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矢口新 なぜ株価は値上がるのか? 相場のプロが教える「利食いと損切りの極意」

なぜ株価は値上がるのか? 相場のプロが教える「利食いと損切りの極意」

矢口新
パンローリング
四六判 304頁 2006年10月発売
本体 2,800円  税込 3,080円  国内送料無料です。
この商品は 11月11日に 発送できる予定です。 (発送可能時期について)
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読者のご意見

『生き残りのディーリング』の著者であり、
日本株の歴史的底入れ到来を的中させた
矢口新の名著『値上がる株に投資しろ!』を増補改訂!!

マーケットの真の力学を解き明かし、具体的な「生き残りの銘柄スクリーニング術」を指南する
投資家・トレーダーのための「実用的」な株の教科書

ファンダメンタルズにもテクニカルにも
短期売買にも長期投資にも
リスク管理にも資金管理にも
強力な論理的裏付けを提供

はじめに

皆さんの周りで「株で儲けた」という話が増えてきたことと思います。
2003年4月に大底をつけた日経平均やTOPIXは、2006年9月の時点で、約2倍になりました。個別銘柄のなかには、その2?3年で数倍に値上がりしたものも珍しくありません。また、IPOへの応募も、儲かる確率が高いということで、ちょっとしたブームになりました。
そういった「おいしい話」を身近に聞く機会が増えてくると、自分にも儲けられるチャンスはないものかと心が揺れ動いてしまうのは自然の成り行きです。なにしろ、その期間に預貯金は、ほとんど金利を産まなかったのですから。
一方で「投資」や「投機」という言葉に、いまだに抵抗のある方々もいらっしゃることでしょう。しかし、日本の「物づくりの国」としての成熟度、少子高齢化という社会的な成熟度を見ていると、投資や投機は私たちの生活に、より一層身近なものになってくると思われます。
このあたりで本気になって「株式」というものを一から学んでみるのはいかがでしょうか。

株価変動の本質

また、株式投資のベテランの方々であっても、投資と投機の違いや、リスク管理について、もう一度本書で復習していただきたいと願っています。

「株価が上げ下げするのは、なぜ?」

こういったことを本気で考えてみたことがあるでしょうか? 人間、年を取り、社会での経験もいっぱしになってくると、いまさら基本を学ぶことなどちゃんちゃら可笑しくもあり、気恥ずかしくもあることでしょう。
でも、ご安心ください。百戦錬磨のプロのディーラーも、高名なエコノミストも「なぜ、株価が値上がるのか?」を満足に説明できる人はほとんどいません。私自身も、いろいろな書物を読み、さまざまな国籍の諸先輩方に尋ねたものです。しかし、ついぞ満足な答えには行き当たりませんでした。
とはいえ、私は人より「ねちっこい」性格だったのでしょうか。ディーリングという自分の売買のなかから「価格変動の本質」を見つけ出し、その仮説を1990年に出版した最初の著書で世に問いました。本書では59ページから解説している部分です。
思えば、一介のディーラーが大層なことをしたものです。しかし、その仮説は私が知るかぎり、証明も否定もされていません。
私は現場たたき上げです。ですから、それは学問的には無視される内容なのかもしれません。ところが、実際に売り買いをしていると、その仮説は相場の理解に非常に役立っているのです。
私は1988年ごろから、相場のすべての動きにその仮説を当てはめています。相場観も、リスク管理も、なにもかも、本書で紹介されている「価格変動の本質」をベースに組み立ててきました。
やはり現場は現場です。私の書いたものをもっとも認めてくれているのは、プロのディーラーや自分で売買している人たちです。本書は「株式投資でいかにリターンを上げるか」を追い求めている方々のための本なのです。

本書の構成

しかし「そうか、大事なのは価格変動の本質か」と、いきなり59ページに進まないでください。より理解を深めていただくためにイントロ部分を用意しました。
第1章では「なぜ株価は動くのか」を解き明かし、株価の変動要因を「構造的(継続的)」「投機的(目先的)」に分類して解説をしています。

第2章では株式市場で注目すべき材料を説明し、「投資勘定(余裕資金など)」と「投機勘定(信用取引など)」に分けて対応の仕方を述べました。

第3章は株式入門者の素朴な質問というかたちで、前の二つの章で触れられなかったところや、復習として理解を深めていただきたいところを埋めています。
第1〜3章は初心者の方々にも分かりやすく理解していただくため、証券会社のトレーニー(研修生)と先輩ディーラーとの対話形式で進めました。初心者の方が疑問に思うかもしれないような点をトレーニーの口から先輩ディーラーに質問させています。ベテランの方でも、新しい発見があることでしょう。
市場動向を伝えるために引用した新聞記事は、2002年に出版された本書のオリジナル版『値上がる株に投資しろ』では実際の日付を用いました。しかし、もともとXデーの記事で十分でしたので、改訂版では20XX年の記事としています。日付は気にしないでください。

