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フィスコ投資ニュース
配信日時: 2026/09/11 12:18,
提供元: フィスコ
rakumo Research Memo(8):2026年12月期は価格改定効果等により好調、通期予想達成の見込み(2)
*12:18JST rakumo Research Memo(8):2026年12月期は価格改定効果等により好調、通期予想達成の見込み(2)
■今後の見通し
4. 「rakumo」サービスにAI機能を実装
rakumo<4060>は主力サービスであるrakumoにおいて、AIを活用した機能拡充を中期的な成長ドライバーに位置付けている。Googleが提供する生成AI基盤である「Gemini API」及び「Gemini Enterprise Agent Platform(旧 Vertex AI)」を活用し、各プロダクトへのAI実装を開始した。Google Workspaceと高い親和性を持つ同社サービスに生成AIを組み込むことで、日常業務に密着した高度な自動化と利便性向上を図る方針である。第1弾として2026年2月にrakumoカレンダーへ「rakumoエージェント」機能を提供開始した。rakumoカレンダーに実装したエージェントが自然言語での対話に対応し、予定の登録や確認、空き時間や過去予定の検索、時間の使い方の集計、操作方法の案内やQ&Aなどを担う。ユーザーは従来の画面操作に加え、会話ベースでスケジュール管理を完結できるようになり、業務効率は一段と高まる。
次の展開として、「rakumoワークフロー for Google Workspace」への「rakumoエージェント」搭載に向けた開発を進めており、2026年内の提供開始を予定する。見積書ファイルを共有すると、申請書の雛形を自動で選択し、見積書の内容を転記した下書きを作成する機能などを想定している。AIの活用領域がスケジュール管理から稟議・申請業務へ広がることで、日常業務における利用頻度とサービスの付加価値が高まる可能性がある。
同社は社内の開発業務にも生成AIを活用しており、2026年12月期中間期におけるrakumoシリーズの開発生産性は前年同期比38%向上した。今後も「rakumoエージェント」の複数プロダクトへの実装や生成AI関連の新製品開発を進める方針である。AIによる顧客価値の向上と開発効率の改善を両立できれば、製品競争力を高めながらストック型収益を持続的に伸ばす余地は大きいと見込まれる。
5. 「SaaSの死」についての弊社の見解
2026年初頭、AIの急速な進化に伴い、従来のSaaSビジネスモデルが大きな変化を迫られるとの観測が市場で強まった。Anthropicが1月末に「Claude Cowork」向けとして、法務・営業・財務などの業務に対応する11種類のプラグインを公開したことを契機に、2月初旬には世界のソフトウェア関連銘柄が急落した。特に、契約書の確認やコンプライアンス業務などを自動化する法務向けプラグインが、既存ソフトウェアや情報サービスの機能を代替するとの懸念を呼んだ。生成AIへの指示だけで複数の業務をまとめて処理できる可能性が意識され、従来のSaaSが提供してきた個別機能の一部が代替されるとの懸念が広がった。
もっとも、SaaSが直ちに不要になるとは考えにくい。同社が強みを持つ権限管理、承認経路の厳密な実行、監査証跡、例外処理、継続運用などは正確性や説明責任が求められる領域であり、生成AIによる完全な代替は難しい。rakumoは企業の業務インフラとして全社的に利用されているため、置き換える場合には業務プロセスの移管、社員の再教育、管理者による設定、監査対応まで必要となり、スイッチングコストも大きい。同社が蓄積してきたユーザーの利用データや安定運用のノウハウも、競争上の防壁となる。
この点で、生成AIとrakumoは代替関係ではなく、異なる役割を担う補完関係にある。生成AIが文書作成、検索、データ入力などの作業を支援する一方で、rakumoは権限管理、承認、操作履歴の保存など、業務を安全かつ適切に進めるための基盤を整備する。同社は「rakumoエージェント」を既存製品へ組み込み、自ら生成AIを製品価値の向上に利用している。価格改定後も低い解約率を維持していることは、業務基盤としての定着度の高さを裏付けている。生成AIを取り込みながら既存サービスの競争力を高める同社の戦略は、AI時代においても継続的な顧客基盤の拡大につながると弊社は考える。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 吉林拓馬)
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