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フィスコ投資ニュース配信日時: 2025/03/18 11:03, 提供元: フィスコ トレードワークス Research Memo(3):証券業界向けフロントシステムで独立系トップ(2)*11:03JST トレードワークス Research Memo(3):証券業界向けフロントシステムで独立系トップ(2)■会社概要 2. 事業内容 トレードワークス<3997>は金融ソリューション事業、FXシステム事業、デジタルコマース事業と、子会社のあじょで展開するソフトウェア受託開発及びITコンシェルジュサービス事業、ペガサス・システムで展開する基幹サーバー・ネットワーク設計及び構築、システム運用のコンサルティング事業の5事業に分けて売上高を開示している(従来、区分開示していたセキュリティ診断事業はデジタルコマース事業に統合した)。従前は金融ソリューション事業が売上高の約9割を占めていたが、子会社が加わったことで2024年12月期には67.4%まで低下した。しかし、今後も同社の収益をけん引するコア事業としての位置付けであることに変わりはない。 (1) 金融ソリューション事業 金融ソリューション事業では、主に証券会社や金融情報システムサービス会社向けのシステム開発・保守・運用サービスを行っている。フロー型ビジネス(パッケージ製品販売や請負開発)と製品導入後の保守・運用サービスのほか、クラウドサービスの普及拡大によってここ数年はストック型ビジネス(SaaS型クラウドサービス、顧客に機能の提供のみ行う)が増加傾向にある。 主力製品・サービスは、投資家向けインターネット証券取引システム「TradeAgent」であり、売上高の大半を占めている。そのほか、ディーリングシステムや証券取引所売買端末、不公正取引監視システム、個人型確定拠出年金(iDeCo)システムなどがある。これら製品を顧客のニーズに合わせてカスタマイズ開発し、保守・運用まで行っており、累計導入社数は40社を超える。なお、SaaS型クラウドサービスについては、初期導入費用と月額利用料、保守料等のバランスが開発案件ごとに異なる。現在の主要顧客は、auカブコム証券(株)、(株)DMM FinTech、岩井コスモ証券などが挙げられ、2024年12月期は3社合計で全売上高の36.7%を占めた。新規顧客についても年間2〜3社ペースで開拓している。 (2) FXシステム事業 FXシステム事業では、FX会社向けにFX取引システム「TRAdING STUDIO」及びFXチャートシステムを開発・提供している。ヒロセ通商<7185>や(株)DMM.com証券、(株)SBI BITSなどが主要顧客で、取引社数は15社程度である。SaaS型サービスでの提供を行っており、売上高の大半がストック型収入で占められる安定収益事業である。 (3) デジタルコマース事業 デジタルコマース事業では、金融システム開発で培ったコア技術をベースにECプラットフォーム及び各種ソリューションを提供している。具体的には、提携先のコネクテッドコマース(株)が展開する「AZLM※1」で活用しているECプラットフォーム及びOMO(Online Merges with Offline)※2プラットフォームを提供している。同システム(EC、決済、専用アプリ等)全般を開発・運営・管理しており、月額サービス利用料に加えて流通額に応じた販売手数料を売上計上している。 ※1 先進的な技術を駆使したデジタルプロモーションとECを組み合わせた体験型店舗。2024年12月時点で「AZLM TOBU池袋店」など3店舗を出店している。 ※2 実店舗やECサイトから収集する顧客情報を一元管理、多様なチャネルのポイントを共通化することで相互送客を実現するマーケティング手法を指す。 また、新規サービスとして2024年10月よりミンカブソリューションサービシーズとの協業で、ブロックチェーン技術を活用した特典(クーポン)配信プラットフォーム「toku-chain(トクチェーン)」のサービスを開始した。従来の広告出稿とは異なり、広告主がクーポンやロイヤリティプログラムを通じてターゲットとするユーザーに直接リーチし、ブランド価値を高めながら効果的に訴求することができるほか、クーポンがNFT化されることで高額のクーポンを付与することも可能となる。配信主となる金融機関にとっては保有するファーストパーティデータを利活用し、家族口座の追加獲得に役立てるなど、CRMの向上と新たな収益源の獲得が可能になるといったメリットがある。ミンカブソリューションサービシーズが営業活動を行い、同社はtoku-chainシステムの開発・運用を担当する。同社の売上高はシステム利用料や配信量に応じた従量課金収入を計上することになる。 そのほか、事業会社のWebサイトやネットワークにアクセスし、セキュリティ上の問題点(脆弱性)の有無を診断するセキュリティ診断サービスを提供している。診断サービスはオンサイトまたはオンラインによる手動診断のほか、自動診断ツール「SecuAlive」も提供している。「SecuAlive」は指定したURLに定期的に自動アクセスし、脆弱性の有無を自動診断する簡便なサービスで、料金も手動診断より安価な水準で提供している。顧客企業は人材派遣会社やEC事業者、サービス業など多岐にわたり、契約社数は30社弱である。 (4) ソフトウェア受託開発及びITコンシェルジュサービス事業 ソフトウェア受託開発及びITコンシェルジュサービス事業では、製造・生産管理システム、販売管理システム、営業支援システム等の受託開発のほか、ITシステムの導入コンサルティングや運用サポートなどを子会社のあじょで展開している。 (5) 基幹サーバー・ネットワーク設計及び構築、システム運用のコンサルティング事業 ICTソリューションサービスを運用するうえで不可欠な基幹サーバー・ネットワーク設計及び構築、運用・保守等のSES(システムエンジニアリングサービス:エンジニアの常駐派遣)事業を子会社のペガサス・システムで展開している。主要取引先は大手電力・ガス・通信会社などで売上高の約8割が継続取引によるものである。 (執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲) 《HN》 記事一覧 |