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テンプルトン卿の流儀 伝説的バーゲンハンターの市場攻略戦略国際派のバリュー投資家として知られているジョン・テンプルトン卿は、2008年7月、95歳でこの世を去りました。 本書は、その直前の2008年1月に出版されたものの翻訳です。 本の中で、テンプルトンは「ジョン叔父さん」呼ばれています。親族が著者であることから、テンプルトンの投資について、かなり詳細に書かれています。 私自身、特に興味を持ったのは晩年の投資です。
●1997年後半、アジア金融危機で痛手を受けた韓国株に投資 全体的には「投資家の課題は悲観論や恐怖、不安から生じる投資機会をつかむことにある」という流儀をベースとしている点が印象的でした。 投資について、真摯に取り組んでいる個人投資家にとっては、少なからずの「気づき」と「勇気」を得られることでしょう。 久々に、バリュー投資家の血が騒ぐような良書に巡りあい、興奮気味でこのコメントを書いています。 (角山 智氏、40代、自営業) この本は、1ドル以下のボロ株を100銘柄以上買って4倍ほど に増やしたという話が有名なテンプルトンの投資法が、テンプ ルトンの大姪(兄の孫娘)によって書かれている本です。 テンプルトンは95歳という年でリーマンショックの直前の2008 年7月に亡くなっているのですが、その間に資産を大幅に増や しています。 そのやり方としては、投資しようとしている銘柄が、本来の企 業価値に対して大幅に割安になっているときに投資して、割高 になったときに売るというきわめてシンプルなものです。しか し、普通の人にとっては、このシンプルなやり方がなかなかで きないのが悩みの種であると思います。ある銘柄が大幅な割安 価格になるのが待ちきれずに、ついつい衝動的に売買をしてし まう。そして損を積み重ねていってしまうという感じです。 それを防ぐためには、いろいろな国を観察して、その国に株価 が大幅に割安になるのを待つ忍耐力を養うか、ほかに勝てる投 資法をやりつつ、このテンプルトンの投資法を織り交ぜていく かであるでしょう。 テンプルトンは、1960年代の日本や、1997年のアジア通貨危機 における韓国などに投資し、大儲けしています。こういった割 安になっている国の株価に注目するやり方というのは、かつて より情報が入りやすくなっている、さらに、各国の株式市場が 外国人に対して開放されてきているといったところから、投資 しやすくなってきております。そういったチャンスを生かして いくために、この本を熟読する価値は大いにあると思います。 (bblue、40代、会社員) 本書は「強気相場は悲観のなかで生まれ、懐疑のなかで育ち、楽観とともに成熟 し、陶酔の中で消えていく」という言葉で知られるジョン・テンプルトンの投資戦略 について解説したものである。全体として文章が平易で読みやすく、中に示されるた とえ話もわかりやすいもので、理解もしやすい。ただ、エピソード的に様々な事例が 示されている形になっており、テンプルトン卿の投資の全体について詳細な分析を 行ったものとはなっていない。 本書で述べられているのは「他人が絶望して売っているときに買い、他人が貪欲に 買っているときに売る」という徹底した逆張りの手法である。実際に中長期での逆張 りを徹底して実行するには、相当の自信、確信、決断が必要であり、その根拠となる リサーチも欠かせない。形としてこの投資手法は、「まとも」な銘柄を「非常に安く 買う」という点でグレアム・バフェットと似通ったスタンスであると感じられるが、 強調されているのは「絶望での買い」であり、逆に売りのあり方についての記述は相 対的に少ない。 実際に株式投資の経験があればよくわかると思うが、大きく下落している時に買う のは勇気が必要である。株式を買いたいと思っている場合の感覚の多くは、株価が上 昇すれば「もっと騰がるかもしれない」と感じ、下落していれば「もっと下がるかも しれない」という市場のトレンドに従ったものになりやすい。この逆の発想をするの はトレンドに逆らうものであり、実際に買うのは精神的な負担感、ストレスを感じる ことが多いだろう。 自分自身のことを考えると、株価が下落すると「買いたい」という意識が高まり、 上昇すると「売りたい」という意識が高まるという点では「逆張り」的発想が身に付 いている(それが合っている)とは思うものの、実際の売買の判断を行うのは中途半 端な位置であることが多く、その投資額(個々の売買)も細かく分散させ小さいた め、利益も損失も限定されたものになりがちであり、結局のとろこ、その投資の成績 は市場平均とさして変わらない場合が多い。 個別企業のファンダメンタルズ分析は、それが当たるかどうかは別にして、発想と しては星占いにも似た主観的テクニカル分析よりはよほどましであり、まともであ る。その力量を高めることをめざしつつ、基本的には本書に示されたような発想で長 い目で投資を継続していきたいものだと感じた。 本書の内容は難しくなく読みやすいものであり、投資の本質をついた中味となって いるため、株式投資の入門書としても適当だろう。 (ふしみん、40代、公務員) 商品説明ページへお買い物かごに入れる 一覧に掲載されていない商品については モニタ募集中です!
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