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フィスコ投資ニュース

配信日時: 2026/07/13 12:03, 提供元: フィスコ

オーバル Research Memo(3):2026年3月期は収益改善の取り組み強化により大幅増益

*12:03JST オーバル Research Memo(3):2026年3月期は収益改善の取り組み強化により大幅増益
■オーバル<7727>の業績動向

1. 2026年3月期の業績概要
2026年3月期における世界経済は、米国の通商・経済政策の動向、中国の成長鈍化、地政学的緊張の長期化など、先行き不透明な状況が続いた。わが国経済では、雇用環境の改善や設備投資の持ち直しにより緩やかな改善が見られたものの、世界経済動向、金融政策の変化、原油価格上昇に伴う物価上昇への警戒感もあり、先行きは依然として不透明感が残った。

このような経済環境下、同社グループでは当期より新たに中期経営計画「Imagination 2028」をスタートし、これまで整えた基盤を生かし、さらなる成長に向けて邁進した。その結果、2026年3月期の連結業績は、受注高15,095百万円(前期比4.1%増)、売上高15,589百万円(同3.6%増)、営業利益1,703百万円(同19.7%増)、経常利益1,771百万円(同22.7%増)、親会社株主に帰属する当期純利益1,400百万円(同36.0%増)と、増収・大幅増益となった。

受注高の増加は、システム部門で前期に複数の大型案件が集中したことの反動があったものの、センサ部門が好調に推移したことによる。売上高は、センサ部門やサービス部門が堅調に推移したことに加え、防衛予算増加を背景に防衛省向け売上が一定程度増加したこと、Anton Paarからのライセンス契約に伴う一時金の収入があったこと、一部製品の値上げを行ったことなどにより増加した。製品値上げについては、同社の製品に競争力があるとともに、一般的に材料高を価格転嫁する気運が高まってきたことを示すものだ。利益面では、販売単価の改善、収益性の高い製品への販売構成の改善が進んで利益率が向上したことに加え、原材料の上昇が想定を下回ったことなどから、各段階利益は期初予想を大きく上回る増益となった。Anton Paarからの一時金は、知的財産のライセンス対価であり、材料費がかからないことから売上原価率は低下し、増益を後押しした。また、親会社株主に帰属する当期純利益の増益率が高かったのは、繰延税金資産の回収可能性について見直しを行ったことで、法人税等調整額による増益効果があったためである。

事業部門別の業績を見ると、主力のセンサ部門では、受注高は9,759百万円(前期比16.0%増)であった。国内では化学関連業界向けが好調に推移し、半導体関連業界向けが回復した。海外では、中国において船舶関連業界や電池関連業界が堅調に推移した。また、売上高は10,427百万円(同9.9%増)であった。増収の要因は、受注高と同様に、国内では化学関連業界向けが堅調で、半導体関連業界向け流量計が回復したこと、また海外では、中国における船舶関連業界向けが好調で、さらにAnton Paarとのライセンス契約に基づく契約一時金の売上計上があったことによる。

システム部門では、受注高は2,161百万円(前期比28.5%減)と大幅に減少した。これは、国内で前期に大口案件が集中した反動の影響が大きかった。また、売上高も1,985百万円(同23.0%減)と減収であった。国内では、前期に大口受注が集中した反動で、前期を下回った。ただ、防衛省向け案件については、システム部門を含め全社的に受注が増加しており、今後も拡大が期待される。海外では、シンガポール子会社の大口案件の進捗により一定の計上があったが、直近の受注高の減少により減収となった。システム事業では、収益性に課題があったが、流量計を中核とした設計・施工・試運転・メンテナンス・改造・増設・更新までの一括提供には競争力があり、収益性改善が進展している。なお、同事業の案件は長期間にわたることから、工事の進捗基準より売上高を計上しているが、大口案件の影響により期ごとの増減が大きい。

サービス部門では、受注高は3,174百万円(前期比3.4%増)であった。保全サポートサービス、他社製品校正業務受託などが堅調に推移し、6期連続で増加した。また、売上高は3,175百万円(同6.6%増)であった。国内では、化学関連業界向け及び石油関連業界向けが堅調に推移した。受け身から攻めのサービスに転換し、長年の経験とノウハウを生かした他社製品の校正や提案型のメンテナンスサービス(点検の際、部分交換や買い替えを提案)を展開した。なお、サービス部門は他部門に比べて景気に大きく左右されない部門であり、売上高は増加基調を続けている。


引き続き高い財務健全性を確保

2. 財務状況と経営指標
2026年3月期末の資産合計は、24,711百万円(前期末比217百万円増)となった。このうち、流動資産は12,425百万円(同1,026百万円減)であった。これは、主に電子記録債権が155百万円、契約資産が355百万円それぞれ増加した一方、現金及び預金が320百万円、受取手形が107百万円、売掛金が753百万円、棚卸資産が388百万円それぞれ減少したことによる。また、固定資産は12,285百万円(同1,244百万円増)であった。これは主に、無形固定資産が91百万円減少した一方、有形固定資産が887百万円、投資有価証券が300百万円、繰延税金資産が160百万円それぞれ増加したことによる。

負債合計は8,495百万円(前期末比322百万円増)となった。このうち、流動負債は4,207百万円(同347百万円減)であった。これは主に、支払手形及び買掛金が183百万円増加した一方、短期借入金が52百万円、契約負債が158百万円、その他流動負債が246百万円それぞれ減少したことによる。また、固定負債は4,288百万円(同670百万円増)であった。これは主に、長期借入金が768百万円増加したことによる。長期・短期を合計した借入金は、2,335百万円(同716百万円増)であった。また、純資産合計は16,215百万円(同104百万円減)となった。これは主に、利益剰余金が981百万円増加した一方、自己株式が215百万円増加(減少要因)、資本剰余金が1,515百万円減少したことによる。

自己株式の消却に伴い、自己資本比率は63.7%(前期比1.1ポイント低下)となったが、最新データである2025年3月期のプライム・スタンダード・グロース市場に上場する精密機器業界平均の59.5%を上回り、高い財務健全性を確保していると弊社では評価する。一方、ROA・ROEなどの収益性指標では業界平均の8.2%・10.5%を下回っており、今後は収益力の強化が課題であろう。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 国重 希)


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