トレードにプライスアクション分析を取り入れる方法のひとつに、チャートパターンがある。そして、この手法をだれよりもよく理解しているのが、著者のアル・ブルックスなのである。彼はフューチャー誌に寄稿しているテクニカルアナリストで、独立系のトレーダーとしても20年以上の経験がある。彼は10年前、自身のトレードにおいて、指標を表示していない価格チャートを読むことこそが最も単純で、信頼でき、利益率も高いことに気がついた。そして、その規律を順守することによって、継続的に利益を上げられるようになった。本書は、彼が会得したプライスアクションの読み方を詳しく紹介したものである。
1日の終わりにチャートを見れば、それがEミニS&P500先物のローソク足チャートであっても、株式のバーチャートであっても、仕掛けポイントや手仕舞いポイントははっきりと分かる。しかし、これがリアルタイムになると非常に難しい。本書を読めば、トレンドラインやチャネルライン、前の高値や前の安値、ブレイクアウトやブレイクアウトがダマシになったことを利用してプライスアクションの読み方を会得することができるだけでなく、この手法が全体のリスク・リワード・レシオを向上させる理由も分かるだろう。
この信頼できる本は、真剣なトレーダーにとって必要な規律についても書かれている。このなかには、チャート上のすべての足を1本ずつ理解することの重要性、特定のパターンがセットアップとして信頼できる理由、リアルタイムでの仕掛けや手仕舞いポイントを見つける方法などが含まれている。本書では基本的な原理の説明には5分足のローソク足チャートを使っているが、日足チャートや週足チャートについても書かれている。また、数種類の株の銘柄を使った日中のスイングトレードや、日足チャートを使ったオプションの戦略についても詳細に見ていくことで、これらのトレードでさえプライスアクションのみを用いて実行できることを示している。
トレードは簡単ではないが、価格チャートの読み方を学び、信頼できるパターンを見つけ、自分に合ったマーケットと時間枠が分かれば利益を上げることができる。プライスアクショントレードには複雑なソフトウェアやたくさんの指標は必要ないが、この簡単な方法がほぼすべてのマーケットで利益を上げる可能性を高めてくれる。本書を読んで、その方法をぜひ会得してほしい。
本書で詳しく紹介する内容とは、以下のようなものである。
●トレンドラインとトレンドチャネルライン
●前の高値や前の安値
●ブレイクアウトとブレイクアウトがダマシになったとき
●ローソク足の実体やヒゲの長短
●現在の足とそれまでの足の関係
あなたのトレードを「次の段階」に引き上げるのは新しいテクニックや高度な理論を学ぶことでなく、単純さにあることをブルックスは本書で証明している。マーケットがリアルタイムで語っていることを理解するのは難しいことかもしれないが、正しい方法を用いれば、それを理解して安定的に利益を上げることができるようになるだろう。本書にはそのために必要な情報がすべて入っており、明日の荒れたマーケットでも効率的なトレードができるようになるだろう。
「ブルックスはトレーダーのなかのトレーダーだ。彼は、トレードで成功するためにはエネルギーを集中させることが必要だということを理解しているだけでなく、マーケットを打ち負かすためには何時間もコンピューターの前に座っていられる人物である。最初の著作となる本書で、彼は自身の戦略を惜しげもなく詳細に紹介している。そして、医師や教育者としての経験を生かして細部まで気を配りながら、自ら習得した教訓をトレード戦略として本書にまとめあげた。デイトレードで利益を上げるために時間とエネルギーをつぎ込むつもりがある真剣なトレーダーが必ず読むべき本」――ジンジャー・ザーラ(雑誌『フューチャー』の発行人兼編集ディレクター)
監修者まえがき 序文
第1章 プライスアクショントレンド足と同時線基本の足――シグナル足、仕掛け足、セットアップ、ローソク足のパターン シグナル足――反転足 シグナル足――そのほかのタイプ 包み足 その足の終値の重要性 ETFと逆さチャート 2回目の仕掛け 見逃して仕掛けるのが遅くなったトレード
