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投資の行動心理学ジェイク・バーンスタイン/青木俊郎 東洋経済新報社本書は投資について心理学的側面からアプローチし、主として トレーダー個人の心理的・内面的な課題とその解決方法につい て整理したものである。 各章ごとに簡潔なまとめがあり、読みやすい構成となっている。 心理学のフロイト学派とファンダメンタリズム、行動心理学とテク ニカル分析を、それぞれ原因を究明しようとする態度、表面に あらわれた現象のみを重視する態度という面で似通っていると いう指摘は興味深いものであった。 自分自身が定めたトレードのルールを守れないのはどうしてなのか。 大切なのは、自分自身をよく知ることであり、様々なテクニックを知る ことだけではないという指摘は体験的にも実にそのとおりであると 感じた。 トレードの記録をつけ、自分のトレード計画的に実行すること、 失敗の原因を明らかにすること、人を頼りにせず、一貫性を持って 感情を制御し、自分に正直であることなど、指摘されている内容は それぞれもっともであり、学ぶところが多い。しかしながら、それを完 璧にやりきることは非常に困難でもある。 自分自身の弱点、不得手な部分を自分なりによく認識しておくこと ぐらいならば可能であり、本書を参考にしつつそうしたことを考えて みることだけでもかなり意味があることだと感じた。 なお、本書には投資家指数測定のチェックリストが用意されている。 私自身は、設問の解釈なり理解のしかたにもよるのだが、28点満点 で18点〜21点というところであった。もう一歩の精進が望まれるとい うあたりである。 本書でふれられている心理学的な知見は、さして目新しいものでは なく、いわば心理学では「基本」とされているような内容が多いように 感じられた。そうであっても、いや、そうであるからこそ、本書の助言 は一般化できる普遍性をもちえているように感じられた。 しっかり読み込めば、自分自身の理解を深めるために役立つ一冊だ と思う。 (ふしみん 公務員 40代)
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