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フィスコ投資ニュース配信日時: 2025/09/24 13:36, 提供元: フィスコ フルサト・マルカHD Research Memo(6):2026年1月にグループ内組織再編の実施を予定*13:36JST フルサト・マルカHD Research Memo(6):2026年1月にグループ内組織再編の実施を予定■成長戦略 ● 中期経営計画「UNISOL」 フルサト・マルカホールディングス<7128>は10年後のありたい姿として「UNIQUE SOLUTIONS」を掲げ、ユニークなアイデアで現場が抱える様々な課題に自ら向き合い、一番に選ばれる「ソリューション・パートナー」を目指している。中期経営計画「UNISOL」(2022年12月期〜2026年12月期)では「さらなる経営基盤の拡充」をテーマに掲げ、前半の2期(2022年12月期〜2023年12月期)の基盤構築(成長軌道回帰)を1stステージに、後半の3期(2024年12月期〜2026年12月期)を成長加速化の2ndステージと位置付けている。また2027年12月期からの新たな成長ステージに向けて、新中期経営計画策定プロジェクトを発足し、準備を進めている。 定量目標値については、機械・工具分野では自動車産業を中心とする設備投資需要の減少、建設資材分野では資材価格高騰や建設業の働き方改革に伴う工期長期化など市場環境の悪化により、2024年12月期実績が計画を下回ったことを受け、同社は2025年2月14日付で最終年度(2026年12月期)の定量目標を見直した。売上高1,800億円、営業利益58億円(既存事業で44億円、シナジー・戦略積み上げで14億円)、営業利益率3.2%、調整後EBITDA(=営業利益+減価償却費+のれん償却費±その他の一過性の費用・収益)78億円、ROE5.7%としている。2025年12月期中間期時点のシナジーは合計335百万円(産業機械のシェアアップで84百万円、直販での自動化・省人化推進で79百万円、持続的経費削減で31百万円となった。なお、コーポレート・ガバナンス面では2025年3月に監査等委員会設置会社に移行した。 基本戦略は、既存事業領域での差別化「深堀」、新たな事業領域への展開「挑戦」、SDGsへの取り組み強化「サステナビリティ」としている。「深堀」領域では多様化する顧客ニーズへの対応としての商材・技術・サービスの機能補強、アライアンスも活用した総合ソリューション力の強化、知見融合による戦略分野の取り組み強化など、「挑戦」領域ではグループの機能・知見・強みを組み合わせた新たな付加価値の創出、スマートファクトリービジネスへの取り組み強化、「モノ」から「コト」へのビジネスモデル転換など、「サステナビリティ」領域では事業を通じた社会課題解決への貢献、CO2排出量削減への取り組み、働きがいのある職場環境の整備などを推進する。 さらに、経営統合シナジーを加速させるため、2026年1月にグループ内組織再編を実施する予定である。同社が商号をユニソルホールディングスに変更するとともに、マルカとジーネットが統合してユニソルを設立し、マルカの建設機械部門を分社化して新会社を設立する。再編によって事業ねじれを解消し、セグメント中核会社による「事業責任の明確化」と「自分事化」によるシナジー創出を加速するねらいである。 特に機械・工具セグメントでは、新会社ユニソルの発足により、指揮・命令の強化(指揮系統の単純化、部門間連携・協業加速、計画・目標の統一化)、販売力の強化(エンドユーザー情報の有効活用、直需・卸売体制の連携強化、販売品目の拡大によるシェア向上)、仕入力の強化(内部間売上が不要、代理店権の統合、スケールメリット有効活用)を推進する。 さらに、新たな戦略分野としてエンジニアリング事業及び食品事業を強化する。エンジニアリング事業では体制を強化し、グループが持つ幅広いネットワークと融合させた高品質なエンジニアリングサービスを提供していく。食品事業では、食品事業本部の新設やタイのMT Food Systemsのグループ化(2025年11月予定)などにより、東南アジア市場での事業展開を強化する。 また、新事業領域の展開として、機械・工具では超大型無人搬送車(AGV)を得意とする中国のHuman CIZON Robotics Co.,Ltd.と日本総代理契約を締結した。建設資材では、木造建築分野向けに耐震用構造部材「MEDAウッドブレース」を開発し、中大規模建築物の木造化への貢献を目指す。IoTソリューションでは製造現場の「見える化DX」として、東海理化<6995>と共同で「エアウォッシャーカメラ」を開発し、2025年3月より販売開始した。 同社はM&A戦略の推進や新規事業展開により、売上拡大と利益改善の両面で一定の成果を示している。今後も既存事業の強化に加え、戦略的投資や市場動向に応じた事業ポートフォリオの最適化が成長に寄与する可能性がある。一方で、原材料価格の変動や為替リスク、競合環境の変化など外部要因も業績に影響するため、慎重な注視が必要である。 (執筆:フィスコ客員アナリスト 水田 雅展) 《HN》 記事一覧 |