カプランのオプション売買戦略

◆以前よりオプションについて勉強したい、実際に売買してみたいという思いがあり、
何冊かオプションの本を読んでみたりしておりましたが、どれも途中で挫折し
オプション売買を実践に移すことにはいたりませんでした。
が、カプランのオプション売買戦略は非常に分かり易い、
ただ悪く言えば理解した錯覚に陥らされているのかもしれませんが、
いずれにせよ、オプションを実際にされてる方はもちろん、
私のような全くの素人が読んでも仕組み一辺倒な巷にあふれる本とは全く異なり、
すんなり読みやすく理解しやすい｡
正直この本を読むまで、私のような素人がこの本を読んでも
売買戦略だとかわかるのだろうか？
この本を読む前にまずオプションの仕組みだとかを広義的に説明している本を読み、
それからの本ではないのか？と考えていたのですが、全くの取り越し苦労でした。
むしろ全て逆で少しでもオプションに興味あるなら読むべきだし、
とにかくよく分からない部分があろうが全て読んでみる。
そうすると読み終えたとき、不思議にオプションが体系的に頭に入っています。
この本を読んでから他のオプションに関する書籍を読んだ方が
遥かに理解しやすいように思います。
後は実践を想定してオプション売買のシュミレ−ションをし、
実践に移し経験をつむ、そしてまたカプランを読む。
この流れで私はオプションに取り組もうと考えております。
そして何よりこの本の特筆すべき点は
「優位性」に関する考え方、アプロ−チ方法、
優位性を得るためにどういう管理をすればよいか、この点はオプションのみならず、
トレ−ドするに際し非常に得るものが多いです。
私が初心者だからなのでしょうが、正直自分のいままでのトレ−ドに対する姿勢、
考え方の甘さが浮き彫りになり、良い反省課題を提起してくれたように思います。

良い勉強をする時間を提供していただきまして、本当に有難うございました。

◆日本で日経株価指数オプション取引がスタートした頃、私は証券営業マンでした。
個人投資家の取引参加者はほとんどいなく、その理由の一つに複雑なオプション取引 を証券マンが理解できないため、顧客にうまく説明できないことがありました。35歳 以上のベテラン証券マンには理解不能という通説がまかり通っていて、場の雰囲気で 売り買いする昔ながらの営業マンは、当然見向きもしていませんでした。ただ、営業 部でもオプションに詳しい人間が1人は必要との理由から、若手の私が先物・オプ ション課に勉強に行くよう指示を受けました。先方の都合もあり、3時間のみの講義 でしたが、オプションの特性や売り買いを組み合わせた各種投資戦略等、基本的な説 明を受けました。文系出身の私が特に驚いたのは、売買戦略を立てるために当時はま だ珍しかったノートパソコンを取り出しベータやガンマといった専門用語を用いなが らボラテリティーや理論価格をはじき出し、数学的確率に基づいた論理的な売買手法 があることを知ったことです。アマとプロの違いを教えられショックでした。こんな 秘密兵器を相手に情報量に限りのある一般証券マンや個人投資家がまともに勝負でき ないと正直思いました。短時間の基本的な説明であったこと、テキスト不足、私の理 解不足や性格から、個人投資家がオプション取引に参加する場合、証拠金の必要がな くリスクが限定できる単純な買い方しかないと思い込んでしまいました。すぐに顧客 を見つけ取引を開始するわけですが、当時はバブル崩壊直後、日経平均の一日の下落 幅が非常に大きくPUTの買いだけで大きく稼ぐことができました。今思うと売買時期 がたまたま良かっただけという一言に尽きます。

証券不況突入と同時に私は転職し証券界から離れましたが、「マーケットの魔術師」 という本に出会って、アマチュア投資家として証券マン時代以上に株式・商品取引に のめりこんでいきました。まだまだ一人前とはいきませんが、この本の教えのおかげ で何とか生き残っており、楽しくトレードを行なっています。しかし、欲が深いの か、相場で食っていけるだけの技量を身につけ、一日も早くプロの域に達したいとい う気持ちは日に日に強まっています。そのためにも各種知識武装の必要性を痛感して おり、その一環として内容の濃い御社の出版物に目を通し、実践経験を積みながら運 用能力を高めている次第です。

今回、オプションに再度興味を持ったのは、インターネットでのオプション取引が開 始されリアルタイム価格・ボラテリティー等の情報が瞬時に入手可能になり、パンローリング出版の教本をフルに活用すれば機関投資家やディーラーたちに立ち向かえるんではなかろうかと思えたからです。（インターネット取引では、多くの証券会社が買いのみで 売りを禁じているのが残念、また指値注文しか受け付けないところもある）

期待どおりこの本には、プロトレーダーの売買執行手順・戦略が明瞭簡潔に説明され ている。また、取引の失敗事例、現物・先物と比較したオプションの特徴・長所・欠 点が具体的に述べられている。そして、物事の本質をとらえたような投資哲学、プロ の考え方、心構えを学ぶことができる。自分の投資スタイルを再構築することができ 得る教えをじゅうぶん含んでいると思う。

ただ、あらゆる状況に対応できる売買戦略には驚かされるが、実際の売買に関して取 引事例がすべて海外におけるものであることが不満な点である。歴史のあるアメリカ オプション市場、そうでない流動性に乏しい未熟な日本市場、優位性を味方につけた 理想的ポジションを仕掛けるにあたって、タイミングよく売買が執行されポジション 保持にまで至る確立にどのくらいの差が出るのかを分析してほしい。シュミレーショ ンでよいから日本市場における成功・失敗の売買事例を掲載してほしい。また、著者 がオプション取引において年率どのくらいの運用成績を上げてきたのか数年間の成績 推移を公表してほしかった。多くの大口投資家が似かよったプログラムのシステム売 買を行なうようになっているため、年々成績が振るわなくなってきているのではない かと推測します。

資産運用のプロを目指し、長年相場にかかわっていきたいと考えている以上、様々な マーケットにおいて有効な各種取引手法に精通することは、自分の投資スタイルを客 観的に見つめ直すにあたり必要不可欠なことだと考えています。向上心のある若手証 券マンには、ぜひ読んでいただきたい売買戦略教本であると思います。

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