勝てるトレードロジックとは永遠の探求テーマである。
専門家のロジックを模倣したり、
そのロジックにオリジナルの解釈を加えて試してみたり
多くのトレーダーが膨大な時間を浪費しながら日々研究しています。
どのシステムが本物で、どれが偽者なのか?
どのシステムが一貫性をもって利益と損失を明確に示してくれているのか?
いずれにしても、
裁量であるとシステムトレードであろうと
そのロジックや技術を実際に検証することから始めなければならない。
本講座では、ウィザードブックの数あるトレードロジックを検証することで
あなたの大切な時間の短縮するとともに
効率よくあなたを成功に導きます。
導き出された結果の価値は計り知れないものがあります。
参考図書:『ラリー・ウィリアムズの短期売買法 【第2版】』
対象市場:日経225先物、個別株式、日米の指数ETF、FX
取り扱う予定の手法:
内容:
『ラリー・ウィリアムズの短期売買法』の第1版がパンローリングから出版されたのが1999年(原書も1999年)。そして、第2版が出版されたのが2012年(原書も2012年)。この間にトレーディングの世界は大きく様変わりしました。
ラリーによれば、
「最も大きく変わったのは、場立ちから電子取引への移行である。1990年代の終わりまではトレーダーたちは毎日の始値に注目し、価格がそこからどう動くかに注目した。当時の株式市場は毎日午後4時15分(NY時間)にクローズして、翌朝の9時30分にオープンした。したがって、トレーダーたちはおよそ18時間使って、その日の市場情報やニュース、出来事について情報を収集し、株価をつり上げたりつり下げたりした。この間、売買は行われない。そのため、始値は前日の終値から大きく動き、大きな窓を空けて寄り付くことが多く、そこで売買が開始されるというのが一般的だった。
しかし、2011年の今(第2版出版時)、こういった現象はもはや見られない。例えば、EミニS&P市場は午後4時15分にいったんクローズするが、そのすぐ後で再開するからだ。これほど短時間のうちに再開すれば、注文の不均衡が生じる余地はない。
〜中略〜
状況が変化した今、これに関連して第1版で書いたことはもはや当てはまらない。」
と述べています。
例えば、ラリーのトレード手法として広く知られているものに、「ウップス(しまった)!」という価格パターンがあります。
ラリーがこのパターンを最初に教えたのは1978年のことだそうです。
具体的なルールは、
・買いの場合、前日の安値を下回って寄り付いた後、前日安値まで上昇してきたら、買いを仕掛ける。
・売りの場合、前日の高値を上回って寄り付いた後、前日高値まで下落してきたら、売りを仕掛ける。
つまり、人々が過度に感情的になり、それに伴って価格が過剰反応し、急激に反転するという事実をベースにした戦略になります。
では、このウップス戦略について、ラリーは2011年時点でどのように述べているでしょうか。
「残念ながら、このパターンは今では機能しない。場立ちがいなくなってしまったからである。電子取引に変わった今は市場が閉じている時間は極めて短く(数分、長くても数時間)、我々にとって好都合だった抑圧された注文の「噴出」効果は消えた。」と述べています。
例えば、日経225ミニ先物でウップス戦略を行った資産曲線は下図のとおりになります。
なお、資産曲線の期間は2013年1月から2022年9月末まで、グラフの横軸はトレード回数の推移、縦軸は累積損益(円)の推移を示します。
前日高値と安値は日中の時間帯のみを対象にしており、ナイトは加味していません。また、取引は日中のみ行い(9時から14時まで)、決済は15時時点で行ったと仮定しています。
※なお、手数料、スリッページは加味していない。
私(岩本)も2006年頃から日経225先物は取引を行っていますが、当時、ウップスはかなりお世話になった戦略です。
しかし、このグラフを見ると、250回から300回当たりを頂点にして日経225ミニのウップスは機能しなくなっていることが分かります。
このタイミングはいつ頃かというと2016年後半。
たまたまかもしれませんが、2016年7月に日経225の取引時間が8時45分スタート、ナイトの終了が5時30分までに延長。つまり、24時間近い取引時間になったタイミングです。以前からナイトセッションはありましたが、取引時間も短く、日中取引に大きな影響は与えていなかった印象があります(CME225先物の終値を意識していたくらい?)。
では、この状況をラリーはどのように乗り越えてきたのでしょうか?
