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ジャン=フランソワ・マルミオン/金丸啓子 [フランス発]美の研究 人は見た目で得をする

[フランス発]美の研究 人は見た目で得をする

ジャン=フランソワ・マルミオン, 金丸啓子
パンローリング
四六 312 pages, released in Apr. 2021
1,760 yen (including tax 160 yen) , Free shipping fee to Japan.
This product will be shipped on Jan. 27.

  

フランス人が語る人間の美

本書では、雑誌編集長ジャン=フランソワ・マルミオンが、哲学・心理学者などフランスを代表する28人の意見を集め、人の美醜について私たちがどのように感じているか、その歴史や現状を研究する。

美の対象は顔、身体、ヘアスタイル、タトゥー、ファッション、美術作品など多岐にわたるが、主要対象は人そのもの。人が自分を美しく見せるために重ねてきた方法や努力を分析し提示することに中心をおいている。 とくに美学の研究者、美術やファッションその他のアートに関わるプロや、それらに関心を持つ一般の読者は、美醜に関する価値観の文化的・歴史的な幅や変遷について知り、自ら判断するための基準を得ることができるはず。

私たちは、自らを美しく見せることで、恋愛や就職・昇進を勝ち抜き、SNS上で評価を高め、子供たちですら仲間内での競争に負けないよう、日々努力を重ねるが、そもそも人はなぜ美しいものが好きなのか。 本書はその問いに答える一冊だ。

[原題]PSYCHOLOGIE DES BEAUX ET DES MOCHES


本文「顔よ、ああ美しき顔よ」より

顔を魅力的にするものとは、いったいなんだろうか? 人それぞれ、顔の美しさと魅力の評価は明らかに異なっている。十人十色と考えるなら、茶色の瞳より青い瞳がいいというように、だれもが個人的経験から顔の特徴の好みをあれこれ挙げるだろう。さらに、身体的な美しさの好みは歴史とともに変化しており、文化によってもかなり異なる。だが、冒頭の問いを特に心理学にもとづいて研究すると、この仮説は非常に限られた範囲でしか立証できない。

実験データに照らしてみると、個人間や文化間の差異はごくわずかにすぎず、社会的背景、文化、性別、年齢の枠を超えて広範囲にわたる見解の一致が見られる。ここでまず、こうした見解の一致は、基本的には顔の「絶対的」魅力(この顔に魅力を感じるかどうか)よりも「相対的」魅力(ある顔が別の顔と比べて魅力的かどうか)を対象としていることを確認しておきたい。言い換えれば、顔写真を魅力的なものからそうでないものへと順番に並べてもらうと、選ぶ側の性別や年齢、文化的背景、さらには選ばれる顔の性別、年齢、人種などにかかわらず、その結果は似たような並べ方になる。

つまり、顔の魅力を決めるとき、私たちは共通の基準を用いてきたようだ。だが、それはいったいどんな基準なのだろう? 現在ではある程度明らかになっている。まず、顔の特徴のなかには、サイズと形の違いによって魅力を高めたり損ねたりするものがある。そういった特徴はたくさんあるが、いくつかの大きなカテゴリーに分類できる。ネオテニー(幼形成熟)、成熟、老化、表情、手入れなどだ。このうち最初の3つのカテゴリーは、年齢と結びついた身体的特徴の変化に左右される。


監修者紹介

ジャン=フランソワ・マルミオン(Jean-François Marmion)
心理学者。心理学専門誌『ル・セルクル・プシ(Le Cercle Psy)』編集長。編著に『「バカ」の研究』(亜紀書房)、『Histoire universelle de la connerie』などがある。

目次

内面の美しさなんて、あり得ない!
ジャン=フランソワ・マルミオン

顔よ、ああ美しき顔よ
ジャン=イブ・ボードワン、ギー・ティベルギアン

美とステレオタイプと差別
ペギー・シェクルーン、ジャン=バティスト・レガル

「規範と恋に落ちたりはしない!」
ジャン=クロード・コフマン

きみの毛はステキだね
クリスチャン・ブロンベルジェ

ソーシャル・ネットワーク上の自己演出―美醜を超えて
ベルトラン・ネバン

外見至上主義の子どもたち
グザビエ・ポムロー

美しき性、そして醜さ
クロディーヌ・サガート

道徳化された身体
イザベル・クバル、フロランス・モト

美しいもの以外を愛せるか?
リュボミール・ラミ

美と醜さと職業生活
ジャン=フランソワ・アマデュー

美しさと醜さ―差別禁止法にもとづくアプローチ
ジミー・シャリュオ

狂乱の時代―変容する身体
ジョルジュ・ヴィガレロ

「ファッションの世界では、美しさは時代遅れだ」
フレデリック・ゴダール

特異な身体に美しさを感じとる
ダニエル・モワズ

醜形恐怖症、あるいは容姿の欠陥に対する強迫観念
カリーヌ・マジダラニ

身体装飾の美しさにおける両義性
ダビッド・ル・ブルトン

美容整形の光と影
アガット・ギヨ

ボディーアート―芸術作品としての人体
フロリアーヌ・エレーロ

タトゥー―入れ墨の来歴
アガット・ギヨ

動物美
ジャン=バティスト・ド・パナフィユ

自然の美と人工の美
フレデリック・モネイロン

芸術は人類の源である
ジャン=ピエール・シャンジュー

審美家としての脳の肖像
ピエール・ルマルキ

スタンダール症候群―作品が心を貫くとき
ロミナ・リナルディ

現代美術に試される美的価値
ナタリー・エニック

執筆者一覧
原注


(フェニックスシリーズ120)

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