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フィスコ投資ニュース

配信日時: 2026/06/23 13:03, 提供元: フィスコ

飯野海運 Research Memo(3):海運業(外航海運業、内航・近海海運業)と不動産業を展開

*13:03JST 飯野海運 Research Memo(3):海運業(外航海運業、内航・近海海運業)と不動産業を展開
■飯野海運<9119>の事業概要

1. 事業の概要
同社は、資源・エネルギー輸送を主力とする海運業(外航海運業、内航・近海海運業)と、本社の飯野ビルディング(東京都千代田区)を主力とするオフィスビル賃貸の不動産業を展開している。海運業の業績は海運市況、燃料油価格、為替、新造船竣工、売船、入渠などの影響により大きく変動する傾向がある。同社の海運業の特徴として、市況変動の影響を受けにくい中長期契約と市況の影響を受けるスポット契約の割合をコントロールして収益の最大化を図っている。不動産業の業績は賃貸ビル取得・売却、賃料・空室率、設備更新・営繕費用などの影響を受けるが、海運業に比べると変動が少なく高利益率の安定収益源となっている。

過去5期(2022年3月期〜2026年3月期)のセグメント別業績では、海運業は2023年3月期〜2025年3月期に海運市況と為替が収益を大幅に押し上げたが、2026年3月期はケミカルタンカーの市況軟化に加え、3月にホルムズ海峡の事実上の封鎖の影響を受けた。不動産業は売上高、営業利益とも大きな変動はなく、おおむね堅調に推移している。なお2026年3月期の売上高構成比は外航海運業が80.5%、内航・近海海運業が8.5%、不動産業が11.1%、営業利益構成比は外航海運業が65.4%、内航・近海海運業が2.3%、不動産業が32.4%、営業利益率は外航海運業が8.6%、内航・近海海運業が2.8%、不動産業が30.7%となった。


海運業はケミカルタンカーや大型ガス船が主力

2. 海運業
海運業のうち外航海運業は全世界にわたる水域において、原油を輸送する大型原油タンカー、石油化学製品を輸送するケミカルタンカー、LPG(液化石油ガス)やエタンを輸送する大型ガス船、石炭・木材チップを輸送する専用船及び石炭・穀物・鋼材・肥料などを輸送する中型〜小型ドライバルク船(ばら積み貨物船)を運航している。内航・近海海運業は国内及び近海を中心とした水域において、LNG・LPG・石油化学系ガスを輸送する中小型ガス船を運航している。

2026年3月期末時点のグループ運航船舶数は合計92隻(社船53隻、用船39隻、共有相手持分及び短期用船を含む)である。船種別の内訳は、外航海運業の大型原油タンカー4隻、ケミカルタンカー33隻、大型ガス船9隻(LPG船7隻、エタン船2隻)、ドライバルク船23隻(ドライバルク船22隻、木材チップ専用船1隻)、内航・近海海運業の中小型ガス船23隻(LNG船1隻、LPG船20隻、アンモニア船1隻、溶融硫黄船1隻)となっている。また今後の投資計画として、2027年3月期に中長期契約の大型ガス船(Ice Class VLGC)1隻(自社)、ドライバルク船1隻(用船)、中小型ガス船1隻(用船)、2028年3月期に中長期契約の大型原油タンカー(二元燃料主機関搭載メタノール船)1隻(自社)、ケミカルタンカー1隻(用船)、ドライバルク船1隻(用船)、2029年3月期以降にドライバルク船2隻(用船)の竣工を予定している。

同社は資源・エネルギー関連輸送を主力として、グローバル・ネットワークを駆使した効率的な輸送で、遠洋から近海にわたる幅広い水域で海上輸送サービスを提供している。業界トップクラスの船隊規模を誇るケミカルタンカーや、安定収益源として中長期契約を積み上げる大型ガス船などが特徴・強みであり、特に中東積み石油化学製品の輸送量はトップクラスのシェアを誇っている。さらに、同社が運航するケミカルタンカーの多くはステンレス製タンクを有していることも特徴だ。ステンレス製タンクは通常のコーティングタンクに比べて耐腐食性が強いため、硫酸などの高運賃の酸性貨物を積めるほか、タンク洗浄など石油化学製品輸送に要求される高度な船舶管理ノウハウを有していることが同社の競争優位性につながっている。またLPG・石油化学系ガスの国内輸送シェアは業界トップクラスで、国内では数少ない内航LNG船も運航している。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田 雅展)


《HN》

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