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フィスコ投資ニュース配信日時: 2025/08/07 14:02, 提供元: フィスコ ミロク情報 Research Memo(2):会計事務所及び中堅・中小企業向け財務会計システムの大手*14:02JST ミロク情報 Research Memo(2):会計事務所及び中堅・中小企業向け財務会計システムの大手■ミロク情報サービス<9928>の会社概要 1. 事業内容と同社の強み 現在の主力事業は、財務・会計をコアとするERP事業(ERPシステムの開発・販売、導入支援サービス、各種保守サービス)で売上高の約90%を占めており、残りはトライベックや(株)MJS M&Aパートナーズ、(株)トランストラクチャ等の子会社が展開する事業領域である。 ERP事業の主な顧客は会計事務所とその顧問先を中心とした中堅・中小企業である。会計事務所向けには「ACELINK NX-Pro」を販売する。会社設立以来45年以上にわたって顧客となる税理士及び公認会計士の声を聴きながら磨きをかけてきた製品のため機能面で充実しているほか使い勝手も良く、ユーザー数は約8,400事務所・市場シェアで約25%と大手の一角を占める。ほぼ100%直販で販売しており、契約形態も売切り型が中心となっている。競合はTKC<9746>や(株)日本デジタル研究所で市場シェアに大きな変動はない。ここ最近はマネーフォワード<3994>など新規参入企業も出てきているが、同社は機能面での充実度合や使い勝手の良さに加えて、24時間・365日のカスタマーサポート体制を社内で整備していること、また「ACELINK NX-Pro」ユーザー同士の任意組織であるミロク会計人会を通じた製品サービスへの要望を基とした新機能開発・機能改善体制の構築、MJS税経システム研究所※による会計・税務に関する制度変更など最新の情報サービスや研修会・セミナーなど顧客の日々の業務で助けとなるサービスをきめ細やかに提供していることが強みとなっており、今後も競合に対する優位性を維持できるものと弊社では見ている。 ※ 税制改正や会社法改正、会計制度や各種制度の変更にスピーディに対応した様々な情報やサービスを提供することを目的に1999年に社内組織として設立された。月刊誌や調査レポートの発行、研修会・セミナーの開催など幅広く活動している。 一方、中堅・中小企業向けERP製品(財務会計、人事給与、販売管理などのシステム)では約18,000社のユーザーを抱えている。製品ラインアップは企業規模に応じて、中堅企業向けの「Galileopt DX」、中堅・中小企業向けの「MJSLINK DX」、中小企業向けの「ACELINK NX-CE」がある。販売ルートは9割弱が直販、残りの1割強が代理店経由である。競合はオービックビジネスコンサルタント<4733>や大塚商会<4768>、オービック<4684>、マネーフォワード、フリー<4478>など多くの企業がある。機能面、料金面での違いはあまりないようで、顧客企業のニーズをくみ取り最適なシステムを提案できるソリューション力が重要になっているようだ。特に、ここ数年は生成AI機能も含めて多くのSaaSが開発、提供されるようになり、他社システムとの連携も含めて経営のDXを支援するためのコンサルティング能力が求められるようになっている。同社においてもDXコンサルタントの育成に注力している。同社の強みはこうしたコンサルタントを全国の支社に配置しており、また、カスタマーサポートセンターやMJS税経システム研究所のサービスなども含めた開発・販売・サポートサービスを三位一体で提供していることが挙げられ、顧客満足度の高さにつながっている。同社の顧客である会計事務所の先には約50万社の顧問先企業があるため、新規顧客の開拓余地は依然大きい。また、会計事務所やWebを通じて小規模事業者向けに簡易なSaaS型の会計ソフト等を提供しており、そのユーザー数は約8万社・人となっている。 2025年3月末の連結従業員数は2,242名で、組織別で見ると営業が682名(構成比30.4%)、カスタマーサービス及びテクニカルサポートが622名(同27.7%)、開発が535名(同23.9%)、事務が403名(同18.0%)となっており、サポート要員で全体の1/4以上を占めていることが特徴と言える。なお、カスタマーサービスとは、顧客先においてシステムの運用で困り事が発生した場合に、現場へ駆けつけ解決に導くサービスを指し、テクニカルサポートは同社製品を熟知した専門スタッフによる電話やインターネットを通じた遠隔サポートサービスを指す。 2. 関係会社の状況 2025年3月末時点のグループ会社は、連結子会社で8社、持分法適用関連会社で2社の構成である。連結子会社は業務用システムの受託開発を行う(株)エヌ・テー・シー、リード(株)のほか、2014年以降に設立またはM&Aで子会社化した、コンサルティングやフィンテック分野の事業等を展開する6社である。6社のうち、売上規模の大きい子会社はトライベックで年間30億円弱、次いでトランストラクチャで10億円弱程度と見られる。なお、(株)MJS Finance & Technologyについては、2025年4月1日付で同社が吸収合併している。 持分法適用関連会社は、連結会計システムの開発・販売を手掛けるプライマル(株)、税理士・会計事務所向けセミナー開催・動画配信サービス等を提供する(株)KACHIELの2社となる。 (執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲) 《HN》 記事一覧 |