資源とひとことに言っても、その数はかなりあります。ただ、投資家の視点から大きく分類すれば、『エネルギー資源』と『鉱物資源』の2つになるでしょう。そこで、本書では、『エネルギー資源』と『鉱物資源』を探査・調査し、資源を探り当て、資源需要国に供給する企業の株式を“資源株”として紹介します。具体的に言うと、石油・ガスメジャーや総合資源メジャー、金鉱山企業、銀鉱山企業になります。
ここからが本題です。“資源”は果たして見込みがあるのか。その判断材料になりうる話を簡単に紹介します。
資源株に焦点を当てるとき、重要になるのが世界情勢です。情勢を考えるうえで、見るべきポイントはいくつかありますが、その中で特に注目すべきは「新興国の高度経済成長」です。事実、2008年現在、「人口の増加→生活活動の活発化(=高度経済成長)→資源の需要増加→資源価格の高騰」という図式が浮かび上がっています(特に、中国のインパクトはすさまじい)。冒頭に説明した原油価格の100ドル突破のほか、金価格の高騰などは、この図式を端的に表した代表例といえます。
もちろん、リスクもあります。主なリスクとしては、「商品相場による影響を受けやすい銘柄がある」「資源バブルが発生する可能性がある」「資源価格の高騰が続くと、やがて代替・エネルギー、代替素材などの開発と置き換える整備が整い、いつかは長期的な資源相場も終わりを迎える」が挙げられます。しかし、これらのリスクは“予測されているリスク”であることも事実です。人口増加のようにすでに“起きたこと”ではありません。「人口の増加→生活活動の活発化(=高度経済成長)→資源の需要増加→資源価格の高騰」のように、“まず間違いなく起こること”ではないのです。
以上を踏まえて考えると、リスクを頭に入れておくことを前提に、あくまでも“中期”で考えるのであれば、「資源は見込みがある」と言ってもよいのではないでしょうか。
本書では、「資源株とは何か」はもちろん、資源争奪のM&A合戦、新興国の高度経済成長の影響、各資源(原油や天然ガス、鉄鉱石、レアメタル、貴金属など)の概要や需要動向、需要推移、価格推移などの紹介、資源株を買うに当たっての口座開設の仕方、お勧めの資源株紹介、資源株においての情報収集方法など、“資源株投資”に必要な情報を余すことなく紹介しています。
新興国の経済成長を考えれば、まだ伸びる余地があると考えられるのが“資源株”です。“うわさ”が“事実”に変わる瞬間を目撃できる可能性は十分に考えられると思います。
第2章 資源株の基本情報
エネルギー資源について
鉱物資源(鉄鉱石)について
非鉄金属(ベースメタル)について
非鉄金属(レアメタル)について
貴金属について
第3章 世界資源株を買うための証券口座の開設
口座開設の3つの方法について
フィリップ証券(香港)で口座開設
郵送での口座開設
日本での証券会社を活用する
第4章 注目のお勧め資源株16銘柄
概要(企業紹介を始める前に)
第5章 世界資源株の情報収集の方法
MarketWatch from DOW JONESを利用しよう!
JOGMECをチェックしよう!
第6章 投資信託を通じて資源株に投資する
FPIの月掛けプランと一時払いプランを利用する
アルテミスシルバー・ファンドを利用する
付録1 世界資源メジャーデータ集
付録2 読者プレゼント
おわりに
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