第4章は実際に資金を運用するときに最も重要な点「リスク管理」の大切さを説いています。
私たちが投資理論を学んだり材料を吟味したりするのは、自分の行動に筋道をつけ、確信を持つためです。そうすれば仮に間違っていたとしても、自分の行動の跡を分析して、再チャレンジができます。
何度か間違うかもしれません。しかし、そのたびに何かをつかみ、上達することができるのです。そのためには自分で納得して行動する必要があります。本書の第1〜4章は、価格変動の性質を理解し、結果として取る自分の行動に納得してもらうために書きました。
とはいえ、いかに理論武装をしても、どのように自分の行動に納得していても、儲けることができなければ話になりません。リターンが読めなければリスクを取る意味がないと言えます。自己満足で楽しむだけならば、他にいくらでも安価な手段があるでしょう。

そこで第5章では「実用的なテクニカル分析の利用法」について述べました。

さらに第6章では「ならば値上がる株をどのようにして見つけるのか?」を具体的に述べています。
なお、分かりにくい専門用語については『相場力アップドリル【株式編】』(パンローリング・2005年)に用いた用語集を中心に脚注をつけました。
基本を学ぶのは上達への近道です。また、基本に立ち返るのはスランプ脱出のための有効な方法です。自分で売り買いしないエコノミストやアナリスト(彼らは相場ではなく、経済や企業分析の専門家なのです)はともかく、百戦錬磨のプロのディーラーたちは、うまく説明できない職人気質の人でも、基本に忠実な身のこなしをしています。
私はより多くの方々に、私が言うところの基本を理解していただき、株式市場で起きていることの知識を深めていただきたいと思っています。そして他人事であった「おいしい話」を身近なことにしてもらいたいのです。また、そういった知識があれば「元本保証で高利回り」などといった、あり得ない手口の詐欺にかかることもなくなります。
株式投資は株価の未来を予測します。「明日を読む」ことだと言えます。明日を読んでリスクを取ることは、明日を信じることでもあります。リスクはうまく取りさえすれば、必ず見返りをくれるのです。

矢口 新



■著者紹介

矢口 新(やぐちあらた)
豪州メルボルン大学卒。日米欧の大手金融機関の為替、債券のディーラー、機関投資家セールスとして東京、ロンドン、ニューヨークの三大市場に勤める。2002年5月、株式会社ディーラーズ・ウェブ創業。証券投資顧問業、関東財務局長第1647号。著書『生き残りのディーリング』、『なぜ株価は値上がるのか?』、『矢口新の相場力アップドリル(為替編)/(株式編)』(以上パンローリング)、『株を極める! リスク管理・資金運用』(日本実業出版社)など多数。

目次

株価変動の本質
本書の構成

第1章 株価を動かす要因を知る

1.何が株価を動かすの?
株価急落の日
下落要因を記事から探る
2.株価を動かす要因

第2章 株式市場で注目すべき材料

トレンドラインと投機筋
1.企業業績
サプライズ
2.社会的評判
3.投資家動向
出来高
バブルは崩壊する
4.景気動向
5.金利
金利と株価の関係
6.財政
7.為替レート
8.原油価格
原油高の影響
9.国際情勢
10.国内政局

第3章 株式入門者の素朴な疑問

第4章 リスクマネジメント

1.リスクは避けるものではなく、うまく管理すべきもの
リスクの管理
2.姿を消したスーパーディーラー
3.市民権を得た「損切りの徹底」
4.評価損は実現損よりも性質が悪い
5.損はでるもの。そして、損は切るもの
6.勝負は潮の流れに乗れているときに行うもの

第5章 テクニカル分析の利用

チャートの有用性
1.「素」のチャート:ローソク足とバーチャート
2.トレンドライン
3.移動平均線
4.オシレーター系のテクニカル指標
5.一目均衡表
6.パラボリック
7.ボリンジャーバンド
8.新値足、かぎ足、ポイントアンドフィギア
9.「素」のチャートとテクニカル指標の使い分け

第6章 値上がる株の見つけ方

1.銘柄検索
他人任せの銘柄選択
自分で行う銘柄選択
出来高に注目する
投資か、投機か
2.チャート分析
スペック(仕手、材料株)の兆候を示すチャートの形状
パニックの兆候を示すチャートの形状
天底確認を暗示するチャートの形状
3.勝負は利食いでつく

あとがき――踏み出すところからすべては始まる

(現代の錬金術師シリーズ)

読者のご意見

この本は、「なぜ株価が値上がるのか?」という観点にたって相場について、解説されている。

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