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フィスコ投資ニュース配信日時: 2025/04/08 13:03, 提供元: フィスコ アピリッツ Research Memo(3):顧客の事業戦略から保守・運用に至るまで一気通貫で支援を行う*13:03JST アピリッツ Research Memo(3):顧客の事業戦略から保守・運用に至るまで一気通貫で支援を行う■事業概要 1. 事業セグメント別概要 アピリッツ<4174>は(1) Webソリューション事業、(2) デジタル人材育成派遣事業、(3) オンラインゲーム事業の3つの事業を展開している。詳細は以下のとおりである。 (1) Webソリューション事業 Webソリューション事業では、顧客が提供しているあるいは今後提供したいITサービスについて、事業戦略に関するコンサルティングから開発、保守・運用に至るまで一気通貫で支援を行っている。具体的には顧客が練った事業戦略を理解及び分析し、エンドユーザーの行動シナリオやニーズを満たすビジネスモデル、業務プロセスの分析などを行い、戦略立案を行う。その後、ビジネスモデルに沿ったマーケティングのコンテンツに関する要件及びシステムの企画設計を行い、開発を実行し、サービスのリリース後は保守・運用まで請け負っている。同社は戦略策定、要件定義、企画設計、開発、保守・運用と全工程を対応することができるため、工程ごとに複数の企業に依頼するのと比較して、安価かつスピーディーな開発を実現している。また、デジタルマーケティングの支援サービス、セキュリティ診断サービスなども提供しており、現状のビジネスをデジタル化したいと考えている顧客のニーズに合わせた支援を行っている。2022年1月にはファンコミュニティサイトの企画・開発・運営を行うムービングクルーを子会社化しており、エンターテインメント事業の分野におけるデジタル化支援も進めている。 (2) デジタル人材育成派遣事業 デジタル人材育成派遣事業では、Webソリューション事業及びオンラインゲーム事業において稼働してきたデジタル人材の派遣機能及び2022年7月に子会社化したIT人材派遣事業を提供しているY'sのサービスを統合して開始した事業である。顧客からデジタル人材の派遣要請があった場合、同社はそのプロジェクトを遂行することができるデジタル人員を派遣し(準委任契約)、その対価として収益を得ている。派遣人員の採用強化及び技術力向上により派遣単価を増加することで収益拡大を図っている。 (3) オンラインゲーム事業 オンラインゲーム事業では、同社がゲームの企画から開発・運営までをすべて行う「自社ゲーム開発」、パートナー企業名で提供されるゲームの企画から開発・運営を請け負う「パートナーゲーム開発」を展開している。 「自社ゲーム開発」では、同社独自のオンラインゲームプラットフォームである「Appirits Games Project」及び他社オンラインゲームプラットフォームである「Google Play」「App Store」を通じてオンラインゲームを無料で提供し、ゲーム内のアイテム課金などにより収益を得ている。同社が現在提供しているのは、2018年9月にリリースしたスマートフォン及びPC両方に対応のオリジナルRPG(ロールプレイングゲーム)「ゴエティアクロス」である。同社がキャラクターデザイン、シナリオ作成、開発、運営をすべて行うことにより、オンラインゲーム制作に関するノウハウを蓄積している。現在では、需要水準が高いスマートフォン向けゲームの開発が中心となっている。 「パートナーゲーム開発」では、ゲーム企画のプランニング、レベルデザイン、同時大量接続の処理技術など自社ゲームの開発・運営によって培ってきたノウハウを基にパートナー企業のオンラインゲームの受託開発、運営保守、運営移管、共同運営を行っている。他社から運営移管された主なタイトルは、2021年8月に(株)セガ(セガサミーホールディングス<6460>の子会社)から移管された人気アニメのスマートフォン向けRPG「けものフレンズ3」、2022年10月にアカツキ<3932>から移管された櫻坂46・日向坂46ファンのためのスマートフォン向け音楽ゲームアプリ「UNI'S ON AIR(ユニゾンエアー)」などである。パートナーと共同運営している主なタイトルは、ブシロード<7803>が提供している人気アニメのリズムゲーム「新テニスの王子様 RisingBeat」(2024年4月より共同運営)、gumiが提供している乃木坂46メンバーの育成ゲーム「乃木坂的フラクタル」(2024年12月より共同運営)などである。 同社は開発請負及びサービスリリース後の運営により、売上増加に伴う顧客からのインセンティブ収益を得ている。また、顧客から派遣人員の要請があった場合においても、デジタル人材育成派遣事業と連携し、迅速に顧客のニーズに応えられる体制を整備しており、ボラティリティが高いとされるゲーム事業において安定的な収益確保ができる事業体制を構築している。 2. 同社の強み及び競合環境 同社の強みは、マーケィング、開発、クラウドインテグレーション、UI/UXデザインなど様々なスキルを有する人材を擁しており、事業戦略におけるコンサルティングから事業企画、開発、保守・運用に至るまで、一気通貫でサービス提供することができることである。上流工程から包括的に支援を行うことにより、同社は顧客の事業、サービス、市場環境などを最も深く理解するベンダーとなる。そのため、顧客が新たな試みを行う際には最も理解度の高い同社に再発注するケースが多く、既存顧客の継続率は約70%と非常に高い。 同社が競合となり得る企業を事業セグメント別に見ると、Webソリューション事業はSun Asterisk<4053>、テンダ<4198>、サーバーワークス<4434>、グッドパッチ<7351>、デジタル人材育成派遣事業はコンフィデンス・インターワークス<7374>などである。オンラインゲーム事業については、自社IP(知的財産)を保有しつつ、受託開発や運営移管などのサービスも提供している企業は現時点では存在しないと見られる。なお、同社が取り組んでいる案件は顧客からの問い合わせを契機としたインバウンドの案件が大半を占めており、競合企業とコンペになるケースはあまりない模様である。 (執筆:フィスコ客員アナリスト 吉林拓馬) 《HN》 記事一覧 |