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リチャード・ブックステーバー/遠藤真美 市場リスク 暴落は必然か

市場リスク 暴落は必然か

リチャード・ブックステーバー, 遠藤真美
日経BP
四六判 447頁 2008年5月発売
本体 2,400円  税込 2,640円  国内送料無料です。
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投資のプロが選ぶオススメの一冊 Vol.179
サブプライム危機が表面化する直前に出版され、「サブプライム危機を予言した書」としてウォール街で大きな反響を呼んだリスク管理のプロの手による警告の書。

MITの経済学者から一転、時代の流れに乗ってウォール街に転じてデリバティブの開発に携わることになった著者は、1987年の株価大暴落であるブラックマンデーはモルガンスタンレーで、ロシア危機を引き金とした1998年のヘッジファンド、LTCM破綻はソロモンブラザーズで体験した。近年、頻繁に市場を襲うようになった金融危機の「犯人」は、「われわれ自身である」と著者は告白する。

つまり、リスクを分散させるデリバティブなど金融技術の発展によって金融市場はますます「効率的」になり、新興国の経済発展などグローバリズムを加速させ、永遠の繁栄を手中にしたかに見えたのだが、実は大きな脆弱さを内部に抱え込むようになったという。なぜか? 本書は、ウォール街のインサイダーである著者が、自己の体験を振り返りながら、金融危機の「犯人」を追跡し、危機を防ぐための方策を提案する。

日本に関してもかなり言及され、ソロモンの債券トレーダーとして一世を風靡した「シュガー」明神の金ぴかぶりや、金融危機で「優先株」を発行した邦銀の「ワナ」にひっかかり、大損した旧UBSのエピソードなども描かれている。


目次

第1章 はじめに―市場リスクのパラドックス
第2章 一九八七年の悪魔
第3章 町の新しい保安官
第4章 ソロモンはどのようにサイコロを振って、負けたのか
第5章 彼らはソロモンを買い、そして潰した
第6章 ロングターム・キャピタル・マネジメント―奈落へと続くレバレッジ・サイクル
第7章 巨大金融グループ
第8章 複雑性、密結合、ノーマル・アクシデント
第9章 ヘッジファンド―勇敢なる新世界
第10章 ゴキブリとヘッジファンド
第11章 ヘッジファンドの実在性
終 章 暴落は必然か
解説 サブプライム問題への回答 倉都康行

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