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フィスコ投資ニュース

配信日時: 2025/03/10 14:13, 提供元: フィスコ

ブロードリーフ Research Memo(3):2024年12月期は674百万円の営業利益を計上、想定以上の着地

*14:13JST ブロードリーフ Research Memo(3):2024年12月期は674百万円の営業利益を計上、想定以上の着地
■ブロードリーフ<3673>の業績動向

1. 2024年12月期の業績概要
(1) 損益状況
2024年12月期の連結業績(IFRS基準。以下同)は、売上収益が18,045百万円(前期比17.3%増)、営業利益が674百万円(前期は1,902百万円の損失)、税引前利益が545百万円(同1,921百万円の損失)、親会社の所有者に帰属する当期利益が343百万円(同1,487百万円の損失)となった。

主要KPIが順調に拡大したことから営業損益は黒字転換した。クラウド化への推進を中心とした中期経営計画を発表してから3年目に当たるが、ほぼ中期経営計画に沿った結果と言える。なお、親会社の所有者に帰属する当期利益を計上したこともあり、年間配当を2.0円(前期は1.0円)へ増配した。

営業利益の増減要因を分析すると、売上増で2,660百万円増、売上原価の増加(うちクラウド償却費258百万円増)で288百万円減、ITインフラ費の増加(主にデータセンターであるAWSなどへの支払い増)で78百万円減、営業関連費用の削減などで120百万円増、その他費用の削減で162百万円増となった。


売上区分別比率では、クラウドサービスがパッケージシステムを上回った

(2) 売上区分別状況
クラウドサービスの売上収益は7,781円(前期比48.6%増)となった。中分類(内訳)では、「.cシリーズ」への移行が順調に進んだことから、ソフトウェアサービスは7,197百万円(同56.9%増)となった。一方で、自動車リサイクル部品の市場全体における取引量の減少が影響し、マーケットプレイスは584百万円(同10.0%減)となった。

パッケージシステムの売上収益は10,264百万円(同1.1%増)となった。中分類では、ソフトウェア販売は3,630百万円(同21.7%増)、運用・サポートは「.cシリーズ」への移行が進んでいることから6,634百万円(同7.4%減)となった。

この結果、クラウドサービスの売上収益が初めてパッケージシステムの売上収益を上回った。この事は、中期経営計画に沿ってクラウド化が順調に進んでいることの証左と言える。

(3) 主要KPIの進捗状況
2024年12月期及び期末における主要KPIの進捗状況は、ストック売上収益(毎月恒常的に計上される売上収益)14,415百万円(前期は12,401百万円)、同比率79.9%(同80.6%)、期末時点のクラウドソフト社数は9,051社(同5,381社)、うち新規獲得社数は3,077社(同2,212社)、クラウド化率は24.0%(同15.3%)、ライセンス数は14,034(同8,156)、ライセンス平均月額売上は24,319円(同22,178円)となり、堅調に推移したと言える。

2. 財務状況
2024年12月期末の財務状況について、流動資産は8,211百万円(前期末比1,157百万円増)となった。主に現金及び現金同等物の増加386百万円、クラウド型「.cシリーズ」への移行が進んだことによる営業債権及びその他の債権の増加654百万円、棚卸資産の増加85百万円などによる。非流動資産は31,684百万円(同1,987百万円増)となったが、主に有形固定資産の減少320百万円、開発に伴うソフトウェア資産の増加による無形資産の増加2,458百万円、その他金融資産の減少193百万円などによる。その結果、資産合計は同3,145百万円増加し39,894百万円となった。

負債の部では、営業債務及びその他の債務が31百万円減少、契約負債が3,117百万円増加、短期有利子負債が997百万円減少、長期有利子負債が117百万円減少したことなどから、負債合計は前期末比2,488百万円増加し16,751百万円となった。契約負債が増加したのは、クラウドソフトウェアの5年一括払いによる前受け金が主な要因である。資本の部では、親会社の所有者に帰属する当期利益の計上などにより、資本合計は同657百万円増加し23,143百万円となった。



■今後の見通し

2025年12月期はクラウド化がさらに進み、122.5%の営業増益予想。顧客ニーズに合わせて製品・サービスを一段と強化

● 2025年12月期の業績見通し
2025年12月期の連結業績については、売上収益20,100百万円(前期比11.4%増)、営業利益1,500万円(同122.5%増)、税引前利益1,500百万円(同175.3%増)、親会社の所有者に帰属する当期利益1,000百万円(同191.3%増)を見込んでいる。

前期に引き続きクラウド化が順調に進む見込みであることから、収益性(利益率)も改善し大幅増益予想となっているが、当初の中期経営計画よりは若干下方修正された数値になっている。しかしこれは、当初の2年間の「.cシリーズ」の販売を通して得た顧客からの要望や改善点を考慮し、2024年にはさらなる製品改良を進めたことなどによるもので、事業環境の変化(競争激化等)によるものではない。

営業利益の増減要因を予想すると、売上増で同2,055百万円増、売上原価の増加で同466百万円減(うちクラウド償却費の増加で476百万円減)、人件費増で同235百万円減、ITインフラ費の増加で同276百万円減、セキュリティ強化で同99百万円減、その他費用の増加で同153百万円減となった。

区分別の売上収益は、クラウドサービスが11,300百万円(前期比45.2%増)を見込んでいる。中分類(内訳)としては、クラウド契約への転換に伴いソフトウェアサービスが10,700百万円(同48.7%増)、マーケットプレイスは600百万円(同2.7%増)となる見込み。

パッケージシステムの売上収益は8,800百万円(前期比14.3%減)を見込んでいる。整備業・鈑金業だけでなくその他業種向けについても順次月額サブスクリプション契約に転換することに伴い、ソフトウェア販売が2,600百万円(同28.4%減)を見込んでいる。また、クラウドソフトウェアへの移行に伴い、運用・サポートは6,200百万円(同6.5%減)と引き続き減収となる見通しだ。

主要なKPIであるライセンス数(標準版)は18,000(前期末は12,459)、ライセンス平均月額売上は26,500円(同24,319円)、クラウド化率35.0%(同24.0%)を計画している。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)


《HN》

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