第2章 トレンドラインとトレンドチャネルトレンドラインミクロトレンドライン――強いトレンドのなかの小さくて急なトレンドライン 水平線――スイングポイントとほかのカギとなる価格水準 トレンドチャネルライン デュエリングライン――トレンドラインとトレンドチャネルラインの交差
第3章 トレンドツーレッグ強さを示すサイン よくあるトレンドのパターン 寄り付きからのトレンド 反転日 トレンドの再開日 トレンディング・トレーディングレンジ日 狭いチャネルと強気と弱気のスパイク・アンド・チャネル ステア(階段)――幅広いチャネルトレンド
第4章 プルバック最初のプルバックからの流れ――足、マイナーなトレンドライン、EMA、EMAギャップ、メジャーなトレンドラインダブルトップベアフラッグとダブルボトムブルフラッグ EMAプルバックとギャップEMAプルバック 2HM――2時間以上EMAから離れていれば、EMAと最初のEMAギャップ足で逆張りする トレンド日の時分に損切りに達するプルバックという落とし穴 トレンドのレッグを数える 高値1、2、3、4と安値1、2、3、4 高値2と安値2のセットアップの変形 スリープッシュのプルバック
第5章 トレーディングレンジ狭いトレーディングレンジバーブワイヤー 1日の真ん中にできたレンジの真ん中 大きい上げと大きい下げ トレンドの反転を設定するトレーディングレンジ
第6章 ブレイクアウト強いトレンドでのブレイクアウトによる仕掛けブレイクアウトプルバックとブレイクアウトの試し
第7章 マグネット効果最初のプルバックに基づいたメジャードムーブ(AB=CD)狭い領域とフラッグに基づいたブレイクアウトのメジャードムーブ 反転は前の失敗した反転のシグナル足で終わることが多い そのほかのマグネット効果 |
第8章 トレンドの反転トレンドラインのブレイクトレンドチャネルラインのブレイクアウトのダマシ――クライマックス、放物線、V字天井とV字底 反転の最初のレッグに見る強さのサイン トレンドの反転と試し――アンダーシュートかオーバーシュート ダブルトッププルバックとダブルボトムプルバック クライマックス――スパイク・アンド・トレーディングレンジの反転 クライマックス――スリープッシュとウエッジ(トレンドチャネルラインのオーバーシュートと反転) 拡大トライアングル
第9章 小さな反転――失敗ダマシのシグナルと仕掛け足と1ティックだけブレイクアウトしたダマシ高値2と安値2の失敗 高値の切り上げや安値の切り下げのブレイクアウトのダマシ トレンドラインとトレンドチャネルラインの突き抜け 反転の失敗 ファイナルフラッグの失敗――狭いトレーディングレンジ ファイナルフラッグの失敗――巨大なトレンド足 ウエッジの失敗 スキャルピングの失敗――5ティックのブレイクアウトのダマシとスキャルパーの利益目標に届かないケース
第10章 デイトレード銘柄選択時間枠とチャートのタイプ グローベックス、プレマーケット、ポストマーケット、オーバーナイトなどのマーケット スキャルピングとスイングとトレードと投資 常にマーケットにいる 仕掛けるときには少なくとも2つの理由が必要 仕掛けの逆指値で仕掛ける 損切りの逆指値と落とし穴 第11章 最初の1時間プレマーケットにかかわるパターン前日と関連するパターン ギャップを空けての寄り付きのトレンド足――1本目か2本目の足 ギャップを空けての寄り付き――反転と継続 寄り付きからのトレンドと最初の足からのトレンド 3番目の足と分足の引け 最初の1時間に大きいトレンド足ができると、その日の後半に同じ方向で強い動きがあることが多い 寄り付きのパターンと反転 ダブルボトムブルフラッグとダブルトップベアフラッグ トレーディングレンジ・ブレイクアウト 最初のプルバック 第12章 デイトレードの詳しい例第13章 日足、週足、月足のチャート大商いでの反転第14章 オプション第15章 最高のトレード重要な反転トレーディングレンジ日の小さな反転でのスキャルピング 強いトレンドのなかのプルバック 日中の株のトレード トレードの指針 |
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