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フィスコ投資ニュース

配信日時: 2026/01/26 11:33, 提供元: フィスコ

たけびし Research Memo(3):「つなぎの技術力とコーディネート力」を強みとし、各事業をバランスよく展開

*11:33JST たけびし Research Memo(3):「つなぎの技術力とコーディネート力」を強みとし、各事業をバランスよく展開
■事業概要

1. 事業内容
たけびし<7510>は、三菱電機製品を中心とした産業用電機・電子機器を取り扱う技術商社として発展し、「FA・デバイス事業」と「社会・情報通信事業」の事業セグメントを柱としている。仕入先は約1,600社、販売先は約3,500社と多様な顧客基盤を構築している。FA・デバイス事業は、産業機器システムと半導体・デバイスで構成され、社会・情報通信事業は社会インフラと情報通信から構成される。両事業に付随する物流・保守・サービス・工事も一括して展開しており、顧客に対して導入から運用まで一貫した支援体制を整えている。

2026年3月期中間期の売上構成比は、産業機器システムが36.7%、半導体・デバイスが35.6%、社会・情報通信事業が27.7%と各事業が均衡したポートフォリオを形成している。地域別売上別では、国内76.0%、海外24.0%と、国内を基盤にしつつ、東南アジアやインドを中心に海外売上も拡大している。

(1) 産業機器システム
産業機器システムは、FA機器を主体とし、シーケンサ、サーボ、ロボット、レーザー加工機、オリジナル製品などを取り扱う。製品単体の販売にとどまらず、工場全体のスマートファクトリー化につながるソリューション提案を展開している点が特徴である。国内の深刻な労働力不足に対応するため、SIer※と連携し、組み立て・搬送・検査工程などの自動化を推進するとともに、DX需要の取り込みを進めている。FA機器については、業界全体で過去にサプライチェーンの混乱を教訓として仕入過多となり、顧客側の在庫調整が長期化している。一方、装置システムは半導体関連向けを中心に堅調に推移している。

※ System Integratorの略で、顧客の課題に合わせてITシステムの企画・設計・構築・運用までを支援する企業のこと。

(2) 半導体・デバイス
半導体・デバイスでは、半導体、CPUボード、表示デバイス、ODM※製品などを取り扱い、セットメーカーや電子機器メーカー向けに販売している。海外においても電子機器の高機能化を背景に需要拡大が続いており、東南アジアやインドに販売網を構築している。特にインド市場では、人口増加と急速な産業成長を背景に、車載関連ビジネスや政府主導のスマートメーター向けの電子部品の販売が拡大している。Le Champのインド拠点は2025年7月に現地法人化され、ローカル人材を中心に営業や債権管理などを行う体制を整備し、事業は堅調に拡大している。

※ Original Design Manufacturingの略で、メーカーが製品の設計から製造まで一括して行い、発注企業(ここでは同社)が自社ブランドとして販売できる仕組みのこと。

(3) 社会・情報通信事業
社会・情報通信事業は、社会インフラと情報通信で構成される。社会インフラでは、冷熱住設機器、ビル設備、重電、電子医療機器などを取り扱う。主力は米国Varian(バリアン)の放射線がん治療装置で、堅調に推移している。商圏の制限はあるものの、交渉によって徐々に西日本を中心に拡大し、需要を取り込んでいる。また、シーメンス製の医療用診断装置といった高度医療機器や、防衛用途の非破壊検査装置など、取り扱い製品の拡大にも取り組んでいる。いずれも品質保証や安全性が求められる領域で信頼を獲得し、業績を拡大している。情報通信では、携帯電話などのモバイル端末や情報システムの取り扱いに加えて、2024年9月に買収したアーバンエココンサルティング(現 ファーストブレイン)を通じて環境分析関連(アスベスト調査など)の新規ビジネスを展開している。情報通信システムは、店舗向けオリジナルアプリ「compass」の販売も行う。

2. 特長と強み
同社の競争力は「技術力」「コーディネート力」「ソリューション力」の3要素に集約される。これらは商社でありながら開発機能を備える同社特有の事業体制に基づいたものであり、多種多様な顧客課題に対して高付加価値な提案を行うための基盤となっている。

(1) 技術力
同社最大の強みは、商社でありながら技術力を備えている点である。国内シェアトップを占める産業用通信ソフトウェア「デバイスエクスプローラ OPCサーバー」をはじめとする多様なオリジナル製品を展開し、これまでに世界72ヶ国・累計59,000本の販売実績を持つ。産業用制御領域に対し、ソフトウェア面から高い付加価値提供を実現している。

2015年に設置された技術本部は、同社のトータルソリューション開発の中核として、FA分野や、自社ソフト開発、スマートファクトリー推進部による製造現場改善の提案など、多岐にわたる技術領域を統合している。また、同社は開発に特化したファブレス体制を採用しており、外部製造委託を柔軟に活用することで、高付加価値な設計・開発領域へリソースを集中させている。こうした体制が、技術力に裏付けられたオリジナル製品の継続的な開発につながっている。

(2) コーディネート力
同社のもう1つの強みは、多様なパートナー製品・自社製品に加え、SIerやITベンダーと連携し、顧客に最適なソリューションを提供するコーディネート力である。三菱電機グループとは長年の関係性を基盤に、技術サポートや導入検証まで関与することで、単なる代理店を超えた役割を担っている。また、オムロンをはじめとする大手メーカーとも特約店契約を締結しており、幅広いメーカーの商材を組み合わせる柔軟性を備えている。

FA分野では、約70社のSIerと連携し、組立・搬送・検査といった個別工程の自動化に加え、工場全体を視野に入れたスマートファクトリー化の総合提案を行っている。社会インフラ分野では、設備の据付工事について、自社で育成した有資格者と関係会社であるTSエンジニアリングが連携し、販売から設置工事・試運転・システム連携までをワンストップで提供している。

海外においても東南アジアやインドを中心に、現地法人を通じて販売網を構築し、電子部品の需要を着実に取り込む体制を整備している。国内外のパートナーと顧客を結びつける同社のコーディネート力は、成長市場での事業拡大を支える基盤となっている。

(3) ソリューション力
同社のソリューション力は、顧客の経営課題や現場の悩みを丁寧に把握し、社会環境や産業構造の変化を踏まえた最適な解決策を設計できる点にある。スマートファクトリー領域では、人手不足や技能継承の課題が深刻化するなか、FA機器、ロボット、制御ソフト、AI・IoTを組み合わせた自動化ソリューションを提供し、生産性向上と品質安定化に寄与している。

同社は技術商社として、メーカーが直接対応しきれない細かな現場ニーズに対し、技術支援や運用設計を含む実務的なサポートを提供できる独自の立ち位置にある。これにより、顧客とメーカー双方にとって代替困難な存在として機能し、強固な市場ポジションを確立している。

こうしたソリューション力は、顧客との長期的な信頼関係と専門性の高い人材に支えられている。技術職には営業知識と実務経験を、営業職には技術知識と現場理解を習得させる育成体制を整えることで、双方をつなぐ発想力とコミュニケーション力を高めている。さらに、グローバル人材育成や社員によるアイデア創出制度を通じて、継続的に新たな価値を生み出す組織風土を育み、単発の製品販売に依存しない、持続的な価値創造のサイクルを構築している。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 渡邉 俊輔)


《HN》

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