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フィスコ投資ニュース配信日時: 2025/03/21 17:31, 提供元: フィスコ ハッチ・ワーク Research Memo(1):月極イノベーション事業の高成長が続く*17:31JST ハッチ・ワーク Research Memo(1):月極イノベーション事業の高成長が続く■要約 ハッチ・ワーク<148A>は、「社会に、可能性の卵を。」をパーパスに、「CREATE FUTURE BASE」をミッションに掲げ、遊休資産に新たな価値を生み出すDXサービスを提供する。月極駐車場検索ポータルサイト「アットパーキング」の運営と月極駐車場オンライン管理支援サービス「アットパーキングクラウド」を提供する月極イノベーション事業を主軸として、貸会議室、レンタルオフィスなどを提供するビルディングイノベーション事業も展開する。 1. 2024年12月期の業績概要 2024年12月期の業績は、売上高2,367百万円(前期比15.1%増)、経常利益155百万円(前期は11百万円の利益)、当期純利益130百万円(前期比68.2%増)と増収及び大幅な増益となった。管理会社向けの月極駐車場オンライン管理支援サービス「アットパーキングクラウド」の契約者数は増加し、「アットパーキングクラウド」登録台数(月極駐車場区画数。以下、「APクラウド登録台数」)は2024年12月期末で374千台(前期末比20.0%増)と伸長した。その結果、管理会社から収受するシステム利用料、駐車場利用者から収受する決済手数料、滞納保証料といったストック型収益が着実に積み上がり、月極イノベーション事業の売上高は1,405百万円(前期比26.3%増)と引き続き高い成長を堅持した。ビルディングイノベーション事業の売上高は、会社説明会・面接などの採用関係の利用が想定よりも伸びず956百万円(同1.4%増)と微増で推移した。損益面においては、2020年から先行投資を続けてきた「アットパーキングクラウド」のコストが落ち着くとともに、ストック型収益が限界利益として積み上がり、月極イノベーション事業のセグメント利益は366百万円と前期の2倍に伸長した。ビルディングイノベーション事業のセグメント利益は前期比6.6%増と堅調に推移しており、事業全体の経常利益は黒字転換した前期から143百万円増益となった。 2. 2025年12月期業績見通し 2025年12月期通期の業績は、売上高2,740百万円(前期比15.8%増)、経常利益197百万円(同27.5%増)、当期純利益203百万円(同55.1%増)と引き続き成長を見込む。事業別の計画は未公表であるが、ビルディングイノベーション事業は新規投資を抑制しているため売上高は前期並みに留まるであろう。一方、月極イノベーション事業の売上高は前期並みの高い伸び率を見込む。1日〜30日以内で利用期間が自由に選べる新しいタイプの駐車場シェアリングサービス「アットパーキングウィークリー」がユーザーの拡大を後押しする。また、2025年2月に(公社)全国宅地建物取引業協会連合会(都道府県宅建協会の全国団体・以下、「ハトマーク」)に加盟する全国の宅地建物取引業者10万会員(事業者全体の約8割が加盟)に対して業務支援やITツール提供を行う(一財)ハトマーク支援機構と業務提携したことが大きな追い風となる。ハトマーク及びハトマーク支援機構から「アットパーキングクラウド」の単独推奨を得たことで、全国津々浦々で月極駐車場を管理するハトマーク会員の不動産事業者への「アットパーキングクラウド」の営業が加速することが期待される。損益面では、増収分を事業の拡大に伴う営業人員やオペレーション人員の増強、システム改修費用の増加などの成長投資拡充に投下する計画としているが、期ズレで入金となる補助金18百万円を除いても前期並みの経常利益率の確保は見込み、増益となる見通しだ。 3. 中長期の成長戦略 中長期の成長戦略としてはビルディングイノベーション事業の安定的な運営と利益獲得をベースに、「アットパーキングクラウド」を成長エンジンとして月極イノベーション事業の成長を加速する方針だ。成長戦略を3段階に設定し、APクラウド登録台数の拡大、データの収集と活用、「ファーストワンマイルステーション構想」へとステップアップする。月極駐車場の市場規模は、国内自動車保有台数6,197万台超の50%弱と推定され、現在のAPクラウド登録台数374千台と比較すると開拓余地は相当に大きい。競合他社も増えているため、同社はAPクラウド登録台数の拡大を最優先課題としている。月極駐車場を管理することで収集される利用者・駐車場などの属性データを活用した取り組みも積極的に進めており、他企業と連携したEV充電サービス付月極駐車場やリアルタイムの満空情報を活用した未稼働区画の短期契約サービス(「アットパーキングウィークリー」)、カーサポートサービス、カーシェアリング拠点の提供など、月極駐車場を再定義した新たな市場を次々と創造している。また、2025年2月には神戸市と「アットパーキングクラウド」駐車場の「災害ステーション」としての利活用に関する協定を締結した。今後は、各自治体やその外郭団体と「災害ステーション」を全国ネットワークへと拡充を図るなど、社会課題も解決する「ファーストワンマイルステーション構想」を目指す。 ■Key Points ・2024年12月期は月極イノベーション事業の高い成長を堅持し、増収及び大幅な増益 ・2025年12月期も月極イノベーション事業の成長により増収増益見込み ・ハトマーク支援機構との事業提携により「アットパーキングクラウド」の全国展開を加速 ・「災害ステーション」の全国ネットワーク拡充など、「ファーストワンマイルステーション構想」の確立を目指す (執筆:フィスコ客員アナリスト 松本章弘) 《HN》 記事一覧 |