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浜口流コア・サテライト株式運用戦略の実践
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第20回 景気敏感バリュー株の上昇は本格化するのか?そして海運株は?

2022.1.11


<著者プロフィール> 浜口準之助(はまぐち・じゅんのすけ)

黄金サイクルと農耕民族型投資戦略 約15年にわたり機関投資家のファンドマネージャーとして株式運用に従事。信託銀行などで主に年金資金の日本株運用を行う。その後約14年にわたり投信運用会社にて投資環境のセミナー講師に携わる傍ら個人投資家として株式運用を行い、「億り人」の仲間入りを果たす。「浜口流コア・サテライト戦略」を提唱し自らも実践している。「醍醐味に満ちたライフワークとして、株式投資に勝るものなし」との基本観から、個人投資家に実践的な株式投資手法の研究を続けている。 社団法人日本証券アナリスト協会検定会員。主な著書に『黄金サイクルと農耕民族型投資戦略』(パンローリング刊)、ブログ 浜口準之助のテツ・ホテル・グルメ・株式運用 をほぼ毎日更新中、こちらでは旅の話もしている。




浜口です。あけましておめでとうございます。 今年も日本株投資家にとって良い年でありますよう。さて、まずは定点観測を。前回の当ブログのアップ日(2021年12月20日)以降の「浜口流コア・サテライト戦略」銘柄について下記2つの図、上は株価が12月17日時点、下はその2週間後、株価が12月30日時点のデータです。

コア・サテライト戦略 株式銘柄群

コア・サテライト戦略 株式銘柄群

このブログは2週間に1度更新するようにしていますが、そんな中でここ2週間、私がとった 投資行動は以下の通りです。

・商船三井を新規に組み入れ。一方で日本製鉄・三井住友FG・トヨタの組み入れ比率を増加させました。 米国FRBの早期利上げ・テーパリング縮小観測、いわゆる「タカ派姿勢」が鮮明になり、いよいよ景気敏感バリュー株相場到来と判断したからです。この表を比較していただければわかると思いますが、株価はこの間、上昇しています。

日本製鉄 5401 三井住友フィナンシャルグループ 8316 トヨタ自動車 7203 三菱商事 8058

過去3か月のチャートで、株価の推移を確認いただきたいと思います。 サテライト銘柄である日本製鉄・三井住友FG・トヨタはもとより、コア銘柄である三菱商事までも株価が上昇しています。喜ばしいことです。

三菱商事は株価が史上最高値近辺に位置している一方、 配当利回りが3.7%台といまだ高い状況。「高配当をもらいながらも株価上昇を狙う」 というコア銘柄として、本懐を遂げつつある銘柄と考えます。

これまで、当ブログで一貫して書いている投資環境見通し。「景気敏感バリュー株は、徐々に上昇に転じる銘柄が多くなろう」との動きが本格化した状況と考えます。 グロース株が売られる一方で、景気敏感バリュー株が買われる。 それは米国の金利上昇懸念が背景、この状況は時間の問題で訪れる。当ブログで書いてきた通り、そのこをはかねてより想定していましたが、ようやく、その時が訪れたと感じています。私は当面、現在のポートフォリオは持続するつもりです。

今回のメインテーマ、「景気敏感バリュー株の上昇は本格化するのか?」については、「おそらくそう」という答えを、前段で出しました。もう1つのテーマ、そして海運株は?について考えていきます。 いろんな方から、相変わらず。「海運株は復活したんじゃないのか?」「浜口は買っているんじゃないのか?」と尋ねられることが多いので、それにこたえたいと思います。海運株について、私は少し見方を変えましたので、そのことをお伝えしたいと思います。

日本郵船 (9101)


日本郵船の過去2年の株価チャートです。後講釈ではありますが、今あらためてこのチャートをみると。 2020年3月の新型コロナ暴落につけた1,091円をボトムに、株価は上昇に転じた。背景には新コロ等々に伴う海運運賃の大幅上昇と高止まりがあります。 そして赤丸で囲ってある部分、2021年7月から株価上昇は今から見れば加速し過熱し行き過ぎ、9月27日の11,300円まで急騰後、急落する展開となった。しかしそれ以降、調整を終了した株価は再度、ゆるやかな右肩上がりとなっている。

要は、 海運運賃の上昇が趨勢的に続く中、 興奮した投資家(失礼!)が赤丸で囲った期間買い上がった(超人気化した)結果、株価だけが一方的に上がりその後大幅調整するも、それ以降の株価上昇は巡航速度に戻った。 現状ではそう考えています。 今後の株価推移はどうなるか?

2022年1月6日付レポート「運輸セクター22年新年からのセクター戦略」

これは三菱UFJモルガンスタンレー証券の海運株アナリストである土谷さんの 2022年1月6日付レポート、「運輸セクター22年新年からのセクター戦略」の中の抜粋。コンテナ船の需給ひっ迫≒コンテナ海運運賃の高止まりは、短くて2月まで、長ければ夏場までと記されています。

氏の見解が正しければ、海運株は、2月から夏場にかけてのどこかのタイミングでの高値を付け、それ以降下落する可能性が高い。私は当面、この考え方をメインシナリオとします。

そうなると、海運株の株価の上昇傾向は、早ければあと1か月で終わる。一方で長期化すれば夏場まで続くかもしれない。いずれにせよ、上昇が終わった相場は下落に転じる。それは昨年9月のように、激しいものになるリスクは否定できない。以上を視野に入れ、運用していきます。

以上です。海運株を持っている方はどこで売るのか。それは、その人次第。皆さんの判断に任せます。Good Luck! という言葉で締めさせていただきます。

以上です。今回はこの辺で。みなさんの株式運用の参考になれば幸いです。
なお皆さんの株式運用は、くれぐれも自己責任でお願いします。ここは再強調させていただきます。


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キーワード検索: #高配当 #景気サイクル #株式サヤ取り

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