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フィスコ投資ニュース

配信日時: 2026/07/01 10:11, 提供元: フィスコ

加藤製作所 Research Memo(1):2027年3月期は営業・経常利益が黒字転換の見通し

*10:11JST 加藤製作所 Research Memo(1):2027年3月期は営業・経常利益が黒字転換の見通し
■要約

加藤製作所<6390>は1895年の創業(個人事業)以来130年超の歴史を持つ大手建設機械メーカーである。社会インフラ構築に欠かせない建設機械メーカーのパイオニアとして、現在は建設用クレーンや油圧ショベル等を主力として事業展開している。顧客の要望に応えて「頑丈」「力強い」「操作しやすい」といった顧客視点の製品づくりを特徴としており、顧客から高い信頼を得ている。

1. 建設用クレーンと油圧ショベル等が主力の建設機械メーカー
建設用クレーンのラインナップはラフテレーンクレーン、オールテレーンクレーン、クローラクレーン、油圧ショベル等のラインナップは油圧ショベル、ミニショベル、クローラキャリアである。同社の市場におけるポジションとしては建設用クレーンで大手、油圧ショベル等で中堅という位置付けである。2025年3月にはハイブリッド式ラフテレーンクレーン「SR-250HV」の販売を開始した。また、2026年7月には油圧ショベルの新型「REGZAM」シリーズ4機種の販売を開始する。海外展開については中国事業から撤退し、アジア展開拠点のインドへのシフト、欧州市場での競争力強化、北米での販売ネットワーク強化などにより、グループシナジーを高めてグローバル展開を加速する。

2. 2026年3月期は一過性要因も影響して営業・経常損失
2026年3月期の連結業績(加藤(中国)工程机械有限公司を連結範囲から除外)は、売上高が前期比6.4%増の56,335百万円、営業利益が2,320百万円の損失(前期は903百万円)、経常利益が1,841百万円の損失(同1,401百万円)、親会社株主に帰属する当期純利益が4,526百万円(同6,033百万円の損失)となった。売上高は海外の需要低迷が継続したものの、国内向け大型ラフテレーンクレーンの販売再開や国内向け油圧ショベルの一部製品の弾力的な販売施策により増収となった。営業利益と経常利益は、戦略的な在庫圧縮に伴う工場稼働率の低下、資材価格・物流費の上昇、補用部品の長期在庫に対する一過性の評価損計上などにより損失を計上した。親会社株主に帰属する当期純利益は大幅に黒字転換した。特別利益には、中国子会社の連結除外に伴い、為替換算調整勘定5,300百万円を取り崩して利益剰余金に振り替えた会計処理を含む子会社売却益7,224百万円を計上した。一方、特別損失では、前期に計上した子会社整理損7,103百万円の影響が一巡した。

3. 2027年3月期は営業・経常利益が黒字転換の見通し
2027年3月期の連結業績は、売上高が前期比8.3%増の61,000百万円、営業利益が600百万円(前期は2,320百万円の損失)、経常利益が120百万円(同1,841百万円の損失)、親会社株主に帰属する当期純利益が0百万円(同4,526百万円)を見込んでいる。コスト増加を増収効果で吸収して営業利益・経常利益が黒字転換する見通しだ。親会社株主に帰属する当期純利益については前期に計上した特別利益が剥落するため減益予想である。売上面は、国内では大型ラフテレーンクレーンの販売が順調に推移するほか、油圧ショベルの新型機種の寄与を見込む。また海外では米国市場の緩やかな需要回復に加え、インド事業の操業開始の寄与を見込む。コスト面では財務体質改善に向けて、引き続き在庫水準適正化を目的とした弾力的な販売施策及び生産調整を進めるほか、資材価格・物流費のさらなる上昇、人件費の増加などによるコスト増加を見込んでいる。2027年3月期は業績回復途上の形となるが、前期の一過性要因が一巡し、さらに在庫水準適正化が進展することにより、下期に向けて業績回復基調が期待できると弊社では考えている。

4. 中期経営計画(2025〜2027)最終年度の2028年3月期目標を据え置き
同社は2025年3月に中期経営計画(2025〜2027)を策定し、テーマに「飛躍、そして次の時代へ」を掲げ、基本方針は企業価値の向上、成長戦略の推進と有効投資、収益性のさらなる向上、サステナビリティ経営の実践としている。目標値として、1期目の2026年3月期は売上高570億円、営業利益17億円、営業利益率2.9%、ROE3.7%、2期目の2027年3月期は売上高660億円、営業利益25億円、営業利益率3.7%、ROE5.4%、最終年度の2028年3月期は売上高790億円、営業利益36億円、営業利益率4.5%、ROE8.0%を掲げている。この目標値に対して、足元の財務体質改善に向けた弾力的な販売施策等が影響し、2026年3月期は売上高がおおむね計画達成したものの、営業利益は既述のとおり当初想定外のコスト増で計画未達となり、2027年3月期もその影響が継続する見込みだ。ただし2028年3月期については在庫水準適正化が進展し、弾力的な販売施策から転じて販売価格適正化施策を強化する方針のため、現時点では当初計画を据え置いた。また次期中期経営計画では、将来のありたい姿に「あらゆるステークホルダーから共感と支持を得られる企業へ」「更なる飛躍と持続的な成長の実現」を掲げ、売上高1,000億円超、営業利益率5%以上の達成を目指す。

■Key Points
・130年超の歴史を持つ大手建設機械メーカー、建設用クレーンと油圧ショベル等が主力
・2026年3月期は一過性要因も影響して営業・経常損失
・2027年3月期は営業・経常利益が黒字転換の見通し
・中期経営計画(2025〜2027)最終年度の2028年3月期目標を据え置き

(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田 雅展)


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