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フィスコ投資ニュース配信日時: 2025/04/16 12:01, 提供元: フィスコ アイル Research Memo(1):2025年7月期の過去最高予想を据え置き*12:01JST アイル Research Memo(1):2025年7月期の過去最高予想を据え置き■要約 アイル<3854>は、中堅・中小企業の経営力アップを支援するトータルシステムソリューション企業である。リアルとWebを融合した「CROSS-OVERシナジー」戦略をベースとして、DXによる効率化支援に留まらず、日々複雑化するバックヤード業務を変革する「BX※」により、価値創造支援の実現を目指す。 ※ バックサイドトランスフォーメーションの略。同社独自の「CROSS-OVERシナジー」戦略によって、バックサイドから変革を起こすことで価値創造を実現するという概念。 1. 生産性向上が売上総利益率上昇につながる好循環スパイラルを形成 同社は、基幹業務管理システム「アラジンオフィス」シリーズを主力とするシステムソリューション事業、クラウド型でサービス提供する複数ECサイト一元管理ソフト「CROSS MALL」や実店舗とECの顧客・ポイント一元管理ソフト「CROSS POINT」を主力とするWebソリューション事業(CROSS事業、その他Web事業)を展開している。収益性向上に向けて製販一体体制による生産性向上及びストック売上拡大を推進している。受注段階での営業と開発の連携強化によってカスタマイズ工数削減やトラブル未然防止に取り組み、総合的な品質・生産性向上によって売上総利益率上昇につなげるという好循環スパイラルを形成する戦略だ。 2. 2025年7月期中間期の売上高と営業利益は過去最高 2025年7月期中間期の連結業績は売上高が前年同期比7.8%増の9,242百万円、営業利益が同1.0%増の2,260百万円、経常利益が同0.6%減の2,235百万円、親会社株主に帰属する中間純利益が同3.2%増の1,537百万円だった。前期のサーバー入替特需の想定以上の反動減、人材採用や賃上げなど持続的な成長投資の影響で計画を下回ったが、中堅・中小企業におけるDX需要を着実に取り込み、売上高と営業利益は中間期として過去最高だった。売上総利益率は人件費増加やクラウド関連仕入価格上昇の影響で同1.2ポイント低下したが、四半期別に見ると第1四半期の54.6%に対して、第2四半期はクラウド月額利用料値上げ効果なども寄与して56.1%に上昇した。 3. 2025年7月期の過去最高予想を据え置き 2025年7月期の連結業績予想は、期初計画を据え置いて売上高が2024年7月期比9.4%増の19,150百万円、営業利益が同12.6%増の4,800百万円、経常利益が同12.6%増の4,826百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同12.8%増の3,257百万円と、増収増益で過去最高予想としている。通期予想に対する中間期の進捗率はやや低水準だったが、ストック売上の積み上げやエンジニアの成長により下期の構成比が高い季節要因があること、システムソリューション事業の受注が拡大基調であること、2024年10月からのクラウド月額利用料値上げによって第2四半期より売上総利益率が上昇に転じていること、2025年3月より「CROSS MALL」の既存顧客に対する価格改定を実施することなどを勘案すれば、通期会社予想の達成は可能であり、好業績が期待できると弊社では考えている。 4. 長期的に営業利益率30%超を目指す 2024年9月に策定した3ヶ年計画(ローリングプラン、2025年7月期〜2027年7月期)は、長期的な目標である営業利益率30%超に向けた第3フェーズと位置付けて、年平均2ケタ成長を維持しつつ、人材投資やプロモーション投資など成長投資の加速によって経営基盤の一段の強化を推進する。計画の前提として、受注環境はDX需要に加え、オフコンなどのレガシーシステムのオープン化や、2020年の軽減税率対応及びサーバーOS入替特需のリプレースタイミング到来など、複合要素による強い需要を想定している。利益還元については2024年7月期より配当目標を引き上げて配当性向35%以上、純資産配当率(DOE)10%以上を目標としている。 ■Key Points ・中堅・中小企業の経営力アップを支援するトータルシステムソリューション企業 ・2025年7月期中間期の売上高と営業利益は過去最高 ・2025年7月期の過去最高予想を据え置き ・長期的に営業利益率30%超を目指す、株主還元も強化 ・利益率上昇基調を評価 (執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展) 《HN》 記事一覧 |