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フィスコ投資ニュース

配信日時: 2026/07/16 11:02, 提供元: フィスコ

丸山製 Research Memo(2):ポンプとエンジンの2大コア技術を核に、農林業・工業・BtoCまで多面展開

*11:02JST 丸山製 Research Memo(2):ポンプとエンジンの2大コア技術を核に、農林業・工業・BtoCまで多面展開
■丸山製作所<6316>の事業概要

1. 事業内容
同社グループは農林業用機械・工業用機械・その他の機械・不動産賃貸他の4セグメントで事業を展開している。2025年9月期の売上構成比は、農林業用機械が77.2%、工業用機械が15.9%、その他の機械が6.0%、不動産賃貸他が1.0%となっている。一方、営業利益の構成比は、農林業用機械が44.3%、工業用機械が43.0%、その他の機械が4.3%、不動産賃貸他が8.4%となっている。農林業用はリソースをかけて売上額を確保する事により利益を積上げ、工業用は利益率が高く少ないリソースで売上を上げているため、収益性が異なる。売上高全体に占める海外売上比率は22.5%となっている。国内では農林業用機械が8割超を占める一方、海外では農林業用が6割・工業用が4割と異なるポートフォリオを持つ。

(1)農林業用機械
農林業用機械セグメントは、同社グループの基幹事業であり、動力噴霧機・動力散布機・大型防除機(ハイクリブーム、ステレオスプレーヤ)・刈払機・チェンソー・農薬散布用ドローン(マルチローター)などを製造・販売する。国内では農薬散布機(防除機)で上位シェアを確保し、ホームセンター流通における刈払機は国内No.1のシェアを持つ。製造は主に千葉工場のほか、日本クライス・西部丸山・MARUYAMA MFG (THAILAND)が担い、全国農業協同組合連合会(全農)、クボタ<6326>、特約店などを通じて国内外に販売する。

2025年9月期の地域セグメント別売上では、日本が84.2%、北米が3.6%、欧州が2.7%、アジアが5.3%、その他が4.2%となっており、日本を中心としたポートフォリオとなっている。

(2)工業用機械
工業用機械セグメントは、工業用高圧ポンプ・高圧洗浄機・MUFB(丸山ウルトラファインバブル)製品などを製造・販売する。北米の洗車機(カーウォッシュ)に搭載されるポンプで約8割のシェアを有しており、OEM先との50年超にわたる長期取引実績に裏付けられた高い信頼性が参入障壁を形成している。また、シェールオイル採掘・都市インフラ維持に不可欠な大型ポンプが北米で安定的に伸長している。同セグメントは、限られたリソースで高い利益率を確保できる事業構造が高収益性を支えている。

2025年9月期の地域セグメント別売上では、日本が36.1%、北米が32.8%、欧州が28.6%、アジアが2.5%、その他が0%となっており、日本、北米、欧州でバランスが取れている。

(3)その他の機械
その他の機械セグメントは、消防機械・防災関連機器などの製造・販売を行うセグメントである。製造は連結子会社マルヤマエクセルが担い、特約店を通じて販売する。廃消火器の回収率は90%超、消火薬剤リサイクル率は95%超を継続しており、環境面での取り組みにおいても先進的な位置づけにある。

(4)不動産賃貸他
不動産賃貸他セグメントは、所有物件の賃貸(稲毛丸山ビルなど)と太陽光発電による売電事業を行っており、グループ全体の安定的な収益源となっている。

2. 特徴と強み
(1)コア・テクノロジーの融合
消火器で培った高圧ポンプ技術を基盤として、1990年には2サイクルガソリンエンジンを独自開発し、技術基盤を拡張してきた。この「ポンプ」「エンジン」の2大コア技術を融合することにより、農林業用機械や工業用機械の開発を行ってきた。2000年にはカリフォルニア州の厳しい排ガス規制をクリアする新環境型エンジンを開発し、環境性能と耐久性を両立させた。また、2023年には小型軽量化を実現した世界初の2ストローク水素エンジンの安定運転に成功し、次世代技術への対応においても先進的な取り組みを進めている。

さらに、独自のウルトラファインバブル技術では「ポンプを使用せずに泡を発生させる」革新的な手法を実用化しており、農業・食品・家庭向けの多分野への展開を進めている。130年以上の蓄積により生まれたこれらのコア技術が、競合他社に対する高い参入障壁を形成し、差別化の源泉となっている。

(2)生販一体体制による顧客満足度
設計・製造から販売・納品・アフターサービスまでを自社グループ内で一貫して行う「生販一体」の体制は、同社の主要な差別化要因の一つである。全国25ヶ所の営業拠点を持ち、各拠点のルートセールスが大型機械の整備・修理までを直接対応できる体制は、強みとなっている。農機の需要シーズンである3〜7月に稼働し続けられるよう農家に寄り添い、迅速な点検やアフターサービスを提供できることが、顧客の高い満足度と再購入につながっている。これにより、経営理念の「次も丸山」を体現している。

また農薬散布用ドローンについては全国10ヶ所以上の自社教習施設(丸山スカイマスター教習スクール)が国交省認定となっている。教習から購入後のアフターサービスまでを一貫提供している。教習を通じて機器販売から整備まで完結できる体制が差別化につながっている。

(3)顧客基盤
国内の農業用防除機(農薬散布機)市場では上位シェアを持ち、ホームセンター流通での刈払機は国内No.1の地位を確保している。クボタ向けには全売上の11.5%、全農向けには同11.2%(いずれも2025年9月期)となっており、主要販売先との長期的な取引関係も収益の安定性に寄与している。また、北米の洗車機(カーウォッシュ)搭載ポンプでは約8割のシェアを確保しており、国内外で強固な顧客基盤を形成している。

(4)ウルトラファインバブル技術の優位性と多角展開
ウルトラファインバブル技術は農業・工業・BtoCの多分野に展開している。外食産業では「名代 富士そば」(105店舗に導入)やくら寿司<2695>(国内外約700店舗で採用)での実績を持ち、バス会社への温水洗浄機導入も進んでいる。農業分野でも散水ノズルやウルトラポンプの活用により農薬散布効率化への貢献が見込まれる。

BtoC分野では、シャワーヘッドや洗濯機用MUFBアダプタを発売し、他社製品を上回るバブル発生量を強みに主要流通大手での販売が拡大している。なお、2025年9月期のMUFB製品の売上高は総売上高の0.5%にとどまっており、成長余地は大きい。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 渡邉 俊輔)


《HN》

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