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フィスコ投資ニュース配信日時: 2026/01/05 11:06, 提供元: フィスコ ケンコーマヨ Research Memo(6):経営基盤強化に向け工場の再編・統合、生産能力増強投資に着手(2)*11:06JST ケンコーマヨ Research Memo(6):経営基盤強化に向け工場の再編・統合、生産能力増強投資に着手(2)■今後の見通し b) スマート化 ケンコーマヨネーズ<2915>はDXを通じて企業改革や生産性の向上を図るとともに、合理化・効率化・成長するための事業拠点の再編などを推進する。2024年9月より本格的に稼働を開始した新基幹システムは、事業拠点や商品ごとの売上高・利益状況を早期に可視化できるため、今後の商品統廃合の可否を迅速に判断する際に役立つと考えられる。また、営業部門では2025年8月より営業支援ツールを導入し、商談の記録や名刺管理から運用を開始した。周辺業務をITで効率化することで、商談機会を増やすための時間を確保するねらいがある。バックオフィスでは2025年3月期から生成AIやRPAを導入するとともに、プロジェクトチームも立ち上げて活用領域を広げる取り組みを推進しているほか、2026年3月期からは一部関連会社にも導入を拡大している。製造拠点では西神戸工場や西日本工場でパレタイズロボットを導入、稼働を開始した。同社は、DXや協働ロボットの導入によって、労働生産性を2028年3月期までに10%向上、2036年3月期までに30%向上することを目標としている。 一方、事業拠点の再編・強化に向けた取り組みでは、グループの生産拠点(16拠点)の再編・統合と併せてエネルギーコストを抑えた新拠点の開設や生産能力増強投資などの具体的な再編計画を第1フェーズの期間に策定し、2026年3月期より一部着手している。事業拠点の再編については、タマゴ加工品を製造していた関東ダイエットエッグの会津若松工場を2026年3月に閉鎖し、静岡富士山工場へ集約化する予定となっている。投資額は2.5億円で、集約化による生産コスト低減効果は年間で約2.8億円を想定している。会津若松工場の人員はグループ内で配置転換や再就職援助計画などを行い、拠点売却の可能性を検討していく意向だ。 また、生産能力増強投資として、小型容器のソースの生産能力拡大を図る。山梨工場の設備を一新し、2027年6月の稼働を目指すほか、西日本工場に生産ラインを新たに導入し、2026年9月に稼働を開始する予定だ。2拠点生産による稼働の平準化と商品の安定供給体制を構築することがねらいで、投資額は約26億円、年間の営業キャッシュ・フローで約2.5億円を見込んでいる。 事業拠点の再編及び強化に関連した投資額として、2028年3月期までの第1フェーズで48億円を予定しているが、公表した2つのプロジェクトだけで28.5億円、2025年3月期に1億円の投資を行ったことから、残り18.5億円程度をかけて新たな投資を行うことになる。 c) 人材投資 グローバル企業化、働き方改革としてのダイバーシティを推進するほか、2024年4月より新人事制度の運用を開始し、自己実現や成長を実感できる制度並びにキャリアプランを実現する研修制度の充実(2025年3月期は26テーマ実施、2026年3月期は24テーマ実施予定)、資格取得の支援制度などを導入した。また、多様性に対応した働き方(勤務体系、育児短時間勤務期間の延長、年間総労働時間の見直し)についても各種制度を整備し充実を図っている。採用面では、キャリア採用やグローバル化を見据えた採用活動を強化する方針だ。従業員エンゲージメント向上のための意識調査も実施しており、エンゲージメント総合スコアは2025年3月期の57.6ポイントから2026年3月期は61.9ポイントに上昇しており、2028年3月期までに70ポイントの達成を目標としている。 d) サステナビリティと社会的責任 環境問題への取り組みと地域社会への貢献活動を推進するほか、グループ従業員の健康と働きがいに注力した健康経営を目指す。環境への取り組みとして、CO2排出量の削減について2019年度比原単位で2027年度に24.7%削減を目指す。2024年度は御殿場工場と西日本工場にベントコンデンサー※を導入したほか、省エネ対策に取り組んだことでCO2排出量は2019年度比原単位で10.5%削減した。今後は他工場への展開を進めるほか、太陽光パネルも導入していくことにしている。 ※ 廃蒸気を利用して熱交換を行う装置。 また、廃棄物削減に関しても2019年度比原単位で2027年度に26.8%削減を目標としている。2024年度は12.3%の削減を実現した。製造ラインの商品切り替え時や生産終了に伴う洗浄工程において、配管内に残るマヨネーズを分離・精製してバイオディーゼル燃料として活用したほか、廃棄物の堆肥化を推進した。環境に配慮したサステナブル素材の使用については2027年度の使用率56.0%の目標に対して、2024年度は45.5%(2025年1月時点)となった。量販店向け総菜パックに再生トレイや植物由来のプラスチックを使用している。 (3) キャッシュアロケーション 第1フェーズの4年間におけるキャッシュアロケーションについては、キャッシュインは営業キャッシュ・フロー(営業利益見込み+減価償却費)で242億円、政策保有株式の売却で2億円、手元資金で45億円の計290億となり、キャッシュアウトとして成長戦略に109億円、スマート化に86億円、人材投資に43億円、サステナビリティと社会的責任に51億円を投下する予定だ。2025年3月期はこのうち40億円を投下し、2026年3月期は49億円を計画しており、2027年3月期以降は年間100億円ペースと投資が加速する見通しで、なかでも成長戦略に対する投資が年間53億円ペースと最も大きくなる。 (執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲) 《HN》 記事一覧 |