ここで、例えばラリーは「TDW」というテクニックを加味することを考えます。
TDWとは、トレーディングデイ・オブ・ザ・ウィーク(特定の曜日にのみ売買する)というテクニックであり、トレードのフィルターです。
上記の日経225ミニのウップス戦略にTDWのテクニックを入れると下図の通りになります。
具体的なTDWの利用については、11月のレポートで記載しますが、TDWの知識を使うことで、このようにパフォーマンスの改善を行うことが可能になってきます。
取引回数は1/3程度まで減少しましたが、資産曲線の改善は行うことができました。
ラリーはこうも述べています。
「TDWバイアスはトレードに大いに利用できる。
このバイアスを理解し、それをトレードに取り入れることが成功のカギを握ることは明らかである。毎日トレードするのは愚か者のやることだ。トレーダーを成功に導くのは、どれくらいトレードしないか、つまり、どれくらいトレードを厳選できるか、なのである。」
11月レポートでは、ラリー・ウィリアムズ氏のトレード手法に特化し(マネー・マネジメントなどは対象外)、現在のパフォーマンス、そして、その改善の方法等について探っていきたいと考えています。
このたび、ウィザードブック検証講座を開講することになりました。
開講にあたり、簡単に講座の内容をご紹介するとともに、シンプルな売買手法の検証結果をご紹介いたします。
さて、パンローリングにとってウィザードブックの存在は根幹部分と言えるでしょう。
私は現在、自分でトレードを行い、かつ、トレード・システムを作ることを生業にしています。
そして、ずっと以前からウィザードブックを読み続け、また、ウィザードブックに育てられたと言っても過言ではありません。
しかし、その当時から一つの思い(疑問?)がありました。
それは、「このトレード手法は今も使えるのか?」「このトレード手法は日本の市場でも通用するのか?」といった疑問でした。
ご存じの通り、ウィザードブックは米国市場を対象にしたものがほとんどです。
また、執筆されたのが古いものも多数ありました。
皆さんの中にも、このような疑問を持ち、検証できずにそのまま放置してしまった手法もあるはずです。
現在、私はマルチチャートというソフトウェアを使って、色々なマーケットで検証を行ったり、トレード・システムを作ったりしています。
そういった環境から、ウィザードブックに書かれている売買手法の検証を行うことが可能です。
裁量のトレード手法で、プログラム化できない(つまり、検証できない)ものもありますが…
この講座の開講は、私のこれまでの疑問の解決、また今後の自分のトレード人生にとっても大きな再発見にもなりますし、また、受講生の方々へもお役に立てる講座だと考えています。
受講生の皆さんの意見も取り入れ、どんどん改善は行っていく所存です。
「このように改善できた」という検証や、皆さんが普段取引できる株式やその他のETFなども対象にして検証していきたいと考えています。
ひとつ、コナーズの簡単な売買ロジックをご紹介しましょう。
彼の本のタイトルにもなっていますが、コナーズの売買手法は「恐怖で買って、強欲で売る」をベースにした短期売買手法(1日から1週間程度のトレード)が数多く取り上げられています。
そして、この根底には下記のような考え方があります。
高値を更新しているような局面では買わず、市場の押し目を買うことに優位性があることを統計的に証明しています。短期トレードの場合、株は押したときに買った方が、ブレイクアウトで買うよりも良いとしています。
米国市場でこのような見解は確かに「他人とは違う発想」です。
コナーズの短期売買手法では、S&P等の株価指数(先物やETF)、あるいは、株式個別銘柄の手法を数多く紹介しています。
例えば、彼の書籍内に、「数日間連続した上昇や下落」という章があります。
この中で、「数日間連続して上昇したり、下落したりした後、相場はどう動くだろうか?常識では、2〜3日間連続して上昇する相場は強く、2〜3日間連続して下落する相場は弱いということになっている。だが検証結果では、逆の事実が判明した。つまり、数日間連続して下落した後にはリターンが向上、数日間連続して上昇した後にはリターンが減少した。」と書かれた部分があります。
では、S&P500が3日連続して下落した後のパフォーマンスを見てみましょう。
(売買ルール)
なお、検証の対象はコナーズがよく利用するS&P500のETF(SPY)および日経225連動型上場投信(1321)とし、2010年6月1日から2022年6月15日までで行いました。
このシンプルなルールで平均回帰(逆張り)の優位性を検証出来ました。
「優位性のある売買ルール」の有効期間が短くなっているものが多いなかで、出版後10年以上経過しているこの手法が、リーマンショックやコロナショック後の現在でも通用していることを、皆さんはご存じでしたか?
