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フィスコ投資ニュース

配信日時: 2026/07/03 12:07, 提供元: フィスコ

ヤマノHD Research Memo(7):2027年3月期に既存事業で売上高145億円を計画(1)

*12:07JST ヤマノHD Research Memo(7):2027年3月期に既存事業で売上高145億円を計画(1)
■ヤマノホールディングス<7571>の中長期の成長戦略

1. 成長戦略の枠組み
同社の成長戦略は、2030年ビジョン「従業員が投資したくなる会社へ」の実現に向けて、2段階の中期経営計画として構築されている点に特徴がある。2025年3月期から2027年3月期までを「つなげる」をテーマとした第1フェーズ、2028年3月期から2030年3月期までを「ひろげる」をテーマとした第2フェーズと位置付けている。

前半の「つなげる」フェーズでは、将来の成長を可能にするための経営基盤の強化を最優先課題としている。具体的には、「人財」「事業」「資本」の3つの側面から改革を進め、人的資本を起点とするGoodサイクルを確立することで、持続的成長の土台を固める段階と位置付けている。一方、後半の「ひろげる」フェーズでは、この基盤を前提として、事業承継型M&Aの加速、新規事業領域の拡張、事業ポートフォリオの高度化を通じて、成長スピードを引き上げる構想である。同社の成長戦略は、短期的な規模拡大ではなく、基盤構築から成長加速という時間軸を明確に意識した段階的アプローチを採用している点に戦略的合理性がある。

2. 「中期経営計画−Tsunageru2027」の重点取り組み
同社は中期経営計画「Tsunageru2027」において、「事業ポートフォリオの最適化」「人的資本をより活かす経営」「資本コストや株価を意識した経営」の3つを重点取り組みとして掲げている。また、利益指標としてEBITDAを重視し、既存事業の収益性改善と事業承継型M&Aの両輪による成長を基本戦略としている。2027年3月期の目標として、既存事業では売上高145億円、EBITDA4億円を計画しているほか、M&Aによる上積みとして売上高30〜40億円、EBITDA3〜4億円を見込んでいる。財務目標としては、EBITDAマージン5.0%以上、ROE15.0%、エクイティスプレッド7.0%以上、PBR2.5倍以上を掲げている。

第1の重点施策である「事業ポートフォリオの最適化」では、コアバリューセグメントとニューバリューセグメントの役割を明確化している。コアバリューセグメントは和装宝飾、美容、ライフプラスを中心とした安定収益とキャッシュ創出の基盤であり、収益構造の改善や事業効率の向上を通じて全社収益を支える役割を担う。一方、ニューバリューセグメントは教育、リユース、フォトを中心とした成長領域であり、高収益事業の拡充と中長期的な成長を担う位置付けである。同社はこの2つのセグメントを両輪として運営することで、収益力と企業価値の持続的向上を目指している。

第2の重点施策は「人的資本をより活かす経営」である。同社は事業承継型M&Aを通じて多様な人材や企業文化を取り込んできたことから、それらを競争力へ転換することを重要課題としている。人材育成や組織力向上に加え、グループ内の知見共有やPMIを通じた組織統合を推進することで、事業ポートフォリオの拡充を支える経営基盤の強化を進めている。

第3の重点施策は「資本コストや株価を意識した経営」である。同社はROEやエクイティスプレッドの向上を通じて資本効率を高めるとともに、PBRの改善を重要な経営課題として位置付けている。また、補正後EBITDAを重要KPIとして活用し、一過性要因やM&A関連費用を除いた実質的な利益創出力の向上を重視している。事業運営と資本市場との対話を一体的に進めることで、事業価値と市場評価の双方の向上を図る方針である。

このように、「Tsunageru2027」は、コアバリューによる安定収益基盤の強化とニューバリューによる成長領域の拡大を軸に、人材活用と資本効率向上を組み合わせながら企業価値向上を目指す中期成長戦略と位置付けられる。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 中西 哲)


《HN》

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