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フィスコ投資ニュース配信日時: 2026/03/24 15:11, 提供元: フィスコ トリドール:丸亀製麺の安定成長を軸に、海外改善で収益拡大を狙う*15:11JST トリドール:丸亀製麺の安定成長を軸に、海外改善で収益拡大を狙うトリドールホールディングス<3397>は、讃岐うどん専門店「丸亀製麺」を中核に、コナズ珈琲、ラー麺ずんどう屋、晩杯屋、天ぷらまきのなど複数ブランドを展開する外食グループだ。国内のうどんチェーンとして高い知名度を持つ丸亀製麺を成長の軸としながら、国内外でマルチブランド展開を進めている点が特徴だ。事業セグメントは「丸亀製麺」「国内その他」「海外事業」に分かれ、足元では丸亀製麺が売上の約半分、海外事業が3分の1超を占める。国内の単一ブランド企業ではなく、強い主力ブランドを持ちながら海外展開とブランド多角化を進める成長型外食企業と位置付けられる。 同社の強みは、丸亀製麺の競争力の高さにある。店内製麺によるできたて感、ライブ感のある店舗体験、わかりやすい商品価値によって、価格だけに頼らず集客できるブランドを築いてきた。加えて、フェア商品や地域限定企画などで来店動機を継続的に生み出せる点も強い。外食業界では原材料費や人件費の上昇が重荷になりやすいが、同社は商品力とブランド力を背景に値上げを実施しても一定の客数を維持しやすく、コスト上昇局面でも比較的収益を守りやすい構造を持つ。 2026年3月期第3四半期累計の連結業績は、売上収益2,105億円(前年同期比4.3%増)、事業利益1589億円(同13.1%増)、営業利益162億円(同41.0%増)となった。第3四半期累計の業績として売上・利益ともに過去最高を達成し、売上成長以上に利益が伸びた点が重要だ。丸亀製麺ではフェア商品や販促施策が奏功し、客数と客単価の両面が改善した。国内その他ではずんどう屋の新店と既存店が好調だった。一方、海外事業は売上収益こそ減少したものの、不採算店の整理やコスト改善が進み、利益面では大きく改善した。とくに英国や香港などで事業ポートフォリオの見直しを進め、売上拡大より収益性を重視する姿勢が鮮明になっている点は前向きに評価できる。 セグメント別にみると、丸亀製麺は売上収益1,044億円(前年同期比7.4%増)、事業利益1689億円(同5.6%増)と引き続き全社を牽引している。ブランド力を背景に価格改定後も集客を維持しており、収益基盤の安定感が際立つ。国内その他は売上収益299億円(同14.7%増)と伸びたが、事業利益は32億円(同3.9%減)となった。成長余地は大きい一方、コスト上昇の影響を受けやすく、今後は出店だけでなく収益性向上が課題だ。海外事業は売上収益7612億円(同3.0%減)、事業利益3940億円(同2.0倍)だった。英国市場の厳しさは残るが、アジアの一部地域や北米には成長余地があり、今後の回復余地もある。 会社計画では、2026年3月期通期の売上収益を2,820億円(前期比5.1%増)、事業利益を196億円(同7.7%増)、営業利益を146億円(同68.3%増)としている。第3四半期までの進捗を踏まえると、丸亀製麺の堅調さから売上と事業利益の達成確度は比較的高いとみられる。一方で、海外は地域差が大きく、英国の市場環境悪化など不透明要因も残る。ただし、海外事業は採算改善が進んでおり、アジアや北米が伸びれば事業利益の上振れ余地もある。短期的には丸亀製麺の安定成長が全体を支え、中期的には海外の再成長が収益拡大のカギを握る構図だ。 中期的には、2028年3月期に売上収益3,330億円、事業利益275億円、営業利益230億円を目指している。成長戦略の中心は、丸亀製麺の継続出店と既存店強化、国内その他ブランドの育成、海外事業の再成長だ。特に海外売上比率をさらに高めていく方針であり、国内外食企業の中でもグローバル展開の伸びしろは大きい。もっとも、目標達成には海外の収益改善を持続させることが不可欠であり、英国の立て直しやアジア・北米での成長加速が重要になる。 株主還元については、配当性向20%を目安としつつ、累進配当を志向している。2026年3月期の年間配当は11円(前期比1円増)を予想している。同社は成長投資を優先する局面にあり、国内外での出店やブランド育成に資金を振り向けている。丸亀製麺の強いブランド力を土台に、海外事業の改善と成長の再加速を狙う成長株として捉えるべき企業といえる。 総じて同社は、丸亀製麺という強力な主力ブランドを土台に、国内外で多角的な成長を目指す外食企業だ。足元では丸亀製麺の既存店好調や価格改定の浸透が収益を支えており、国内事業の安定感は高い。一方、海外では英国の苦戦が残るものの、不採算店整理や事業再編を進めたことで利益改善が見え始めている点は前向きだ。今後は、国内では丸亀製麺の出店余地と他ブランドの育成、海外ではアジア・北米を中心とした再成長が焦点となる。ブランド力を背景にした安定収益基盤と中長期の成長余地に着目したい。 《RS》 記事一覧 |