ウィザードブックの「このトレード手法は今も使えるのか?」「このトレード手法は日本の市場でも通用するのか?」を再検証することで、埃をかぶっている宝の山を再発見できるかもしれません。
PDF 形式mpレポートで、月2回の配信を予定しています。
日本証券アナリスト協会検定会員、国際公認投資アナリスト。 国内大手証券入社後、トレーディング部門を経て、2002年より米国S&P500先物市場でプライベート・トレーダーとしてシステムトレードを行う。
平成17年West Village Investment 株式会社に参加、独自のシステムで投資を行う会社としてスタート。米Mesa Software社(世界No.1の投資システム会社)と業務提携し、世界No.1システムR-MESA3を日経225先物向けに共同開発、『R-MESA3 Nikkei』としてリリース。日本には4人しかいないEasyLanguageスペシャリスト保有者。
監修、執筆に 『トレードステーション入門』、 『勝利の売買システム』、『DVD 日経225先物 ナイトセッションの検証』など多数。
・無料メルマガ「トレードパターンの傾向分析」
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『ラリー・ウィリアムズの短期売買法 【第2版】』を題材に、スマッシュデイやウップスといった順張りブレイクアウトのダマシを狙ったトレード戦略、ラリーが重要視する曜日バイアスTDWや取引日TDMを扱う。
『ラリー・ウィリアムズの短期売買法 【第2版】』『システムデイトレード(絶版)』を題材に、順張りブレイクアウト系の短期戦略、買い手と売り手を分離するGSV(最大スイング値)の考え方、3期間の高値や安値システムを解説。
『FXトレーディング』を題材に、通貨ペアにとって最適な取引タイム、通貨間の相関性とその利用方法、テクニカル戦略(真の動きを待つ、インサイドデイ・ブレイクアウト、ダマシのブレイクアウト) などを題材に検証します。
2月号では、『指数先物の高勝率短期売買』『株価指数先物必勝システム』から、月末、四半期、SQの前後などに特有のバイアス、経済イベント(FOMCや雇用統計)のバイアス、過去n日間の移動平均に基づくトレード、過去n日間の平均レンジに基づくトレード、株価指数のTDM、TDWバイアス、S&P500とNYダウの関係を利用したトレード、過去n日間のブレイクアウト手法、よく知られたトレード指標 などを題材に検証します。
3月号では、『ヘッジファンドの売買技術 利益を勝ち取るための相関性のない20の戦略とテクニック』を取り上げる。 本書は、当時、ヘッジファンドマネジャーであったジェームス・アルタッチャー氏が紹介したマーケットに潜む非効率部分を探すための20のトレーディング戦略、テクニックを紹介している書籍である。発行から20年近い年月が経過している(2004年)が、株価指数や個別株(いずれも米国市場)での戦略が多く、現在でも検証するに値すると判断して、3月号の参考図書にすることにした。20のテクニックの中で、日本の株式市場でも対応可能な戦略も多く、検証可能なものを取り上げていく。戦略はシンプルなものが多く、日足・週足対応の戦略であり、システムトレーダー、および、裁量トレーダーに有効な戦略の検証結果をご紹介する。
時間枠に関する研究、平均回帰に関する研究、戦略をリスクから守るテクニック、強気相場や弱気相場でのトレード、利益や損失の足が何本で手仕舞うのがよいかの研究 など。アルゴ・トレードと聞くと、いわゆる“システムトレーダー”向けの話になりそうだが、裁量のトレーダーにも大いに役に立つはずだ。
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