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第20回 景気敏感バリュー株の上昇は本格化するのか?そして海運株は?2022.1.11 <著者プロフィール> 浜口準之助(はまぐち・じゅんのすけ) 約15年にわたり機関投資家のファンドマネージャーとして株式運用に従事。信託銀行などで主に年金資金の日本株運用を行う。その後約14年にわたり投信運用会社にて投資環境のセミナー講師に携わる傍ら個人投資家として株式運用を行い、「億り人」の仲間入りを果たす。「浜口流コア・サテライト戦略」を提唱し自らも実践している。「醍醐味に満ちたライフワークとして、株式投資に勝るものなし」との基本観から、個人投資家に実践的な株式投資手法の研究を続けている。 社団法人日本証券アナリスト協会検定会員。主な著書に『黄金サイクルと農耕民族型投資戦略』(パンローリング刊)、ブログ 浜口準之助のテツ・ホテル・グルメ・株式運用 をほぼ毎日更新中、こちらでは旅の話もしている。
このブログは2週間に1度更新するようにしていますが、そんな中でここ2週間、私がとった 投資行動は以下の通りです。 ・商船三井を新規に組み入れ。一方で日本製鉄・三井住友FG・トヨタの組み入れ比率を増加させました。 米国FRBの早期利上げ・テーパリング縮小観測、いわゆる「タカ派姿勢」が鮮明になり、いよいよ景気敏感バリュー株相場到来と判断したからです。この表を比較していただければわかると思いますが、株価はこの間、上昇しています。 過去3か月のチャートで、株価の推移を確認いただきたいと思います。 サテライト銘柄である日本製鉄・三井住友FG・トヨタはもとより、コア銘柄である三菱商事までも株価が上昇しています。喜ばしいことです。 三菱商事は株価が史上最高値近辺に位置している一方、 配当利回りが3.7%台といまだ高い状況。「高配当をもらいながらも株価上昇を狙う」 というコア銘柄として、本懐を遂げつつある銘柄と考えます。 これまで、当ブログで一貫して書いている投資環境見通し。「景気敏感バリュー株は、徐々に上昇に転じる銘柄が多くなろう」との動きが本格化した状況と考えます。 グロース株が売られる一方で、景気敏感バリュー株が買われる。 それは米国の金利上昇懸念が背景、この状況は時間の問題で訪れる。当ブログで書いてきた通り、そのこをはかねてより想定していましたが、ようやく、その時が訪れたと感じています。私は当面、現在のポートフォリオは持続するつもりです。 今回のメインテーマ、「景気敏感バリュー株の上昇は本格化するのか?」については、「おそらくそう」という答えを、前段で出しました。もう1つのテーマ、そして海運株は?について考えていきます。 いろんな方から、相変わらず。「海運株は復活したんじゃないのか?」「浜口は買っているんじゃないのか?」と尋ねられることが多いので、それにこたえたいと思います。海運株について、私は少し見方を変えましたので、そのことをお伝えしたいと思います。
要は、 海運運賃の上昇が趨勢的に続く中、 興奮した投資家(失礼!)が赤丸で囲った期間買い上がった(超人気化した)結果、株価だけが一方的に上がりその後大幅調整するも、それ以降の株価上昇は巡航速度に戻った。 現状ではそう考えています。 今後の株価推移はどうなるか? これは三菱UFJモルガンスタンレー証券の海運株アナリストである土谷さんの 2022年1月6日付レポート、「運輸セクター22年新年からのセクター戦略」の中の抜粋。コンテナ船の需給ひっ迫≒コンテナ海運運賃の高止まりは、短くて2月まで、長ければ夏場までと記されています。 氏の見解が正しければ、海運株は、2月から夏場にかけてのどこかのタイミングでの高値を付け、それ以降下落する可能性が高い。私は当面、この考え方をメインシナリオとします。 そうなると、海運株の株価の上昇傾向は、早ければあと1か月で終わる。一方で長期化すれば夏場まで続くかもしれない。いずれにせよ、上昇が終わった相場は下落に転じる。それは昨年9月のように、激しいものになるリスクは否定できない。以上を視野に入れ、運用していきます。 以上です。海運株を持っている方はどこで売るのか。それは、その人次第。皆さんの判断に任せます。Good Luck! という言葉で締めさせていただきます。 以上です。今回はこの辺で。みなさんの株式運用の参考になれば幸いです。 キーワード検索: #高配当 #景気サイクル #株式サヤ取り |
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