毎年、驚異的な的中率を誇るレイモンド・メリマン氏による年間予測本『フォーキャスト』。その2014年版では、頻繁に“challenge”という言葉が登場しました。その中には「挑戦」という言葉では表現できない“challenge”もあり、我々はそこに「試練」という言葉を当てはめました。
メリマン氏自身の分析に降りかかる“challenge”≒「試練」―。まさしくメリマン氏の2014年相場展望の中に「試練」に晒された分野がありました。それは貴金属と穀物の展望であったと思います。
本書や、氏が主宰するMMA(メリマン・マーケット・アナリスト)で発行しているレポートでの相場の分析手法は「サイクル」「アストロロジー(占星学)」そして「テクニカル」の3本柱で構成されています。この3本柱から『フォーキャスト2014』で、氏は両市場の強気を予想していました。
しかし結果は両市場とも年間を通して下落。貴金属は「サイクル」と「テクニカル」の観点から、氏が当初想定していた最大のサポートラインが“challenge”に晒され、穀物は「アストロロジー」の観点から、氏が当初想定していたトレンドが“challenge”に晒されました。
恐らく、最新版『フォーキャスト2015』では、これらの“challenge”にメリマン氏がどう応えるか、そしてこれ以外の銘柄はどう動くのかという点に注目が集まります。その一部は、既にMMAサイクルズレポート等で公開されていますが、本書ではより体系的に整理された分析が掲載されるはずです。
一方、相場分析以外の分野でも2015年はアストロロジーの分野で注目される時間帯です。
そのなかで最大のトピックスは、2008年から始まった≪カーディナル・クライマックス≫が最終局面を迎えるという事。そのなかでも2015年3月で、このクライマックス後半における最大にして最強の天体位相である天王星・冥王星ワクシングスクエア(90度)が、全7回の正確なアスペクト形成を終えるという点は重要です。米国の量的緩和策(QE)など、このワクシングスクエア形成場面では相場の反転場面よりむしろ、国の方向性を変える決定が下されていました。金融アストロロジーにおいて、ある一定の期間を要する天体位相では開始と終了の時間帯(更に加えるなら中間点)が重要とされています。
カーディナル・クライマックスの開始時ではリーマンショックが起こりました。終了時である2015年に何らかの「ショック」が起こる可能性について、予め検討していく価値はあると思います。
更に最新のメリマンレポートでは、水星逆行発生時に水星が入居している天体サインの周期性と金融情勢との関連性について触れています。また氏はISAR(国際占星学研究協会)で『十字路に立つアメリカ』というタイトルで講演。古くから米国では、十字路(Crossroad)は悪魔が出没する場所であり、副題も『生き残るか、滅びるか、それとも変身するのか?』である事から、今後の米国(及び世界)にとって、分岐点となる時間が間近に迫っている様子が伺えます。
本書では、このような大局的な天体位相の解説から世界情勢や国際政治などの展望を予測。これにサイクルとテクニカル分析を織り交ぜて各金融・商品市場(米国債、日米株式、ドル、ユーロ、円、スイスフラン、貴金属、原油、穀物)の動向を予測していきます。
また、アストロロジーに関しては2015年の水星および金星逆行の解説に加え、今年も各星座別の個人の運勢を掲載します。 来年も、メリマン氏による様々な“challenge”にご期待下さい。
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