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フィスコ投資ニュース配信日時: 2025/07/25 14:01, 提供元: フィスコ POPER Research Memo(1):「Comiru」の新サービスリリースで業績好調。戦略的先行投資で成長を加速*14:01JST POPER Research Memo(1):「Comiru」の新サービスリリースで業績好調。戦略的先行投資で成長を加速■要約 POPER<5134>は創業10周年を迎え、新たなミッション「『教える』をなめらかに〜みんなの“かわる”に寄り添う〜」を掲げ、教育事業者向けSaaS※型業務管理プラットフォーム「Comiru」を展開する。学習塾向けのサービス提供では業界のリーディングカンパニーであり、学習塾を中心にDXを推進しつつ、習い事市場・学校市場への基盤拡大を目指す。 ※ SaaS:「Software as a Service」の略。「サース」または「サーズ」と呼び、ベンダーが提供するクラウドサーバーにあるソフトウェアを、インターネットを経由してユーザーが利用できるサービス。 1. 2025年10月期中間期の業績概要 2025年10月期第2四半期(以下、中間期)の業績は、売上高691百万円(前年同期比46.7%増)、営業利益118百万円(同405.4%増)、経常利益117百万円(同432.7%増)、中間純利益136百万円(同965.6%増)と大幅な増収増益となった。2025年4月末時点で有料契約企業数は1,806社と1年間で383社増加し、課金生徒ID数も453千IDと1年間で93千ID増加するなど、順調に契約を伸ばした。同社の効果的なプロモーション活動もあり、教育業界での「Comiru」の認知度は向上し、大手学習塾においては「ComiruPRO」導入とセットにした基幹システムのカスタマイズ開発に加えて、前期にリリースした「ComiruERP※」の引き合いが増加している。このカスタマイズ開発案件は、前期に受注した4社のうち2社の基幹システムが2025年4月より稼働し、残り2社のシステムも開発中である。また、同年1月にリリースした新サービス「ComiruPay」は、4月末で169社からの申込みを獲得し順調な滑り出しとなった。約7割が学習塾であるが、英会話教室などの習い事領域や学童・フリースクールなどの放課後領域からの申込みも拡大している。新たな事業領域として進出している学校教育においても、千葉県八千代市、習志野市及び大阪市教育委員会での部活動地域移行に関するコミュニケーションとしての「Comiru」採用が継続決定されるなど、成長基盤は順調に拡大している。 ※ ERP:Enterprise Resource Planning(企業資源計画)の略。「請求・会計業務」「人事業務」「販売業務」などの基幹となる業務を統合し、効率化・情報の一元化を図るためのシステム。「ComiruERP」は、「Comiru」のSaaS版とも連携しながら、顧客指定のサーバーに個社別にカスタマイズしたERPシステムを導入する。 2. 2025年10月期の業績見通し 2025年10月期の業績は、売上高1,350百万円(前期比26.1%増)、営業利益150百万円(同105.2%増)、経常利益147百万円(同109.4%増)、当期純利益118百万円(同42.0%増)と増収増益を見込んでいる。売上高は期初計画を上回る見通しで、各利益も堅調に推移していることから、期初計画に対して売上高は2.3%、営業利益は50.2%、経常利益は52.2%、当期純利益は41.9%上方修正した。なお、この修正計画は、2026年10月期以降の成長と企業価値向上を見据えた戦略的な先行投資を前倒しで実行するものであり、修正目標値には、マーケティング施策の強化、開発・組織体制の拡充、システムインフラの強化、「BIT CAMPUS」※の内製化を推進する投資を新たに織り込んでいる。 ※ 「BIT CAMPUS」は「Comiru」と同じ学習塾向けの業務管理システム。 3. トピック 2025年4月に東京証券取引所はグロース市場の上場維持基準見直しを検討していることを公表した。上場後10年経過時点での時価総額40億円以上が現在の基準だが、これを上場5年経過後に時価総額100億円以上とし、適用開始を2030年以降とする見直し案であり、パブリックコメントを経て規則が改正される予定だ。同社は2022年11月の上場以来、着実に成長を続け2025年5月30日時点の時価総額は約40億円となっている。2030年までの時価総額100億円達成に向けては、2025年10月期の成長戦略としてきた顧客基盤の拡大とARPU※の最大化をベースに、中期的な顧客への提供価値の向上、企業価値の拡大、EPS(1株当たり当期純利益)向上を図るため、「事業成長への継続投資によるオーガニック成長の最大化」「戦略的なM&Aによる事業領域の拡大」「機動的な株主還元策の実施」の3つの事業戦略を推進する。 ※ ARPU:「Average Revenue Per User」(月額平均利用料)の略称。四半期末(期末)の「MRR」を有料契約企業数で除して算出する。「MRR」とは、「Monthly Recurring Revenue」(月次契約利用料)の略称で、対象月の月末時点における顧客契約プランの月額利用料の合計額(一時収益は含まない)。 ■Key Points ・2025年10月期中間期は、前年同期比で売上高が約1.5倍、営業利益が約5倍増と順調に成長 ・2025年10月期は好調な業績を背景に成長投資を前倒しで実行し、営業利益倍増を見込む ・オーガニック成長、M&Aによる事業領域拡大、機動的な株主還元策実施で時価総額100億円を目指す (執筆:フィスコ客員アナリスト 松本章弘) 《HN》 記事一覧 |