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フィスコ投資ニュース配信日時: 2025/04/02 12:51, 提供元: フィスコ セブン銀行:ATM事業を核に新たなサービスを付加、利益の成長と株主還元がバランス*12:51JST セブン銀行:ATM事業を核に新たなサービスを付加、利益の成長と株主還元がバランスセブン銀行<8410>は、「近くて便利」「信頼と安心」を実現する独自の金融サービスを提供している。日本全国を網羅する27,000台以上のATMを、セブン-イレブンをはじめとするセブン&アイグループの各店舗に加え、商業施設や観光地、空港や駅などに展開している。また、海外では、米国、インドネシア、フィリピン、マレーシアの4か国でATMサービスを展開。現金による入出金取引を中核に、キャッシュカード不要かつスマホアプリで入出金が可能な「スマホATM」、コード決済や電子マネーへの現金チャージなどのさまざまなサービスも提供している。そのほか、個人顧客への口座事業や銀行品質の信頼性と利便性の高い法人向け事業なども展開している。同社の収益構造では、国内のATMプラットフォーム事業(2023年度経常収益構成比56%)、リテール事業・法人事業(同11%)、電子マネー・クレジットカード事業(同13%)、海外事業(同20%)と分かれている。 2025年3月期第3四半期累計の経常収益は159,490百万円(前年同期比10.1%増)、経常利益は23,106百万円(同0.6%増)で着地。通期の経常収益は215,000百万円(前期比8.6%増)、経常利益は28,000百万円(同8.2%減)を見込んでいる。 国内ATMプラットフォーム事業では、日本におけるATM総設置台数が減少傾向にある中、同社は積極的にATMの設置を推進しシェアを拡大。2025年3月期第3四半期(3Q)決算時点で、3Q累計総利用件数は824百万件(前年同期比42百万件増)、平均利用件数は108.8件(同3.3件増)、ATM期末台数は27,848台(同546台増)。コード決済や電子マネーへの現金チャージが増加し、利用件数は増加傾向にある。また、第4世代ATMへの入替を行ってたが、9割以上の入替を完了し、計画どおり2024年度末(2025年3月末)までに全台入替完了する。第4世代ATMで、顔認証での現金入出金サービス「FACE CASH」を2025年2月から開始しており、キャッシュカードやスマートフォン不要で入出金等が可能となった(静岡銀行・セブン銀行口座が対象)。 国内事業のリテール部門では、口座数と預金残高が堅調に増加している。2025年3月期第3四半期(3Q)決算時点で、口座数3,266千口座(同302千口座増)、預金残高6,206億円(同170億円増)。消費活動の活発化により個人ローンや後払いを含めて金融サービスへのニーズは高く、同社の個人向けローンサービスや後払いサービスも堅調に増加傾向にあり、今後も拡大が見込める。また、クレジットカード会員数は2024年12月時点で329万人(前年比27万人減少)と大きく減っているように見えるが、「イトーヨーカドー」店舗の閉鎖などに伴い会員数が減少してるほか、現状セブンカードは大量の更新時期を迎えており、一定期間未稼働の方に対しては更新カードを送付していない影響などがある。一過性の要因が大きいため、目標1,000万人に向けて来期以降の回復度合いに注目しておきたい。足元では、クレジットカード会員を対象に大規模なポイント還元を実施しており、新規会員獲得と利用促進を図っている。会員数の増加は道半ばだが、会員属性やカード利用には一定の変化・効果があるようだ。 海外事業では、アジア圏は現金ニーズも高く、ATM台数が不足していることから、台数増加の傾向は続いているようだ。3Q累計総利用件数は390.5百万件(80.4百万件増)で、フィリピンでの伸びがけん引している。米国では、件数は横ばいであるものの、2024年度下期から黒字化し、赤字が縮小。インドネシアでもATM設置台数が増加する中、2025年1月からマレーシアでのATMサービスを展開開始している。「Reachful」のブランド名で、2025年前半までにマレーシア3州のセブン-イレブンを中心として100台の紙幣還流式ATMを設置する方針。今後も現地のセブン-イレブンやパートナー企業との関係性がより重要性を増していく。 同社は、中期経営計画を開示しており、2025年度の目標数値は連結経常収益2,500億円、連結経常利益450億円、ROE8%以上を掲げている。計画に対してやや乖離が生じているが、主な乖離の原因は、海外事業とクレジットカード事業となっているようだ。海外事業は、金利上昇等により米国事業の赤字が拡大した影響が大きく、クレジットカード事業は会員数を圧倒的に増やすべく戦略的にコストを投入していることが影響している。ただ、海外事業では直近決算でもアジアで堅調に伸びており、今後もさらなる成長が期待できるほか、米国でも採算改善が見込まれる。クレジットカード事業は、前述にもあるように会員基盤の拡大が今後のポイントとなり、現中計の達成は時期がいつかという点が焦点となろう。 株主還元については、「実額にも配慮しつつ、配当性向40%以上を維持する」という基本方針のもと、ここ数年は年間11円の配当を続けている(配当利回りは約3.8%)。今後も方針を堅持しつつ、利益成長に合わせて増配できるよう努力していくようだ。配当だけでなくキャピタルゲインも含めた中長期的なTSR(株主総利回り)でも評価されるように努めていくもよう。ATM事業を核に新たなサービスを付加し、さらなる成長を図っていく同社の今後の動向に注目しておきたい。単元当たりの投資金額も3万円以下と、個人投資家にも人気を集めよう。 《HM》 記事一覧 |