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フィスコ投資ニュース
配信日時: 2025/11/25 10:24,
提供元: フィスコ
高市発言に習近平はなぜここまで激怒するのか? 日本は台湾問題を口実にせず防衛力に戦略を(2)【中国問題グローバル研究所】
*10:24JST 高市発言に習近平はなぜここまで激怒するのか? 日本は台湾問題を口実にせず防衛力に戦略を(2)【中国問題グローバル研究所】
◇以下、中国問題グローバル研究所のホームページ(※1)でも配信している「(1)【中国問題グローバル研究所】」の続きとなる。
◆習近平はなぜ、ここまで激怒しているのか?
それにしても、今般の中国の反応はあまりにヒステリックで尋常ではない。
習近平はなぜここまで激怒しているのかを考察する必要がある。
一つには、習近平は国家主席として在位中に、何としても「台湾統一」という「中華民族の悲願」を成し遂げたいと思っているからだ。これまで国家主席の座は「任期5年、最大2期まで」と決まっていた。それを、中華人民共和国憲法を改正してまで国家主席の任期制限を撤廃したのは、在位中に「台湾統一」を成し遂げたいからに他ならない。
その邪魔をした高市発言に対する怒りがあるのだろう。
そうでなくとも、11月1日の論考<日中首脳会談ようやく実現 寸前までじらせた習近平の思惑>(※2)に書いたように、高市自民党総裁誕生により、中国が愛している「公明党」が政権与党から追い出された(と習近平は思っている)。だから高市総理誕生に際して、(日本の歴代総理誕生で初めて)祝電を送らなかった。
それでも総理としての所信表明演説で日中間の「戦略的互恵関係」に触れるなどしたので、「まあ、仕方ないからAPECでの日中首脳会談に応じてやるか…」という「善意」を、習近平としては高市総理に示したつもりだ。
ところがAPEC期間中、台湾代表と会うことだけなら許容範囲内だが、高市総理はそのツーショットをXで公開してしまった。これは日本の歴代総理で誰もやらなかった抑制的ラインである。そのラインを超えて習近平の顔に泥を塗った。
このことは、トランプの対習近平の姿勢との比較において11月5日の論考<トランプが「中国を倒すのではなく協力することでアメリカは強くなる」と発言! これで戦争が避けられる!>(※3)の【図表6:APECにおける日・台代表との会談と中国からの抗議の有無】で説明した。
この時点で習近平の堪忍袋の緒は切れていたのである。
そこに加えて、習近平の国家命運をかけた「台湾統一」問題に関して高市発言があったので、習近平としては自分の人生をかけた目標を、あの「高石早苗が邪魔をするのか!」と、激怒したのだろうと思う。
◆日本は台湾問題に口実を求めずに、堂々と日本の防衛力を強化すべき
冒頭に書いたように、第二次世界大戦で敗戦国となった「日独伊」3ヵ国のうち、現在、自国を防衛するための軍隊を持っていないのは日本だけである。
ドイツの場合は、第二次世界大戦直後は、いかなる軍隊も持つことが禁止されていたが、冷戦を機に1955年に再軍備を開始しており、同年、NATOに加盟して、堂々と軍隊を持つに至っている。
イタリアの場合は、1943年に自ら敗戦を宣告し連合国側に付いたので、戦後もそのまま軍隊を保つことができた。初期は規模を制限していたが、冷戦により規模の制限を徐々に撤廃していった。イタリア共和国憲法第11条で、「戦争行為」自体は制限している(「イタリア共和国は他国市民の自由を抑圧する為の戦争行為、または国家紛争を調停する為の戦争行為を行ってはならない」と謳っている)。
それに比べて、わが日本国はどうなのか?
冒頭に書いたように、戦後GHQの統治下で制定された日本国憲法は、アメリカの要求により「軍隊を持ってはならない」ことになっている。
日本には今、防衛力の強化に関して(総理が国会答弁で言うか否かは別として)、念頭には台湾有事があり得るから防衛力を強化しなければならないと主張している人が多い。しかし台湾の独立はアメリカの第二のCIAと呼ばれているNED(全米民主主義基金)が煽った結果である要素が大きい。もちろん国共内戦から76年が経ち、台湾で生まれて新しい世代が増えてきたので台湾の人々の中には国共内戦の結果であるということを知らない新しい世代が生まれ台湾アイデンティティが定着しつつあることも確かだ。しかし中華民国時代、台湾を含めて台湾は「中華民国」という中国の領土であった。そのことは歴然とした事実だ。
国連で「一つの中国」を認め、日中共同声明がある以上、日本の防衛力強化に台湾有事を結びつけるのは筋合いが違う。
どうしても防衛力を強化したいというのであれば、台湾問題などを口実にするという姑息な手段を使わずに、堂々と軍事力を強化する道を模索した方が筋が通っている。
ヒトラーがソ連やヨーロッパ諸国を侵略しても、いま現在軍隊を持つことが許されているのに、日本は中国を侵略したのだから軍隊を持ってはいけないとは、中国は言えない。そのような論理は成立しないからだ。
日本はサンフランシスコ平和条約によって独立国家になった。
ここでもし中国が抗議を始めたら、国際社会全体で中国に対抗すべき事態になる。
日本が軍隊を持ってはならないと制限したのはアメリカだ。
しかし、くり返そう。日本は独立国家だ!
アメリカの意図に沿って制定された日本国憲法を改正するというのが、最も正直な道であり、正道ではないのだろうか。
日本国民のその選択に対して、中国には何も言う資格はない。
なお、それでも「いま日本に何ができるのか」、「日本はいかなるカードを持っているのか」という喫緊の課題がある。それに関しては別途、他の論考で公開したい。
追記:日本が台湾有事を口実にしている限り、どこかで不意の事態が生じ、逆に戦争に突入しやすい。本稿はその戦争を避ける目的で書いたものである。その意図が伝わるようにタイトルも一部書き換えた。
この論考はYahoo!ニュース エキスパート(※4)より転載しました。
習近平国家主席(写真:ロイター/アフロ)
(※1)https://grici.or.jp/
(※2)https://grici.or.jp/6937
(※3)https://grici.or.jp/6854
(※4)https://news.yahoo.co.jp/expert/articles/40aec9b3e178b4e12608ee4c1584305415f6e95c
《CS》
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