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フィスコ投資ニュース
配信日時: 2026/06/18 16:07,
提供元: フィスコ
三和HD Research Memo(7):「三和グローバルビジョン2030」「中期経営計画2027」を鋭意推進中(2)
*16:07JST 三和HD Research Memo(7):「三和グローバルビジョン2030」「中期経営計画2027」を鋭意推進中(2)
■三和ホールディングス<5929>の中長期の成長戦略
2. 成長戦略
(1) 日本・米州・欧州のコア事業の基本戦略
日・米・欧のコア事業の強化・領域拡大を図る。実現のために、第1に、基幹商品・戦略商品の強化を図る。顧客/チャネル戦略の強化、ソリューション提案力の向上、デジタル化によるオペレーション強化を行う。第2に、サービス事業(修理、メンテ、保守点検など)の拡大を図る。循環型ビジネスモデルの確立、IoTサービスの展開、デジタル化によるオペレーション強化をすることで、サービス売上高を2025年3月期の882億円から2028年3月期には1,020億円にまで拡大する。第3に、M&Aを活用した事業強化と領域拡大を目指す。日本では多品種事業の拡大、米州ではビジネス領域の拡大、欧州では産業用ドアやサービス事業拡大を目指し、3年間で約500億円をM&Aに投じる計画だ。
中期経営計画初年度(2026年3月期)の実績は、日本事業では、営業利益率は中期経営計画の想定以上に改善している。2025年は建設資材高騰及び労働者不足などにより大型都市開発の工期遅れや長期化が売上数量にマイナス影響となったが、2026年も同様の傾向が続く見込みである。ただ、収益性の高い気候変動対応商品や好調なメンテ・サービス事業により、事業ミックスは改善している。さらに、各種コストアップの売価転嫁は、着実に浸透している。また、製造部門での内製化の取り組みによるコスト削減が進み、収益性改善に貢献している。中東情勢の影響による原油由来製品等の供給不足や資材価格高騰分については、足元は大きな影響はないが、長期化する場合は代替品の調達や売価転嫁により対応予定である。
米州事業では、営業利益率は計画を下回っており、市場回復にはまだ時間を要する見通しだ。2025年は関税影響と金利高止まり等により市場回復が遅れ、ドア事業は数量確保に苦戦した。数量回復は、2026年後半以降になる見込みだ。開閉機及び自動ドア事業は、市場回復が遅れる中でも数量を確保した。2025年は数量減による生産性悪化や、一時的要因である工場統廃合後のコストアップにより収益性が低下した。また、関税影響によるコストアップに対して、2025年は売価転嫁で対応した。2026年以降の関税ルール変更によるコストアップも、売価転嫁で対応する予定である。
欧州事業では、営業利益率は計画を大きく下回っており、市場環境は不透明さが継続している。2025年は市場低迷が継続し、2026年後半には回復を期待するが、中東情勢の影響等による市場環境の不透明さは継続している。産業用ドアとサービス事業を一体で強化し、収益基盤を確保した。今後、各種コストアップ分は売価転嫁で対応の予定だ。UKやドイツ、北欧などで事業再構築を実施中である。ドイツにあるNF本社では経営トップを交代し、事業再建に取り組んでいる。
また、サービス事業の拡大では、日本では好調なオフィス等の改修市場からの需要取込みを強化、米州ではM&Aなどにより自動ドアのサービス事業を強化、欧州ではサービス事業の拡大に注力することで、売上は目標達成に向けて順調に増加している。さらに、周辺領域のM&Aでは、米国の自動ドアサービス及び施工会社2社の全株式を取得した。
(2) アジア事業の基本戦略
アジア事業では、日米欧に次ぐ第4の柱として、利益を伴う成長を目指す。特に華東(中国の上海を中心に、江蘇省、浙江省地帯を総称した長江デルタ地帯を指す)事業の経営を軌道に乗せ、ベトナム事業の経営改善と既存事業のさらなる成長を図る。そして、市場拡大とアジア各社のシナジー追求により、安定的な黒字化と収益拡大を目指す。2028年3月期には売上高196億円(年平均成長率8.4%)、営業利益12.5億円(同49.6%)を計画する。
2026年3月期には、華東では、販売チャネル・製造・開発施策の取り組み強化等の構造改革を実行した。香港では、子会社3社の製造・管理等の集約による事業最適化を図り、グループ商材の折込・受注の推進等のシナジーを追求している。台湾では、半導体工場など大型プロジェクトにドアを多数納入している。アセアンでは、ベトナム事業の経営改善による利益ある成長を図る。現状、アジア事業の営業利益は計画を大きく下回って推移しているが、業績回復にはアジアで大きなウェイトを占める華東事業を、早期に軌道に乗せる必要がある。販売チャネルの拡大、人員入れ替えなどの構造改革に取り組んでおり、その成果が待たれる。
(3) 防災・環境対応製品とスマート化製品・サービスの基本戦略
気候変動やデジタル化などで変化する社会のニーズに応える防災・環境対応製品の拡充と製品・サービスのスマート化をグループ全体で進める。防災・環境対応製品の拡充については、同社が取り扱う製品はもともと防災・環境対応に密接に関連しているが、近年は気候変動がクローズアップされ、災害が頻繁に起きて激甚化していることから、より深く取り組む。防災商品、気候変動適応商品、気候変動緩和商品の売上高を2025年3月期実績2,133億円から2028年3月期目標2,300億円へ拡大する計画だ。また、製品・サービスのスマート化では、IoT・電動化対応製品の拡充、IoTを活用したサービス事業の拡大は、米欧に比べて国内での実績は十分とは言えないため、グループ全体として取り組むべく様々なラインナップを準備している。
2026年3月期の売上高は、目標達成に向けて順調である。国内を中心に好調で、商品ラインナップを拡充している。特に気候変動緩和商品では、工場や作業場などの職場環境改善提案の推進により高速シートシャッターが好調で、その他シャッターの受注高が前期比18.1%増となった。空調効率をアップする商品で、顧客への職場環境改善提案を強化した成果である。
(4) デジタル化とものづくり革新の基本戦略
業務プロセスのデジタル化や、生産能力拡大と省力化投資を推進する。デジタル化は待ったなしの課題であり、グローバルに取り組んでいる。生産能力増強と製造ネットワーク最適化による生産性向上や、業務プロセスやERP導入によるデジタル化を進める。また、計画期間中に設備投資に400億円、IT/デジタル投資に100億円、合計で500億円を投入する計画だ。各地域の取り組み及び投資額は、順調に推移している。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 国重 希)
《HN》
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