円となった。親会社株主に帰属する当期純利益の計上と配当金支出により、利益剰余金が349百万円増加した。

経営指標については、システム開発研究所の連結化に伴い自己資本比率が前期末の82.5%から78.5%とやや低下したものの、実質無借金経営で手元キャッシュも32億円強と、同社の売上規模に対して十分な流動性を確保しており、財務内容は良好と判断される。また、収益性に関しては親会社株主に帰属する当期純利益が一過性の要因で減益となったことで、ROEが10.7%と前期比3.4ポイント低下したものの、営業利益率は10.7%と同5.0ポイント上昇し、4期ぶりに10%台に回復するなど実質的な収益力は大きく回復している。ここ1〜2年で不採算が続いていた新規事業の整理を進めたことや、ERP事業の収益性が売上成長とともに向上したことが主因で、今後も引き続き収益性の向上を目指す。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)


《HN》

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