| お子様向け短めの講談を楽しんでください♪ 
近頃、注目を浴びているのが日本の伝統話芸「講談」。
 子供にもわかりやすい講談の入門編。
 旭堂南湖の新作講談特集。
 こども講談、第十巻目。これまで主に、古くから伝わっている講談を読んできましたが、今回は新作講談特集です。すべて、旭堂南湖が作った講談です。講談というのは、自由に作っていいのです。みなさんも、自分のこと、自分が大好きなこと、反対に大嫌いなこと。なんでも構いません。この新作講談を参考にして、自由に、楽しんで、面白い講談を作ってみましょう。
 
 自伝的講談「誕生日」。
 こんな音楽家がいたんだよ、「ジャズ講談 ラサーン・ローランド・カーク伝」。
 パロディの中に希望の光あり「アナザーワールド モシモ犬糞ナカリセバ」。
 山口県にあるハート型の島の物語「祝島」。
 作者はインド人!?「ガンジス河の仇討ち」。
 特典として、講談台本PDFがダウンロードできます。
 講談を覚えて、声に出して読んでみよう。
 これを参考に、自分で新作講談を作ってみよう。
 
 これさえあれば、わたしも講談師になれる!!
 それでは、はじまり〜、はじまり〜。(パンパンッ)
 内容紹介
「誕生日」(19分)誕生日と申しますとめでたいな、幸せだなと思われるかもわかりませんが、世の中には祝ってもらえない悲しい誕生日というのがございます。
 例えば四月一日。エイプリルフールですから信じてもらえない。
 「今日、僕の誕生日やねん」「嘘やろ」
 これでしまいですからね。もっと可哀想なのが十二月三十一日。大晦日。バタバタしていて祝う暇がない。
 「お母ちゃん。誕生日ケーキが食べたい」
 「忙しい」
 「ケーキが食べたいな」
 「こないだ食べたやろが。クリスマスに」
 「あれはクリスマスケーキ。誕生日ケーキが食べたい」
 「何言うてんの。あれ誕生日ケーキやないか。キリストの」
 「いやいや、僕の誕生日ケーキは?」
 「うるさいなあ。蕎麦でも食べとき」
 「蕎麦とケーキは全然違う」
 「モンブランやと思うて」
 「モンブランと蕎麦は全然違う」
 大晦日が誕生日というのもあんまり嬉しくないもので。そういう私も実に悲しい誕生日でした…。
 
「ジャズ講談 ラサーン・ローランド・カーク伝」(21分)ジャズというのは面白いですね。
 好きな作品で、山下洋輔さんの「ピアノ炎上」というのがあります。グランドピアノを燃やすんです。そして、防火服に身を包んだ山下洋輔さんが、その燃え盛るピアノを弾くんです。炎のためにピアノ線が切れていき、次第に音が出なくなっていく。ついにはすべてのピアノ線が切れ、演奏が終わるという前衛的な作品です。
 非常に面白いなあと思いまして、私もやってみることにしました。題して「釈台炎上」。講談は、前に釈台という机を置いて、張扇で叩きながら読みます。私もこの釈台をいくつも持っていますが、なかに古くなって傷んでいるものもあります。それを前に置きまして、燃やしながら講談を読んでみようと考えました。
 火を使いますから野外公演です。実際にやってみてびっくりしましたよ。釈台は燃えやすいですね。三秒も経たないうちに炎が広がりまして、一言も喋る間がなかったです。危うく焼死しそうになりました。さて、ラサーン・ローランド・カークの物語…。
 
「アナザーワールド モシモ犬糞ナカリセバ」(17分)先日、旭堂一門で集まりまして、
 「大阪で一番有名な講釈師は誰か」
 議論をした結果、後藤一山であると決まりまして、今年から旭堂改め、後藤一門になることになりました。
 冗談ですが…。
 後藤一山というのは、『くっしゃみ講釈』という落語に出てくる講釈師です。
 あらすじを申しますと、一山先生が道を歩いているとき、犬の糞を踏んでしまった。草鞋を脱いでこの糞を壁に擦りつけて取ろうとすると、拍子の悪いことにここに立っていたのが喜六という男。顔に糞をつけられて一山先生を恨んだ。喜六が講釈場へやってくると、一山先生が高座で講釈を読んでいる。当時、客席には火鉢が置いてあった。やかんを乗せたり、寒いときには手をあぶったり。この火鉢の中へ唐辛子の粉を入れます。すると、火鉢から煙が立ち上り一山先生の鼻に入ります。すると、くしゃみが止まらなくなり、講釈を読むことができなくなるという。講釈師がいじめられる嫌な落語です…。
 
 
 
「祝島」(36分)大阪はふぐの消費量が日本一です。冬になりますとてっちりを食べます。てっちりとはふぐ鍋のこと。
 ふぐのことを鉄砲といいます。たま(弾)に中(当)る、中(当)ると死ぬというシャレになっています。
 鉄砲のちり鍋でてっちりです。ふぐの産地として有名なのが山口県下関市。鎌倉時代、この辺り一帯の海を荒し回っていた海賊がいました。そこで幕府は三つの関所をこしらえた。京の都に近いところから、上の関所、中の関所、下の関所。これが現在の上関、中関、下関です。下関はふぐで有名です。上関には祝島という島があります。島の周囲十二キロ、ハート型の小さな島が海に浮かんでいます…。
 
「ガンジス河の仇討ち」(18分)以前インドに行ったとき、カーン君という作家志望の青年に会いました。彼が面白い青年で日本の時代劇が大好き。日本に一度もきたことがないのですが、私よりも時代劇のことをよく知っている。彼に、「何の仕事をしているのか」と聞かれましたから、「講談師だ。日本の伝統的な語り部だ」と言うと、「インドにも講談のような芸能はある。ぼくは作家志望で物語を考えるのが好きなんだ」
 そんな話をしました。インドから日本に帰ってきてしばらくすると、カーン君がメールを送ってきまして、「講談を書いたから読んでほしい」
 それが今回お話する『ガンジス河の仇討ち』という一席。作者はカーン君です。ですから面白くなかったときには、カーン君に文句を言ってほしいと思います。
 さて、時は江戸時代…。
 
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 を印刷可能なPDFでプレゼント!
 
 ※商品版の音声と一緒にダウンロードいただけます。
 旭堂 南湖(きょくどう なんこ) プロフィール
講談師。1973年生まれ。
 滋賀県出身。
 大阪芸術大学大学院修士課程卒業。
 
 1999年、三代目旭堂南陵(無形文化財保持者・2005年死去)に入門。
 2003年、大阪舞台芸術新人賞受賞。
 2010年、文化庁芸術祭新人賞受賞。
 2015年、『映画 講談・難波戦記-真田幸村 紅蓮の猛将-』全国ロードショー。主演作品。
 2019年、CD「上方講談シリーズ4 旭堂南湖」発売。「血染の太鼓 広島商業と作新学院」「太閤記より 明智光秀の奮戦」収録。
 
 ZOOMを使った「オンライン講談教室」も好評。
 講談や怪談の語り方をマン・ツー・マンで懇切丁寧に指導し、普及に努めている。
 
 講談師・旭堂南湖公式サイト https://nanko.amebaownd.com/
 Twitter http://twitter.com/nanko_kyokudou
 
 
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