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フィスコ投資ニュース配信日時: 2025/12/29 10:35, 提供元: フィスコ トランプが習近平と「台湾平和統一」で合意?(2)【中国問題グローバル研究所】*10:35JST トランプが習近平と「台湾平和統一」で合意?(2)【中国問題グローバル研究所】◇以下、中国問題グローバル研究所のホームページ(※1)でも配信している「トランプが習近平と「台湾平和統一」で合意?(1)【中国問題グローバル研究所】」の続きとなる。 ◆中国が「力による平和」? 上記「2」のアメリカの戦争長官ヘグセスへのインタビュー(※2)を詳細に観察すると、「中国はアメリカを倒すことに特化した軍隊を建設している。それが彼らの戦略的な出発点だ」として、「たとえば極超音速ミサイルを例に挙げよう」という流れになっている。 中国は「アメリカを倒すことに特化した軍隊」を構築することによって、アメリカが抵抗できないように持っていき、「台湾平和統一」という国家運命をかけた「100年の夢」を実現できそうになったということは、ある意味、「力による平和」を中国が獲得しつつあるということになる。 「力による平和」はアメリカの専売特許のようなものだったが、中国が強大な軍事力を持つことによって、戦争をしないで済むようになったということを意味し、これはかなり衝撃的である。 同じく「2」で林中斌は〔西側メディアが最近公開した詳細情報も、「国家力の面では、中国とアメリカは同点である」ことを示している〕と言っているが、西側メディアの関連情報の多くは、いずれも「国家力」という視点で分析している。 これは習近平が2015年にハイテク国家戦略「中国製造2025」を発布した時からの習近平の国家目標の一つで「中国の夢、強軍の夢」をくり返してきた。「強軍大国」を叫びながら「平和を重んじる」というのは矛盾しているだろうという批判は日本に充満していたが、アメリカが「力による平和」を叫んでも日本は微塵も批判していない。 そのアメリカが遂に、「軍事力では中国に勝てないので、軍事力的に中国を刺激しないようにしよう」と言い出すとは、思いもかけないことだ。 もっとも台湾の人々の心がどうなるのかを考えたとき、抵抗があった場合は、習近平は最低、台湾を囲んだ大規模軍事演習によって台湾をエネルギー的に封鎖し、降参するのを待つことになるだろう。 しかし、トランプが水面下で頼清徳政権を説得し、平和統一に向かわなければ、今後は一切台湾の支援をしないし、最悪の場合はアメリカが台湾に軍事的な力をかけると威嚇した場合は、台湾はトランプの意向に従うしかなくなってしまうにちがいない。 トランプと習近平の現在の関係を考えたときに、このたびの台湾の元国防副部長の発言は、かなりの現実味を帯びている。 ◆「高市発言」の前提が崩れる そうなると、「高市発言」の前提が完全に崩壊する。 台湾有事に「アメリカの援軍があった場合」という前提の下で発せられた高市総理の「存立危機事態」は、「アメリカの援軍は来ない」ということによって、完全崩壊してしまうのである。 台湾(の元政府関係者)自身が「トランプが習近平と台湾平和統一を合意する」という可能性を発表している現状では、「高市発言」の「前提が崩壊する」どころか、「そのような前提はそもそも存在しない」という事態にもなりかねない。 日中関係は、日本と中国だけで決まっていくのではなく、アメリカという巨大なパラメータを介して決定されていく。すなわち米中関係が独立変数で、日中関係は、その従属変数でしかないのである。 日本政府は、「世界を見る視点」を持たないと、アメリカに梯子を外される危険性が、現実味をもって迫っていることを認識すべきではないだろうか。 追記:トランプは、トランプ1.0で朝鮮半島問題を解決しようとしてボルトンに邪魔されて頓挫している。トランプ2.0では「自分ならウクライナ戦争を1日で解決できる」と豪語したが難航中。そこで今度は台湾問題を解決すればノーベル平和賞を貰えるかと考えている可能性はあるのかもしれない。本稿はあくまでも台湾におけるフォーラムでの発言をシンガポールの新聞が報道しているのを発見して分析しただけだが、コロコロ変わるトランプにしては珍しく一貫している「世界の大紛争を解決してみせたい」という願望は、一考の価値があるのかもしれない。 この論考はYahoo!ニュース エキスパート(※3)より転載しました。 トランプ大統領と習近平国家主席(写真:ロイター/アフロ) (※1)https://grici.or.jp/ (※2)https://www.youtube.com/watch?v=DoN5ovwB8s4 (※3)https://news.yahoo.co.jp/expert/articles/ac148ad39039c0763d209e94c12573fcdd9dfde7 《CS》 記事一覧 |