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フィスコ投資ニュース配信日時: 2025/03/11 11:01, 提供元: フィスコ 今仙電機製作所 Research Memo(1):中国・北米での構造改革等で業績回復へ。2025年3月期は大幅増益見込み*11:01JST 今仙電機製作所 Research Memo(1):中国・北米での構造改革等で業績回復へ。2025年3月期は大幅増益見込み■要約 今仙電機製作所<7266>は、自動車部品及び輸送用機械器具部品、産業用機械部品の製造販売を行うメーカーである。1932年に創業者である今井仙三郎(いまいせんさぶろう)氏が日本初となる電磁式ホーンの開発・生産に成功したのが始まりで、1939年2月に株式会社として設立された。同社はそのホーンを「ナイトホーン(Knight Horn)」と名付け、日本のみならず海外でも幅広く販売した。その後、1954年には自動車用ランプ、1958年には自動車用ウインドレギュレータ、1965年には自動車用シートリクライニングアジャスタ、2004年には電子ユニットの生産をそれぞれ開始し、時代のニーズを捉えたモノづくりにより事業を拡大してきた。また、1968年から海外に生産拠点を構築するなど、グローバル化の時代に即した経営を行っている。1996年12月には店頭登録銘柄として株式公開、2001年9月には名古屋証券取引所(以下、名証)第2部に上場、2002年9月に名証1部に指定替え、2003年2月に東京証券取引所(以下、東証)第1部上場と着実にステップアップし、現在は東証スタンダード市場、名証プレミア市場に上場している。 1. 2025年3月期第3四半期の業績概要 2025年3月期第3四半期累計の業績は、売上高が69,700百万円(前年同期比4.9%減)、営業損益が463百万円の損失(前年同期は210百万円の損失)、経常損益が431百万円の損失(同328百万円の利益)、親会社株主に帰属する四半期純利益が1,658百万円(同972百万円の損失)と減収及び営業損失拡大となった。同社はセグメントを製品別ではなく国・地域別で公表しており、日本、北米、アジアの3項目に分けている。国・地域別で見ると、日本国内が売上高28,420百万円(前年同期比6.2%減)と減収となるとともに、営業損益は832百万円の損失(前年同期は399百万円の損失)となった。また、アジア地域は売上高17,993百万円(前年同期比17.4%減)、営業損益は27百万円の損失(前年同期は1,058百万円の利益)と大幅に落ち込んだ。一方、北米は売上高23,286百万円(前年同期比9.7%増)、営業利益288百万円(前年同期は1,148百万円の損失)と黒字に転換した。北米については、円安メリットも大きかったようだ。さらに、北米は前期に計上した雇用問題による一過性費用が解消されたほか、原価低減活動を行った効果が現れた。なお、地域別売上高構成(2025年3月期第3四半期累計)は、日本が40.8%、北米が33.4%、アジアが25.8%となっている。 2. 2025年3月期の業績見通し 2025年3月期の業績は、第3四半期までは中国向けの不振が収益に影響を及ぼし苦戦したものの、足元では持ち直してきた。加えて、構造改革により原価率が改善し、円安もプラスに作用した。これらのことから、期初予想を上方修正し、売上高は93,500百万円から94,500百万円(前期比5.2%減)に、営業利益は100百万円から250百万円(前期の17.9倍)に、経常利益は300百万円から500百万円(前期比92.1%増)に、親会社株主に帰属する当期純利益は1,400百万円から2,000百万円(前期は71百万円の損失)と、減収ながら大幅増益を見込んでいる。 3. 中長期経営計画 同社は中長期経営計画の見直しを行い、「長期目標の再設定」「主要2事業への集中」「資本コスト・株価を意識した経営の実現」に経営方針を軌道修正し、長期目標として、2030年3月期に売上高1,500億円、営業利益率6.0%、ROE7.0%以上を掲げた。さらに、この長期目標を達成すべく2027年3月期を最終年度とする中期経営計画では、売上高910億円、営業利益率4.0%、ROE4.0%以上を目標とし、この実現のために9つの重点施策を進める方針だ。弊社では、これらの施策の今後の進捗に注目したい。 ■Key Points ・前期まで苦戦していた業績は構造改革などにより回復基調へ ・2025年3月期業績見通しを上方修正。利益体質へ変革 ・中長期経営計画を策定。2030年3月期に売上高1,500億円、営業利益率6.0%、ROE7.0%以上を目指す (執筆:フィスコ客員アナリスト 水野文也) 《HN》 記事一覧 |