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フィスコ投資ニュース配信日時: 2025/03/24 11:01, 提供元: フィスコ 電算システムHD Research Memo(1):2024年12月期は減益。2025年12月期は2ケタ増収で利益回復へ*11:01JST 電算システムHD Research Memo(1):2024年12月期は減益。2025年12月期は2ケタ増収で利益回復へ■要約 電算システムホールディングス<4072>は総合情報処理サービス企業である。展開している主な事業は、システム構築のSI(システムインテグレーション)・ソフト開発、情報処理サービスなどを手掛ける「情報サービス事業」と、コンビニエンスストアでの払込票決済サービスやクレジット決済サービスなどを手掛ける「収納代行サービス事業」の2つである。加えて、今後の主要事業にすべく、Web3、ブロックチェーン技術を活用した事業領域の取り組みとなるステーブルコイン発行事業者等との業務提携を進め、新たなサービスの創出にも取り組んでいる。 1. 2024年12月期の業績概要 2024年12月期の業績は、売上高61,256百万円(前期比2.8%増)、営業利益2,311百万円(同41.7%減)、経常利益2,534百万円(同36.9%減)、親会社株主に帰属する当期純利益1,850百万円(同7.7%減)となった。2024年11月の修正後の業績予想に対する達成率は、売上高で100.1%、営業利益で100.5%、経常利益で102.6%、親会社株主に帰属する当期純利益で131.2%の着地であった。売上面では、収納代行サービス事業が前期並みに留まったものの、情報サービス事業ではSI・ソフト開発やGoogle等のクラウド案件が伸び同4.7%増と堅調であった。利益面ではソフト開発プロジェクトでの不採算案件の悪化により第3四半期において受注損失引当金を積み増したことが響き、情報サービス事業で営業損失(278百万円)を計上、前期比減益の大きな要因となった。また、減損損失等の計上の一方で、投資有価証券売却益641百万円を計上した。このため親会社株主に帰属する当期純利益の減少幅は他の利益と比べて小さくなった。 2. 2025年12月期の業績見通し 2025年12月期の業績は、売上高67,500百万円(前期比10.2%増)、営業利益3,500百万円(同51.4%増)、経常利益3,530百万円(同39.3%増)、親会社株主に帰属する当期純利益2,530百万円(同36.7%増)を見込む。売上面で10%以上の高い成長を目指すとともに、利益面の業績回復を図る。情報サービス事業では前期の不採算案件の影響が軽減する見込みに加えて、SI・ソフト開発部門ではクラウドや生成AI関連、及びBPO等の高い市場ニーズを背景に、トータルな提案により受注拡大を図る。また教育分野ではNEXT GIGAの本格化を踏まえ、各自治体等への提案に注力する。収納代行サービス事業では価格転嫁の進捗により収益面の改善を見込むが、一方で取扱件数の伸び悩みが懸念される。この点については、電子払込票サービスである「PAYSLE」や顧客の希望する支払手段が選択できる「TREE PAYMENT」といった新サービスの提案により他社との差別化を図り受注拡大につなげる方針だ。利益面では、営業利益率が前期の3.8%から5.2%に上昇する見込みだ。なお、この予想は新たなサービスプラットフォーム構築のための投資や新サービス開発や既存サービスの強化のための投資を織り込んだものである。 3. 観光・地域創生プラットフォーム事業を軸に次世代型の統合プラットフォームを構築 2024年3月に(株)バケットと協業に関する基本合意書を締結し、「DSK 観光・地域創生プラットフォーム」の第1弾として地域観光産業においてNFTを活用したファンコミュニティの組成を通じた持続的な観光推進を目指す。2024年5月には、日本円ステーブルコインを運用するJPYC(株)と資本業務提携し、新たな決済手段を活用した取り組みに着手した。「DSK 観光・地域創生プラットフォーム」の第2弾として、DAO※コミュニティの運営、NFTやふるさと納税の決済などに「JPYC」を活用する考えだ。2024年6月に、「DSK 観光・地域創生プラットフォーム」の第3弾に向けて、クラウドファンディング型ECサービス「kibidango」を運営するきびだんご(株)と業務提携した。「kibidango」上でNFTを活用して、様々な地方創生プロジェクトの支援金を募る試みや、各地で新たに開発する各種産品やふるさと納税などの販売促進活動に取り組む。ここでもJPYCと連携し、ステーブルコインを介したEC決済の促進に向け、その決済システム基盤の企画開発の検討を進めている。同年10月にはDAOの実装に向けて(株)Unyteとの業務提携を発表した。これらの次世代型運営管理機能や決済機能をベースとする統合プラットフォームの構築を進め、地域創生を支援するとともに、次世代型機能の実用化を図る考えだ。 ※ Decentralized Autonomous Organisation(ディセントラライズド・オートノマス・オーガナイゼーション/分散型自律組織)の略。ブロックチェーン技術を基盤とした新しい形態の組織で、スマートコントラクトと呼ばれる自己実行型の契約によって運営され、参加者が協力しながら管理・運営が行われるため、透明性の高い運営と効率的な意思決定が可能となる点を特徴とする。 ■Key Points ・2024年12月期は売上高が前期比微増ながら、各段階利益は不採算案件の影響を受け減益 ・クラウド案件等が順調に推移、Google事業では生成AIツールの販売を強化 ・2025年12月期は売上高が2ケタ成長、各段階利益は前期からの回復を見込む ・次世代技術を活用して地域創生に向けた統合プラットフォームを構築中 (執筆:フィスコアナリスト 村瀬智一) 《HN》 記事一覧 |