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第99回『ファンドマネージャーの知恵・株式運用戦略』の背景2024.12.9 浜口です。さて、まずは今回も定点観測を。前回の当ブログのアップ日(2024年12月2日)以降の「浜口流コア・サテライト戦略」銘柄について、左は株価が11月29日時点、右は12月6日時点のデータです。 株価としては、三井物産・三菱商事はほぼ横ばい、3メガバンクはすべて上昇しています。 以下は8316三井住友FGの日足。株価は3日前に史上最高値を更新しました。この銘柄の業績は以下の通り好調であり、今後も楽観しています。
主観ですが、中長期的には20,000円があってもおかしくないという考えに変化はありません。同銘柄は株価が3分割されたため、7,000円近くがあってもおかしくないという考えに変化はありません。 三井住友フィナンシャルグループ(8316) 一方でテック株の人気銘柄、6920レーザーテック。株価は趨勢的に下落しています。ここまで株価が下落してもなお、予想PERは19.2倍。株価は趨勢的に下落していることが、PERが低下している理由です。しかしながらいまだ高いPERは、三井住友FGと対照的ですが、これが現実です。投資対象を銀行・損保・商社株の累進配当銘柄に絞り込んで、ほんとうによかったと思いますね。この銘柄は半導体関連ですが、そもそも半導体関連銘柄は、相場が終わっていると認識します。 レーザーテック(6920) 日本株の相場観については、長期的には今回も基本、変化なしです。日本は、景気後退になる可能性は低く、米国のインフレ懸念は日本に脱デフレをもたらし、加えて海外観光客の増加等、経済再活動につながり、今年年前半にかけ、日本株はここで紹介している高配当バリュー株を中心とした、堅調な相場展開を予測しています。「浜口の相場観は、いつも同じだよな」と受け止められている向きも多いことでしょう。しかしながらこのことは、現在の日本株市場は私が想定した通りに推移している証左と受け止めていただきたいと思います。 『ファンドマネージャーの知恵・株式運用戦略』の背景さて、ここからは今回のテーマ「『ファンドマネージャーの知恵・株式運用戦略』の背景」について。 私は1982年に大学を卒業後、ある製造業に入社しました。そして1987年、現在の三井住友信託銀行、当時の中央信託銀行に日本株のファンドマネージャーとして中途入社しました。 それに前後して、私は林輝太郎先生が書かれた『株式上達セミナー』(同友館)を読んで感銘を受け、本の末尾に電話番号が記載されていたので、林輝太郎先生に図々しくも直接電話をして、人形町にある事務所に何度も訪問させていただきました。林先生は私の相場の師匠です。林先生の友人関係の中で、機関投資家である信託銀行の日本株ファンドマネージャーは私だけだったんでしょう。いろいろと株式運用や業界の詳しいことを教えていただきました。私からも情報提供させていただきました。この頃林先生は、「建玉は控えめにしたほうがいい。とにかくマーケットに生き残ることが先だ。」そのことを強調されていましたね。 それ以外にも様々な重要なことを丁寧に教えていただくうちに、ある日突然。「浜口さんね、あなたは私が言わんとしていることを、もうほとんど理解してしまった。したがって本を執筆しよう。幸いにも私が本を出している同友館という出版社が、どなたか林先生が推薦する著者を紹介してくださいという矢先だったので、これはちょうど良いタイミングだ。」そう言ってくださいました。それで1997年に出版できたのが『ファンドマネージャーの知恵』(同友館)という本です。この本は、本来あるべき原稿料の1.5倍を書いてしまいまして、それに+アルファ追加して、さらに具体的な運用戦略を加え書いたものが1999年に出版した『ファンドマネージャーの株式運用戦略』(同友館)です。 林先生は、ホテル・ニューオータニをよく利用していました。我々夫婦含め、林先生の周りの方がた約10名で、ニューオータニのフレンチ「トール・ダルジャン」で出版記念会をしてくださいました。あとで分かったことですが、この時のフレンチは、ワイン抜きで一人5万円もする高価なものでした。もちろん林先生が全員にご馳走してくださいました。そういったことも含め、林先生には本当に感謝しています。 また同じ頃、パンローリングの後藤社長も紹介していただきました。後藤社長は当時は、大学4年生でした。普通の会社に就職せずパンローリングを創業したのは1991年。バブル崩壊後の中の、経営は大変厳しかったと思われますが、現在は資産運用の出版社として、日本一になっています。後藤社長の会社経営の才能は、大変優秀なものがあったと思いますね。 それ以降私は、3冊本を出版することになります。さてさて、今回はこの辺で。 以上です。なお皆さんの株式運用は、くれぐれも自己責任でお願いします。ここは再強調させていただきます。今回はこの辺で。みなさんの株式運用の参考になれば幸いです。
<著者プロフィール> 浜口準之助(はまぐち・じゅんのすけ) 約15年にわたり機関投資家のファンドマネージャーとして株式運用に従事。信託銀行などで主に年金資金の日本株運用を行う。その後約14年にわたり投信運用会社にて投資環境のセミナー講師に携わる傍ら個人投資家として株式運用を行い、「億り人」の仲間入りを果たす。「浜口流コア・サテライト戦略」を提唱し自らも実践している。「醍醐味に満ちたライフワークとして、株式投資に勝るものなし」との基本観から、個人投資家に実践的な株式投資手法の研究を続けている。 社団法人日本証券アナリスト協会検定会員。主な著書に『黄金サイクルと農耕民族型投資戦略』(パンローリング刊)、ブログ 浜口準之助のテツ・ホテル・グルメ・株式運用 をほぼ毎日更新中、こちらでは旅の話もしている。 |
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