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著者は、タートルズ関係の本を出している、マイケル・W・コペル。
序文から、ラリー・ハイトの登場と、マーケットの魔術師(青)の大ファンである私は驚くと共に、期待感で胸が弾みました。
本書は大まかに、二つの内容に分かれます。
パート1.2はトレンドフォロー戦略とトップトレーダーのインタビューと著者の考察。
パート3.4はリスク管理、メンタル、行動ファイナンス。
このパート1の二章にトレードフォロワー達が紹介されていますが、凄いトップトレーダーばかりで、著者の人脈には驚かされます。中でもエド・スィコータ。
「トレンドフォローは常に存在する今という瞬間を観察し、それに反応する運動だ。 将来を予測するトレーダーは、存在しない場所の事をあれこれ考える.行動する能力をそこに止めておけばおくほど、現在行動する機会を逃す可能性がある」
「不確実性を無くす事ができる方法はない」
など、本書でも、忘れられないような簡潔で、明確な言葉を残してくれます。 彼の言葉は、探しても「マーケットの魔術師」だけだったので、今回、また新しい言葉を読めた事はとても嬉しく思いました。
パート2の4章、大損失例は破綻したLTCMからの例を挙げ、ただの失敗例だけでは終わらせず、誰が負け、誰が勝ったのか、という一歩踏み込んだ所まで考察しています。
そして、終わり近くのパート4の10章。 トレーディングシステムの項。 まだ自分のルールが決まっていない、自分のルール作りで迷っている人にとっては日所に参考になる事が、随所にあります。 基本的なリスク定義、資金管理など、基礎となるヒント、そしてそれらを明確にする語りかけなど、非常に勉強になる項でした。
巻末の付録もただの付録ではなく、トレンドフォローを理解する上でのデータが満載です。手法的なことも最後にちらりと載っていますが、全体的な印象は、手法ではなく、内面的な考え方、メンタルに比率をおいている著作だと思います。
(falco 会社員 30代)
この本では、500ページ以上のわたって、ひたすら「トレンドフォローはすばらしい」ということを、他のトレーダー(ボストンレッドソックスのオーナー、ジョン・ヘンリーなど)が話す例を引き合いにだしながら述べています。
そして、それに相反すると考えられる投資法である「バイアンドホールド」戦略をこき下ろしています。
具体的な戦略については、たったの一例だけのっていますが、これが今でも儲かる戦略かというと、確かなことはいえないと思われます。ですから、この本で具体的に勝てる戦略を探すことは、間違いであると思われます。この本はそういう本ではなくて、トレンドフォローという戦略があるということを知らない人や知っていても懐疑的な人に対して、その長所を知らせるという意味を持っていると思われます。
この戦略で長い間成果を上げているトレーダーは、株価指数、債券、商品、為替などの多くの市場に投資しています。よって、同じように多くの市場に投資ができ、さらに成果が上げられればいいのですが、個人ではなかなか難しいのかなと思います。そこで、個人でもできることは、日本の証券会社でも売っているトレンドフォローのヘッジファンドを買うことです。スーバーファンドなどは、現在(2010年)でも買えるはずです。これに対してすべての資金を投入するのではなく、ポートフォリオの一部として保有しておくのがいいと思われます。または、トレンドが出現している状態の市場にそのときだけ投資するという方法も考えられます(例;2008年原油・為替など、2010年ユーロドルなど)。
この本は、特に2008年に大損した投資家におすすめしたいと思います。トレンドフォローのヘッジファンドは、2008年において大儲けしているのですから。
(bblue 会社員 40代)
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