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フィスコ投資ニュース配信日時: 2025/08/07 13:31, 提供元: フィスコ イチネンHD Research Memo(1):2025年3月期の営業利益は前期比13.6%増となり22期連続の増益*13:31JST イチネンHD Research Memo(1):2025年3月期の営業利益は前期比13.6%増となり22期連続の増益■要約 イチネンホールディングス<9619>は自動車リース関連事業(自動車リース、自動車メンテナンス受託、燃料販売等)、ケミカル事業、パーキング事業、機械工具販売事業、合成樹脂事業、農業関連事業等の幅広い事業を手掛けている。自動車関連が中心だが、それ以外にも事業が分散されていることから業績は比較的安定しており、利益の急変動が少ない企業であると言える。特にここ2年間で農業関連が急成長している点は注目される。 1. 2025年3月期の業績概要 2025年3月期の業績は、売上高が154,920百万円(前期比12.1%増)、営業利益が10,279百万円(同13.6%増)、経常利益が10,318百万円(同9.1%増)、親会社株主に帰属する当期純利益が6,657百万円(同45.7%減)となった。親会社株主に帰属する当期純利益が大幅減となったのは、前期に新規連結子会社の負ののれん発生益(6,354百万円)を特別利益として計上したためである。セグメント売上高は、ケミカルと機械工具販売が微減であったが、それ以外のセグメントは増収となった。一方でセグメント利益は、自動車リース関連、パーキング、農業関連が増益に寄与した。特に農業関連は、農産物価格が堅調に推移したことに加えて新規連結子会社が通年で寄与したことで大幅増益となった。この結果、営業利益は22期連続で増益となったが、様々な分野に分散されている同社の事業モデルの良さが出た結果と言えるだろう。 2. 2026年3月期の業績見通し 2026年3月期の業績は、売上高が162,000百万円(前期比4.6%増)、営業利益が10,400百万円(同1.2%増)、経常利益が10,300百万円(同2.8%減)、親会社株主に帰属する当期純利益が6,200百万円(同6.9%減)の予想となっている。主力の自動車リース関連が、前期に燃料販売の販売単価が好調だったことによる反動減等により減収減益となる見込みであるが、機械工具販売の回復、パーキングや農業関連の続伸により全体では営業増益を予想している。しかし、全体的に各事業の前提をかなり保守的に見ていると思われ、今後の状況によっては計画より上振れする可能性もあると弊社では見ている。 3. 中長期の成長戦略及び株主還元 ロシア・ウクライナや中東情勢など先行きは依然として不透明であるが、中長期的には今後も各事業分野を伸ばしていく方針で、M&Aも積極的に行う考えだ。同社は、社内に向けた長期経営数値目標(時期は明示していない)として、売上高2,000億円超、営業利益200億円超を掲げている。今後の外部環境(ロシア・ウクライナ情勢や原油価格の動向等)によっては計画の見直しもあり得るが、現時点ではこの目標は変えていない。株主還元においては、2024年3月期は年間配当60円、2025年3月期も同70円(配当性向25.0%)を行ったが、進行中の2026年3月期も同70円(同26.6%)を予定している。一方で会社は、「配当性向30%を目指す」と述べていることから、利益が上振れるようであれば、増配の余地もありそうだ。 ■Key Points ・自動車リース関連事業を主力に様々な事業を展開、安定した収益力が特色 ・2025年3月期は22期連続で営業増益を達成。2026年3月期は1.2%の営業増益予想だが上振れの可能性も ・社内的な長期経営数値目標として、売上高2,000億円超、営業利益200億円超を掲げる (執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇) 《HN》 記事一覧 |