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フィスコ投資ニュース
配信日時: 2026/11/04 11:01,
提供元: フィスコ
静岡ガス Research Memo(1):事業領域拡大による新たな成長分野の確立を目指して投資を積極化
*11:01JST 静岡ガス Research Memo(1):事業領域拡大による新たな成長分野の確立を目指して投資を積極化
■要約
静岡ガス<9543>は、1910年に設立された都市ガス会社で、静岡県中東部を主な供給エリアとする。また、グループ会社を通じて、静岡県の掛川、袋井、島田、下田、御殿場のほか近隣他県の一部などにも供給している。2026年9月30日時点で、傘下に連結子会社38社、持分法適用会社等7社を持ち、都市ガス、LPG、電力・再エネ、くらしサービス、エンジニアリングサービス、海外事業などの幅広い事業を手掛けている。成長事業の加速、効率化と機能強化、ガバナンスとコンプライアンスの向上を目的に、中間持株会社の設立、分社化・合併、資本関係の見直し等のグループ組織再編を実行し、2026年1月より新体制に移行した。
1. 2026年12月期中間期の業績概要
2026年12月期中間期の連結業績は、売上高で前年同期比0.5%減の103,066百万円、営業利益で同10.4%減の8,828百万円、経常利益で同6.2%増の9,895百万円、親会社株主に帰属する中間純利益で同2.9%減の6,540百万円となった。売上面では、前期期中のグッドリビング(株)などの連結子会社化やSHIZUOKA GAS AMERICA CO.(以下、シズガスアメリカ。現 連結子会社)の事業開始等の増収要因を、原料費調整制度によるガス販売単価の下方調整等の減収要因が上回った。利益面では、スライドタイムラグの影響が39億円の減益要因となる一方、為替影響による匿名組合投資利益等を営業外収益へ計上した結果、営業利益では減益、経常利益では増益となった。親会社株主に帰属する中間純利益は、前年同期に法人税等の税効果会計による調整により利益が押し上げられた反動から減益となった。なお、スライドタイムラグ及び為替差損益(匿名組合投資分)を補正した経常利益(補正後経常利益)では同49.7%増の131億円となった。これは、中東情勢の悪化に伴う原油価格の上昇の影響や、メイクアップカーゴの受入によってCIF差(同社のLNG輸入価格と、日本における輸入LNGの加重平均価格との間に生じる、調達価格の差額)が改善したことが主因である。
2. 2026年12月期の業績見通し
2026年12月期の連結業績見通しは、売上高で前期比0.0%減の201,130百万円、営業利益で同31.6%減の9,620百万円、経常利益で同29.4%減の10,420百万円、親会社株主に帰属する当期純利益で同9.3%減の9,110百万円と、各利益とも減益を見込んでいる。対計画比では、中東情勢緊迫化の影響等による原油価格急騰を受けて、スライドタイムラグの影響が下期に顕在化することが想定されるが、補正前経常利益については、CIF差の改善などにより、通期では当初計画どおりに着地する見通しである。一方で、スライドタイムラグ等の影響を除く補正後経常利益については、通期では対計画比で増益が見込まれる。
3. 中期経営計画
「2026年-2028年中期経営計画」は「グループ2030年ビジョン」の第2フェーズの「事業領域の拡大」をさらに推進し、第3フェーズの「新たなつながりでの共創実践」へとつなげる期間にあたる。財務目標として、2028年12月期に連結経常利益133億円(補正後連結経常利益136億円)、ROE8.0%の達成を掲げ、同ビジョンの目標を前倒しで実現することを目指している。「事業領域の拡大」の方向性としては、都市ガスやLPGなどの「基盤事業の深耕」と、海外や電力・再エネなどの「成長事業の拡大」の両輪推進を想定している。また、2026年12月期〜2028年12月期における投資総額1,070億円のうち88%を成長投資に振り向ける計画であり、このうち海外事業や電力・再エネなどの「成長事業」に66%、くらしサービスやエンジニアリングサービス、天然ガス普及開拓投資等の「基盤事業」に22%を割り当てる方針である。海外事業を含めた積極投資により、利益成長をどこまで加速できるかが注目される。
4. 株主還元策
2025年2月の取締役会において配当方針の変更を決議しており、変更後の配当方針では「長期的に企業価値を最大化するため、将来の成長に向けた投資と財務体質強化のための内部留保を行いつつ、累進的配当を基本としながら、業績ならびに株主資本利益率(ROE)と配当性向を乗じた株主資本配当率(DOE)などを総合的に勘案し、継続的な株主還元の充実を図る」として、配当性向に関しては3割を目標水準とした。2026年8月には2026年12月期の1株当たり年間配当を期初予想の44円から45円へ増配修正すると発表しており、12期連続の増配が予想される。
また、株主還元強化の一環として、株主優待制度も実施している。具体的には、毎年12月末日現在の株主名簿に記載または記録された300株以上保有する株主を対象に、保有株式数と保有期間に応じた株主優待ポイントを進呈している。進呈ポイントは、静岡県の特産品・名産品などの商品との交換や公益法人への寄付を選べるほか、他のプレミアム優待倶楽部導入企業の優待ポイントと合算可能な共通株主優待コイン「WILLsCoin」にも交換可能である。
■Key Points
・2026年12月期中間期の連結業績は、補正後経常利益で前年同期比49.7%の大幅増益
・2026年12月期は下期にスライドタイムラグのマイナス影響が顕在化する見通しのなか、補正前経常利益は、通期では当初計画どおりに着地する見通し
・中期経営計画では2028年12月期に連結経常利益133億円、ROE8.0%の目標達成に向けて成長投資を積極化しており、利益成長をどこまで加速できるかに注目
・2026年12月期の1株当たり年間配当を期初予想の44円から45円へ増配修正、12期連続の増配予想。株主優待制度も実施
(執筆:フィスコ客員アナリスト 古川 聖治)
《HN》
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