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フィスコ投資ニュース配信日時: 2025/07/09 11:31, 提供元: フィスコ ポラリスHD Research Memo(1):2025年3月期は、経営統合により2ケタ増収。中期経営計画を改定*11:31JST ポラリスHD Research Memo(1):2025年3月期は、経営統合により2ケタ増収。中期経営計画を改定■要約 ポラリス・ホールディングス<3010>は、自社ブランドである「KOKO HOTELS」、世界ブランド「Best Western(R) Hotels & Resorts」、「バリュー・ザ・ホテル」を展開しているホテルオペレーター(ホテル運営会社)である。2023年10月に子会社化したフィリピンのホテルチェーン「Red Planet Hotels」、2024年12月に経営統合した(株)ミナシアのホテルを含め国内外で87棟、13,421室(2025年3月末現在)のホテルを運営している。また、ホテル不動産への投資も手掛けている。2018年10月以降は、独立系の投資運用グループであるスターアジアグループと資本業務提携し、スターアジアグループとして成長を続けている。 1. 2025年3月期の業績概要 2025年3月期の売上高は27,881百万円(前期比23.7%増)、営業利益2,804百万円(同17.1%減)、経常利益1,893百万円(同27.4%減)、親会社株主に帰属する当期純利益2,610百万円(同20.8%減)となった。前期は一時的なホテル売却益計上の特殊要因があったため減益となったものの、高い収益力を維持し成長を続けている。売上高は、主力のホテル運営事業の売上高が大幅に拡大した。良好な事業環境の下、緻密なレベニューマネジメントを実施し、高い稼働率を維持しながら客室単価の上昇を実現した。2024年12月に完了したミナシアとの経営統合により、ミナシアの3ヶ月間の業績を取り込んだことも業績の拡大の要因である。また、合計10棟のホテル運営形態を賃借型へ移行し、中長期的に収益を確保可能な運営体制となった。利益面では、ホテル売却益の減少、ミナシア経営統合に関連するのれん償却額及び一過性費用の影響により営業減益となったが、ホテル運営事業の成長、ミナシアの寄与により収益力は向上した。 2. 2026年3月期の業績見通し 2026年3月期の売上高は47,900百万円(前期比71.8%増)、営業利益3,190百万円(同13.8%増)、経常利益2,100百万円(同10.9%増)、親会社株主に帰属する当期純利益2,000百万円(同23.4%減)と、大幅な増収を予想する。ミナシアの経営統合による通期での業績貢献、活況なインバウンドの影響によるホテルマーケットの成長による既存ホテルの業績向上、新規店舗の開業などにより、売上高・営業利益とも着実に増加する見込みである。営業利益はのれん償却などの特殊要因を除く実態を比較すると、前期比43.6%増の4,494百万円となり、大幅な成長となる。ミナシアとの統合効果としては、組織の再構築(リストラクチャリング)、ブランド統廃合、スケールメリットの実現などが検討されており、順次コスト抑制及び売上向上が見込まれる。 3. 成長戦略 同社は、ミナシアとの経営統合を機に、2027年3月期を最終年度とする3ヶ年の中期経営計画を改定した。2027年3月期の定量財務目標としては、連結売上高で490億円、連結営業利益で37億円、連結当期利益で27億円と増額し、営業利益平均成長率では40%を目指す。そのほかのKPIとしては、運営客室数15,000室、運営ホテル数100店舗と増やし、配当性向30%(当初中期経営計画から変更なし)とした。早急に統合効果の最大化を図るため、1) 組織のリストラクチャリングの実施、2) ブランド戦略の検討、3) スケールメリットの実現など、迅速なPMI(ポスト・マージャー・インテグレーション)を検討・実施している。 4. 株主還元策 2025年3月期は、中期経営計画の公約どおり16期ぶりに復配し、年配当金は3.0円(配当性向は17.7%)となった。2026年3月期は、年配当金は3.0円(配当性向35.0%)としている。株主の運営ホテルの宿泊機会を増やす新しい宿泊割引優待制度も開始し、株主還元策が充実した。 ■Key Points ・2025年3月期はミナシアとの経営統合により運営ホテル事業が大幅増収増益 ・2026年3月期はミナシアの通期での業績寄与により、大幅な増収増益を見込む ・中期経営計画を改定。2027年3月期に100棟15,000室を目指す ・2025年3月期は16期ぶりの復配を実現。年配当金3.0円を実施 (執筆:フィスコ客員アナリスト 角田秀夫) 《HN》 記事一覧 |