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フィスコ投資ニュース配信日時: 2026/01/06 11:41, 提供元: フィスコ フェローテク Research Memo(1):2026年3月期中間期は電子デバイスの貢献で0.6%の営業増益*11:41JST フェローテク Research Memo(1):2026年3月期中間期は電子デバイスの貢献で0.6%の営業増益■要約 フェローテック<6890>の主力事業は、真空シール、石英製品、セラミックス製品、CVD-SiC(化学蒸着法炭化ケイ素)製品、磁性流体、サーモモジュールなどの様々な製品・装置・部品・素材等の製造である。加えて、半導体製造装置メーカー向けに各種部品等の洗浄サービスやシリコンウエーハの研磨なども行う企業である。 1. 2026年3月期中間期の業績概要 2026年3月期中間期決算は、売上高が前年同期比4.3%増の140,980百万円、営業利益が同0.6%増の14,333百万円、経常利益が同16.5%減の12,923百万円、親会社株主に帰属する中間純利益が同31.4%減の6,308百万円となった。経常利益が減益となったのは主に為替差損による。また特別損失(固定資産処分損)の計上で中間純利益の減益幅がさらに大きくなった。売上総利益率は製品構成の変化により0.7ポイント改善したが、販管費の増加により営業利益はほぼ横ばいにとどまった。事業別では、半導体等装置関連は増収減益、電子デバイスはサーモモジュールを中心に増収増益、車載関連はEV向けが低迷したが増収及び小幅増益、その他は引上げ装置の反動減で赤字となった。全体として強弱が混在したが、足元には回復の兆しが見られる。 2. 2026年3月期の業績見通し 2026年3月期通期の業績は、売上高285,000百万円(前期比3.9%増)、営業利益30,000百万円(同24.5%増)、経常利益28,000百万円(同9.6%増)、親会社株主に帰属する当期純利益16,000百万円(同2.0%増)と予想しており、売上高予想は期初と変わっていないが、製品構成の変化により営業利益は期初予想(28,000百万円)から上方修正された。通期での設備投資額は65,000百万円(前期は51,776百万円)、減価償却費は27,000百万円(同23,672百万円)を計画しており、期初計画と変わっていない。足元では半導体関連に上昇の気配があるようで、この予想が達成される可能性は高いだろう。 3. 中期経営計画の目標は変わらず 同社は、2028年3月期を最終年度とする中期経営計画を発表済みで、最終年度の定量的な目標として売上高4,000億円、営業利益470億円、営業利益率11.8%、ROE15.0%を掲げている。またこの間の設備投資額は、3ヶ年(2026年3月期から2028年3月期)で1,400億円を計画している。現状では、この計画に沿って進捗しており、これらの目標数値は変えていない。株主還元策では、DOE(株主資本配当率)を採用し下限を3.5%に設定、総還元性向50%を目指す。この方針に沿って今期は年間配当金148.0円を予定している。 ■Key Points ・石英やセラミックス等の無機系製品の大手メーカー。半導体業界向けが多い ・2026年3月期中間期の営業利益は前年同期比0.6%増、通期では24.5%の営業増益予想 ・中期経営計画の目標は変わらず2028年3月期に営業利益470億円を目指す ■会社概要 主要事業は半導体及び同製造装置メーカー向け部材の製造 1. 会社概要 同社は2025年3月末現在(有価証券報告書)では、傘下に連結子会社80社、持分法適用会社13社を擁する純粋持株会社であったが、2025年7月1日付で国内事業子会社である(株)フェローテックマテリアルテクノロジーズを吸収合併し、事業持株会社に変わるとともに、社名を(株)フェローテックに変更した。もともとは1980年に米国Ferrofluidics Corporation(現 Ferrotec (USA) Corporation)の日本法人(旧 日本フェローフルイディクス(株))として設立されたが、その後、親会社から分離独立し独自路線を歩んでいる。 現在の主力事業は、真空シール・金属加工、石英製品、セラミックス、CVD-SiC、磁性流体、サーモモジュール、パワー半導体基板など主に無機材料を使った様々な製品・装置・部品・素材等の製造・販売である。また、半導体製造装置メーカーやデバイスメーカー向けに各種部品等の洗浄や受託加工・組立サービスなどの事業も行っている。そのため、世界的に著名な大手半導体製造装置メーカーが主要顧客となっている。 2. 事業セグメント 前述のように同社は多くの製品を自社開発・製造すると同時にM&Aによって多くの企業を子会社化してきたことから、事業内容は多岐にわたる。事業セグメントは、半導体等装置関連(2025年3月期の売上高比率60.2%)、電子デバイス(同18.4%)、車載関連(同11.1%)、その他(同10.3%)の4つに分けられており、それぞれサブセグメントが置かれている。 3. 特色、強み (1) 無機系素材のパイオニア 同社は石英、シリコン、窒化ケイ素、シリコンカーバイド(SiC)など幅広い無機系素材の生成、加工などに長年携わってきた。そのため、同社内にはこれらの素材に関する多くのノウハウ(素材の性質、生成方法、加工方法等)が蓄積されており、これが同社の特色でもあり強みと言える。 (2) 製造装置も手掛ける 同社は、素材だけでなく各種の製造装置も手掛けており、製造装置に関するノウハウも持っている。そのため顧客に対しては、素材、加工部品、最終製品、製造装置など様々な提案(ソリューションの提供)を行うことができる。 (3) ワンストップソリューションが可能 同社は、半導体製造装置内の部品の洗浄(取り外し、洗浄、据付)や製造装置の組立サービスなどの事業も展開しており、顧客にとっては素材の供給、部品加工、装置類の組立、部品洗浄などをワンストップで外注化(アウトソーシング)することが可能であり、これも同社の強みと言える。 (4) 大手顧客との信頼関係 同社の主要製品は、主に半導体製造装置向け及び半導体製造プロセスで使われるため、主要顧客は世界でトップクラスの半導体製造装置メーカーが多い。同社はこれらの大手半導体製造装置メーカーに長年にわたり製品や部品を供給しており、これら顧客との深い信頼関係も同社の財産であり強みとなっている。 (執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇) 《HN》 記事一覧 |