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フィスコ投資ニュース配信日時: 2025/09/25 12:07, 提供元: フィスコ ドリーム・アーツ Research Memo(7):ホリゾンタルSaaSの高い成長がクラウド事業をけん引(2)*12:07JST ドリーム・アーツ Research Memo(7):ホリゾンタルSaaSの高い成長がクラウド事業をけん引(2)■ドリーム・アーツ<4811>の業績動向 2. 事業セグメント別動向 (1) クラウド事業 a) ホリゾンタルSaaS ホリゾンタルSaaSで提供している「SmartDB」「InsuiteX」導入企業数は173社(前年同期比18社増)と順調に増加した。加えて、既存顧客へのアップセルが好調に推移し、売上高は1,680百万円(同22.3%増)となり、クラウド事業の成長をけん引した。マーケティング活動の強化により「SmartDB」の認知度が上がり、顧客企業の部署単位での採用から全社で利用するシステムへの採用が増えるなど大型案件が増加した。また中間期で新規導入が17社、解約が5社あった。解約のうち2社は期初の計画に織り込んでいた剪定戦略によるもので、KPIである平均月額利用料(ARPA※1)は2025年12月期第2四半期で1,656千円(同4.9%増)となり前期第4四半期の1,669百万円を下回ったが、比較的規模の大きい剪定戦略による解約は上期で落ち着いたと見込んでいる。また、NRR※2は111.1%と前期末時点の117.5%を下回った。なお、「SmartDB」はホリゾンタルSaaS売上高の85.0%(2025年12月期中間期時点)を占め、ホリゾンタルSaaSの成長をけん引した。 ※1 ARPA:Average Revenue Per Accountの略。四半期末月の月額利用料の合計を同時点での利用企業数で除して算出。 ※2 NRR:Net Revenue Retentionの略。1年前(2024年6月)時点の利用企業の月額利用料が、1年後(2025年6月)に変化した割合。 2025年12月期中間期における導入実績としては、以下のような事例があり、ERPフロントシステムとして利用されるケースから、グループ会社全体を統合するシステムとして利用されるケースまで、案件が全社規模サイズで大型化しているのが特徴だ。 ・KDDIが全社10,000名超の稟議書システムを「SmartDB」で刷新 ・ツルハホールディングス<3391>が、全社がアクセスできる全国2,658店舗(2025年2月時点)の店舗マスタや契約管理台帳アプリを「SmartDB」で作成するなどDX戦略を支えるIT基盤として本格利用を開始 ・J-POWERジェネレーションサービス(株)(J-POWER<9513>のグループ会社)が「SmartDB」で稟議申請アプリを作成し全社約1,500名で利用開始。これにより各現場の業務改善の基盤を「SmartDB」に集約 ・丸紅I-DIGIOホールディングス(株)(丸紅<8002>のグループ会社)がグループ共通のデータ基盤として「SmartDB」を導入 ・日清製粉グループ本社<2002>が「SmartDB」を導入 ・タリーズジャパン(株)(伊藤園<2593>の子会社)が「SmartDB」で店舗運営業務の効率化を加速 b) バーティカルSaaS バーティカルSaaSで提供している「Shopらん」の導入企業数は164社(前年同期比1社増)と小規模チェーンの解約により導入社数は横ばいだが、来期導入を見据えた大規模チェーンストアとの商談が進行中だ。特定顧客の利用規模縮小もあり、売上高は390百万円(同0.3%増)と前年同期水準で推移した。ARPAは2025年12月期第2四半期で398千円と前年同期の395千円と横ばいで推移したが、前期第4四半期の406千円を下回った。 c) DCR 「DCR」の売上高は90百万円(前期比1.2%増)となった。特定顧客の個別要件に基づいて開発したシステムをクラウド基盤上で運用しており、契約企業数は3社(同変動なし)である。既に提供を開始しているサービスの利活用の促進により、ユーザー数の増加や運用の安定化を確保している。 (2) オンプレミス事業 オンプレミス事業の売上高は301百万円(前年同期比1.7%増)、セグメント利益は150百万円(同18.8%増)となった。パッケージ・ソフトウェアライセンスは既に新規顧客への提供を停止しており、剪定戦略によりクラウド移行・解約の影響で売上は減少傾向だが、既存顧客の社員増加に伴う大型のライセンス受注により増収増益となった。 (3) プロフェッショナルサービス事業 プロフェッショナルサービス事業の売上高は345百万円(前年同期比29.9%増)、セグメント利益77百万円(前年同期は10百万円の損失)となった。オンプレミス顧客のクラウド移行支援プロジェクトや「SmartDB」と「InsuiteX」を組み合わせた大型案件の導入支援プロジェクトが順調に推移し増収増益となった。前年同期は、クラウド移行など最新プラットフォームへの移行提案を積極的に推進し、提案・相談だけの無償稼働が増加し損失を計上していたが、剪定戦略が落ち着いてきたこともあり本来の導入支援中心に稼働している。 (執筆:フィスコ客員アナリスト 松本 章弘) 《HN》 記事一覧 |